精霊都市エレメンタル
私たちはスフィアを離れ、精霊都市エレメンタルへと向かっていた。
辺りは茂り始め、道という道はなく森の中へと入っていく。
ジャック「だいぶ歩いたね」
ジャック「あっ…見えてきたんじゃない?」
私「本当だ…」
私「あれが精霊たちの神木『エレメンタルツリー』なんだよね」
私「大きい…」
?「ジ、ババ、ゴト」
ジャック「何か来るっ!」
ジャック「下がるんだっ!」
ツタや細木を纏った背の高い生物が近づいてきた。
ジャック「…ゴーレム?」
ゴーレムは私たちの前に止まる。
ゴーレム「ソノ ムス メ セイレイ サマ ヲ ヤドシ テ ル」
ゴーレム「セイレイ サマ ノ カゴ アル テキイ ナイ」
ジャック「その言葉通り、敵意はないよう…だね」
私「私、聞いてみる…」
私「ゴーレムさん。エレメンタルツリーに行きたくて…」
ゴーレム「ワカ テイル アノカタ カラ タノ マレテ ココ キタ」
私( あの方…?)
ゴーレム「ツイテ…コイ」
ゴーレムは振り返って先に進んでいく。
ゴーレムについて行くことにした。
ジャック「だいぶ深いところまで来たね…」
辺りは日の光が入らないほどに背の高い木々に覆われていた。
?「あ!お客さん?」
?「うん。そうみたいだねー。めずらしいねー」
?「あれ?」
?「へー。キミめずらしい精霊がついているんだね」
手のひらサイズの妖精たちが話しかけてきた。
精霊たち「キミは?うーんっと…」
精霊たち「うわ!睨まれたっ!」
精霊たち「怖いよー。キミの精霊…」
精霊が指をくわえながら木の影に隠れる。
ゴーレム「キャク ジン ダ テイチョウニ イワ レテル」
精霊たち「はーい」
精霊たち「向こうにいこう」
精霊たち「うん。そうだね」
精霊たちが去っていった。
ゴーレム「ツイ タ」
ゴーレム「コレ セイナル キ ワレワレ ノ ミナ モト」
私「これが…」
太陽の光が木の葉をすり抜けて差し掛かり、大木を照らしていた。
ゴーレム「アノ イチバン ウエ ダイセイレイ サマ イル」
ゴーレム「ワタシ ココ マデ」
ゴーレムが振り返って去っていく。
私「ありがとうございました」
私はお辞儀をした。
ゴーレム「うん」
ゴーレムの肩に小鳥が止まる。
エレメンタルツリーの外壁には上に続く木の足掛けが円を囲むように螺旋状に突き刺さっていた。
私「ここを登っていくの?」
ジャック「うん。そのようだね」
私 (足を踏み外したら一貫の終わりだぁ…)
私 「高いところ苦手なのにぃ...」
私( あれ…なんで高い所が苦手ってわかったの…)
私( これも私の記憶なのかな…)
ジャック「でも行くしかないだろ?」
私「…うん...」
木に体がへばりつくように出来るだけ下を見ないように足をかけた。
ジャックは手で木に触れることなく、歩みだけでのぼっていく。
私( 怖くて見てられない…)
ジャック「遅いよグレーテ」
ジャック「もう少し早くできないのぉ?」
私「ムリだよそんなのっ!」
ジャック「もー…先に行っちゃうよ」
私「それはダメェ!ゆっくりっっっっぃ!」
私 ( 調子に乗って落ちても知らないよ…)
ジャック「下を見てみなよ。もうこんな高くまでって感じぃ…」
私「ムリ!」
ジャック「もうせっかくなんだからこのスリルを楽しまないと」
ジャック「おっとっ!」
ジャックがバランスを崩したが立て直した。
ジャック「危ない…踏み外すところだったぁ…」
私「もう!落ちても私、助けられないからね!」
ジャック「うん。キミが落ちても僕はキミを助けられないと思うー...」
私 (何なのコイツっ!)
