バーバラさんとのお別れ...
私は早速コンパスの中を開けた。
私 (これ...)
中にはジャックが持っていたバーバラさんの血がついたクッキーが入っていた。
私 (そっか...確かそうだったね)
私はそのクッキーをバッグに入れた。
そして、手紙と一緒に入っていた髪の毛をコンパスの中にいれた。
そうすると、針がグルっと回転し方向を指した。
私「本当だ...バーバラさんの言う通りだ...」
葵「行くって言っても...どれぐらいかかるんだろう...」
葵「何キロ先かもわからないし...」
私「そうだよね...」
葵「とりあえず、その方向に向かおうか...」
私「うん...」
私たちは小屋を出た。
外は雨が降っていた。
私「雨...」
葵「運悪く雨か...」
私「お兄ちゃん。村はどうなってる?」
葵「ん?あっだいぶ炎がおさまっているね...」
私「ちょっとだけ寄ってもいい?」
葵「うん...」
私「バーバラさんの形見なんでもいいから、娘さんのお墓の中に一緒に入れてあげようと思って...」
私「あと火葬してあげようと思うの...」
私「やっと娘さんに逢えるようになったのに可哀想じゃない...あのままじゃ...」
葵「そうだね...朱音の言う通りだ」
私「うん...」
私たちは再びバーバラさんの元へ向かった。
私「よかった。まだ燃えていない...」
私「バーバラさん...本当に安らかな顔している...」
私「こんな顔見るの初めて...」
私「私のあげた髪飾り今日も付けて...」
私「バーバラさん...」
私「娘さんのところに今度連れて行ってあげるからね...」
私は髪飾りと指輪二つをバーバラさんから外した。
私「ごめんね。バーバラさん」
私「この髪飾りは私の思い出にさせて...あとこの指輪はミリアちゃんに...」
私「この指輪は娘さんのところに連れて行くからね...」
私「お兄ちゃん。火を持って来てくれない?」
葵「もういいんだね...」
私「うん...早く痛い体から解放させてあげたい...」
葵「わかったよ...」
葵は木材に残り火を付けた。
葵「はい...」
私「ごめん。ちょっと待って...」
私「バーバラさん!バーバラさん!」
私はバーバラさんに抱きついた。
私 「また前みたいにギュッてして...」
私 「朱音ちゃんって...頭を撫でて...」
私「お願い...」
でも、バーバラさんの体はとても冷たく...動かなかった。
私はようやくバーバラさんがもうこの世界にはいないことを理解した。
私「やっぱりそうなんだ...」
私「もう...いないんだ...ここには...」
私「そっか...そっか...」
葵「朱音...」
私「...」
私「うん...」
私「決心はついた...」
私「ちゃんとリディアさんと逢えるように見送ってあげないとね...」
私「うん...」
私はバーバラさんから体を離した。
私「バーバラさん...これまでありがとう...」
私「私にたくさんの温かさをくれて....」
私「本当に...本当に...ありがとう...」
私「愛しているよ...お母さん...ずっと...ずっと...これからもずっと...っうっっ...」
私「お兄ちゃん...お願い...っうっっ...」
私はお兄ちゃんから受け取り、バーバラさんに火を移した。
炎がみるみるバーバラさんの体を蝕んでいく。
私「あっ...」
私 (いいの...これで...バーバラさんはきっとこれを望んでいるんだから...)
私「どうか安らかに...リディアさんとお幸せに...」