ジャック「着いた着いた。さぁ、もうすぐさ」
私 ( 着いたんだ…)
足元の刺し木を見ると、腐食のせいか部分的に脆くなっているようだった。
私「大丈夫なの…かな…」
足をかけた途端、「ボキッ!」と不安な音がした。
私( そんな!落ちる…)
ジャック「グレーテッ!」
頭から真っ逆さまに落ちていく…
私「だめ…だ..」
?「主、ここまで来て諦めるのか?」
私「…えっ…」
私「誰?」
私の頭に誰かが語りかけてきた。
?「ここならオレの力を引き出せそうだ...」
急降下する中、体から突然、紫のオーラのようなものが現れた。それが私の背中で何かを形作った。
私「…」
私「あれ…」
落下速度が段々と落ち、やがてバサバサと上昇していく。
そのままジャックのいる頂上まで昇り、ゆっくりと足をつけた。
ジャック「グレーテ…」
ジャック「今のは…」
私「私もわからない...」
?「今のはあなたに宿った精霊の力です」
うしろを振り向くと、エメラルドグリーン色の髪をした綺麗な女性が立っていた。
私「すみません。あなたは…」
?「お初にお目にかかります。私はここエレメンタルを守護するシルフという者です」
私「あっ…私、グレーテといいます。こっちはジャックです」
シルフ「フフッ…可愛いお客様ね…」
シルフ「それはさておき…」
シルフ「この子に宿っていたのですね。シェイド…もうあなた外に出られるのでしょ?」
?「フフッ 大精霊シルフさんよー。おー。久しぶりだなー」
私の体から紫色のオーラが現れ、そのオーラが羽の生えた黒い人のようなものを形作った。
シェイド「こうして、主と顔を合わせるのは初めてだな」
シェイド「オレはシェイド。以後、お見知り置きを…」
私「あなたがさっき助けてくれたの?」
シェイド「あぁ。そうさ…」
私「ありがとう。助かったわ」
シェイド「いいや。オレはアンタを助けたわけじゃない」
シェイド「アンタに死なれたら困る。つまりは自己防衛だ…」
シルフ「シェイド...あなたの消息が暫くわからなかったのはこの子に付いていたからなんですね」
シェイド「あぁ」
シルフ「あなたもう人には興味なかったのでは?」
シェイド「まぁな。でも、コイツの運命がどうなるのか気になってよ…」
シェイド「ハハッ...でも、憑いて正解だった」
シェイド「その女よく食うし、すぐ怒るしっ…ハハッ!」
シェイド「飽っきねぇーなぁー…」
ジャックは察した。
私「むむむむっ!」
ジャック「あっ…噴火かな…」
私はシェイドをビンタした。
シェイド「痛って!何すんだ?!いきなりっ!」
シェイド「このクソ女ー!」
もう一度シェイドをビンタした。
シェイド「だから、痛ってーよー!」
シルフ「フフッ」
シェイド「何笑ってんだ!」
シルフ「フフッ…あなたが平手打ちされるところなんて初めて見たもんだから」
シェイド「痛ってーなー。本当にぃ!」
シェイドの頬には真っ赤な手の跡が付いていた。
私「ダメ男ばっかり…」
私「アンタもよジャック!噴火って何っ!」
ジャック「やっぱり、飛び火したねぇー…」
私「シェイド!あなたは精霊か知らないけど…」
私「女の子に失礼なこと言ったらダメなんだからねぇっー!」
私「わかった!?」
シェイド「あいよご主人」
シルフ「フフッ…さっそくもう仲良くなれたのですね」
私「仲良くない!」
シェイド「良いわけねぇだろ!」
シルフ「フフッ...まぁいいわ。話を進めましょう」
シルフ「先ほどシェイドが力を発揮できたのは、精霊に適した魔素がこの場所に沢山あったためです」
シルフ「彼がこうして自身の体を具現化できるのもそれが理由…」
シルフ「ですが、ここ以外の場所では精霊に適した魔素が少ないためにさっきのような力を出せないのです」
シルフ「なので、他の場所で彼が力を出せるように宿主であるあなたが彼に適した魔力を渡してあげる必要があります」
シェイド「そうさ。主は膨大な魔力を持っているのにオレによこしやがらねー」
私「よこすも何も…出来ないのー!」
シルフ「そう。彼女はその方法を知らない…」
シルフ「だから、供給してあげられるように訓練しないといけないの」
シェイド「ふーん…だだのケチではなかったってことか…」
私「もう一発欲しいの?」
私「懲りてないのっ!?」
シェイド「いやいや。もうご勘弁…」
私「シルフさん…それを身に付けるのって…どれぐらいかかりますか?」
シルフ「そうね。だいたい一週間ぐらいはかかると…」
私「そんな...それじゃ間に合わない…」
シルフ「お急ぎで?」
私「はい…」
シルフ「そうですか。困りましたねー...」
シェイド「オレに任せろ!」
シェイド「契約をして魔力の供給さえ行ってくれれば、あとはオレなんとかしてやる」
シルフ「うーん...」
シルフ「まぁ、そうですね。シェイドがこう言っているのでなんとかなるでしょう…」
シルフ「シェイドは、精霊の中でもかなり上位な方なので、思っているほど心配はないのかもしれません…」
私「そうですか...」
シルフ「では、訓練は明日からにしましょう」
シルフ「今日は相当疲れたでしょう。ご夕食とお部屋を用意致しますね」
シルフ「お先にご入浴をどうぞ」
私「ありがとうございます」
シルフ「暫くの間シェイドを可愛がってあげてくださいね」
私「はぁ…」
シェイド「あぁん?!」
私たちは入浴後、夕食に呼ばれた。
シルフ「お待たせ致しました。エレメンタル名物の野菜を使ったスープとピザです。」
シルフ「ピザに使われているチーズはユニコーンの乳から作っておりまして絶品ですよ。」
私「美味しそ~!これすべてシルフ様が?」
シルフ「はい。私お料理が趣味なんですー。でも我々精霊は魔素が食事のようなものなので、
お料理をしても食べてくれる人がいなくて、今日は張り切っちゃいました!」
シルフ「お口に合うと良いのですが...」
私( あのお淑やかなシルフさんがエプロン姿でルンルンしている。カワイイッ!)
私「いただきまーす!」
私「あれ?ジャック食べないの?」
ジャック「食べて良いのかい?また『眺めさせてっ!』とか言うかと思って...」
私「あの時はごめんねジャック。好きにいっぱい食べて」
ジャック「本当かい!ピザはねぇ。僕の大好物なんだよぉー。いっただきまーす!」
シルフ「まぁ。そんなに美味しそうに食べてくれるなんて幸せですっ!」
私「すっごく美味しいです!」
ジャック「うぉん。最高さー」
シルフさんの手料理をお腹がいっぱいになるまで楽しんだ。
用事を済ませ、部屋に戻るとジャックが先に寝ているようだった。
私 ( あれ?記憶の引き継ぎまだなのに…どうしよう...)
私( 起こす?)
私( いや、可哀想だな…)
私 「まぁ、自分ですればいいか…」
私 ( ジャックの寝顔って初めて見るな…)
私 ( こんな感じなんだ…)
ジャック「グレーテル...一人で行くのは危ないよ。僕も付いていく...」
私「何の夢を見てるの? フフッ」
私( でも、グレーテじゃなくて、グレーテルって…)
私( 聞き間違いかな…」
ジャックのカバンから砂時計を取り出し、私も眠りに入った。
-----翌日-----
ジャック「おはよう!グレーテ」
私「キャーーーーーっ!」
私は枕をジャックに投げた。
私「誰なのっ!あなたっ!」
ジャック「はいはい。毎日恒例のあれだねー…」
ジャック「美味しい匂いがしてきたから、そろそろ起きると思ったよ...」
ジャック「じゃあ、これを見つめてー…」
ジャックは面倒くさそうな顔をして私に砂時計を見せた。
私「ジャック?」
ジャック「よかった」
ジャック「昨日私が先に寝ちゃったから、記憶を引き継げてないのかと焦ったよ...」
ジャック「一人でやってくれたんだね」
私「うん。そう」
ジャック「よかった。安心した..」
私「ジャック...」
ジャック「どうせご飯だろ?」
私「うんっ!」
私「早く行こ!」
私たちは食堂へ向かった。
私「今日のっ朝ごはんはぁっ!なんだろうなっ!」
シルフ「おはようございます」
私「おはようございます!」
私「トマトのとても美味しい匂いがしてますねー!」
シルフ「はい。ミネストローネを作ってみました!」
今日のシラフさんもバッチリエプロン姿は可愛いかった。
私( 可愛いっ!)
シルフ「さぁさぁ。どうぞお掛けになって...」
シルフ「お口に合えばいいのですが...」
私「そんなの美味しいに決まってるじゃないですか!」
シルフさんがミネストローネとパンをお皿に盛り付けてくれた。
私「美味しそう!いっただきまーす!」
私 (このトマトスープのコク…なんて美味しいの!)
シルフ「どうかしら?」
私「言葉にできないほどの美味しさです!」
シルフ「まぁ、本当に!?」
シルフ「とっても嬉しいわ!いっぱい食べてくださいねっ!」
ジャック「本当キミって美味しそうに食べるね」
私「美味しいんだもん!」
ジャック「そうかい。へへッ」
食事の後、練習場に向かった。
私「それでは、お願いいたします!」
シルフ「はい!」
シルフ 「それでは訓練を始めますね...」
シルフ 「まず、シェイドとの契約が必要です」
シルフ「お互いの手の平を合わせてください」
シルフ「お互いの心を通わせるイメージで...」
シェイドとの手の平の間が紫色に光り始めた。
シルフ「良い感じです」
シルフ「あともう少しです。強くイメージしてください...」
紫色の光が辺りいっぱいを照らした。
シルフ「成功です!」
シルフ「グレーテさん手の平を見てみてください」
私の手の平には紫色の紋様のようなものが浮かび上がっていた。
シルフ「それは、契約完了の証です」
シルフ「これで、シェイドへの魔力通気口が出来た感じです」
シルフ「ここまでは比較的簡単なのですが...」
シルフ「魔力の供給はコントロールが必要でして、それがこの短期間で上手くいくかどうか...」
シェイド「出来るさ。なぁご主人」
私「さぁ?」
シェイド「さぁっ?って...とりあえず、その手の紋様に魔力を流してみな」
私「だからどうやって?」
シェイド「だから、イメージだよイメージ!注ぎ込むイメージだよ」
私「こう?」
シルフ「まさか一度でっ!」
シェイド「そうそう。キッター!キタキター!懐かしいなこの感じ」
シェイド「って、チョット待っ!」
「ドッカーーーーーーン!」
大きな爆発音と共にシェイドから紫色の煙のようなものが吹き出し、辺りはモヤに包まれた。
シェイド「多すぎだっ!殺す気かーーー!」
私「ごめんごめん...」
シェイド「またやるのか?!」
私「うん。だって今日中には終わらせないと...」
私「間に合わないから」
シェイド「そんなに魔力を注ぎ込んで疲れないのかぁ?」
私「全然!」
私「 じゃあ、いっくよ!っ」
シェイド「ちょっと待っ!」
「ドッカーーーーーーーン!」
シェイド「ひぃぇえぇーーー…」
私「コントロールって難しいだね。次こそは!」
「ドッカーーーーーーーン!」
シェイド「頼むから学習しやがれーっ!」
私「ごめん!」
私「もう一回っ!」
シェイド「やめぇてぇえーーーー!」
「ドッカーーーーーーーン!」
シェイド「魔力お化けぇーーーー!」
ジャック「あぁ…可哀想に...」
椅子にちょこんと座りながら、お菓子を片手に眺めていた。
ジャック「あれから五時間ぐらい経ったかな...」
私「だいぶ上手くなったかもっ!」
シェイド「だいぶ上手くなっただぁ?」
シェイド「アホかお前っ!」
シェイド「何回ドッカンする気だっ!」
私「ごめんね。次こそは...」
シェイド「『次こそは』を俺は何回聞いたことかっ!」
シェイド「…ちょっと待っ!」
シェイド「もー。いや〜!」
シェイドがその場から逃げようとした瞬間、シェイドの体が紫色のオーラで包まれた。
私「えっ…もしかして…」
シルフ「こんなにも早く習得できるなんて…」
シェイド「成功だ…」
私 ( あれ?…)
私( なんだか頭がボーッと...)
ジャック「まさか!」
ジャックが駆けつけて、倒れる私を抱き抱えた。
ジャック「グレーテっ!早く砂時計を見つめるんだっ!」
私「ん?」
私はそのまま眠りについた。
ジャック「危なかった...間に合ったようだね」
シルフ「この子はまさか…」
シルフ「もしかして...じゃあ、あなたは...」
ジャック「うん。そうさ…」
ジャック「あなたが今考えている通り…」
ジャック「終わらせるんだ。全てを...」
シルフ「それじゃあ、この子は…」
ジャック「止めたって無駄だよ」
ジャック「僕はこの子にすべてをかけているんだ」
シルフ「あなたには関係はないはずだ」
ジャック「内緒にしておいて欲しい…彼女には…」
ジャック「…すまないが頼む…」
-----翌朝------
ジャック「目が覚めたかい?」
私「キャーーーーーっ!」
ジャック「はーい…」
ジャック「さぁ。これを見つめるんだよー」
私「ん?」
私「あれ?あの後...」
ジャック「そう。あの後キミは倒れたんだよ。魔力切れさ…」
ジャック「でも何とか間に合って記憶を引き継げた」
私「ありがとうジャック」
私「もしあのまま、記憶を引き継げなかったら…」
ジャック「いいんだ。なんとかなったならね…」
私「お腹空いたっ!ごはん行こ!」
ジャック「言うと思ったよ...」
シルフさんの手料理を思う存分楽しんだ。
私「幸せぇー…」
シルフ「そうですか!そう言っていただけることが私の幸せですー…」
私「これが需要と供給ってやつですかねー。ハハッ」
シルフ「そうかもしれませんね。フフッ!」
ジャック「キミが勝手に食い散らかしているだけだろ」
私はジャックの横腹をコソっとつねった。
私「なんか言った?」
ジャック「ううん…」
私「あれ?シェイドは?」
ジャック「もう暫く出たくないって言ってたよ...」
私「そうなんだ...どうして?なんかあったのかな?」
ジャック「さぁねぇ…」
私「ごちそうさまでした」
私「あっそうだ…」
ふと気になりクローバーを確認した。
私「もうこんなに?!」
五分の三ほどが枯れかかっていた。
私「急がないとっ!」
私「シルフさんありがとうございました」
私「私たちもう行きます!」
シルフ「そうなのね...わかったわ。またごはん食べに来てください」
私「はい!もちろんです!」
私「行ってきますっ!」
シルフ「はい。行ってらっしゃい」
シルフさんに別れを告げ、エレメンタルツリーをへっぴり腰で降り始めた。
私「もー…」
私「こわいってー!」
私「シェイド!翼貸してー!」
シェイド「…」
シェイドは応えなかった。
私「もー! シェイドー!」
私「出てこいっ!コラー!」
私は文句を言いながらもなんとか自力で地上まで降りた。
私「今度アイツ絶対にシバいてやるっ!」
私「もーーーーーっ!」
文句言いながらも再びスフィアに向けて歩み始めた。