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忘却のグレーテ  作者: だい
第二章
36/116

今の幸せ?それとも...

私 (とりあえず、お兄ちゃんに相談しないと...)

私 (私は助けに行きたい!)


「コンコン」

葵「朱音ちょっといいか?」

葵「さっき、話忘れていて明日のことなんだけど...」

私「うん!」

葵「明日どこでお花買おうかなと思って...」



私 (でも、これお兄ちゃんに言うべき?...)


私 (私が行くって言ったら...俺も行くって言うだろうし...)

私 (あっちの世界ではもうお兄ちゃんの体が...)


ジャックの言葉が頭をよぎった。

ジャック「お願いだ。お願いだからもう二度と自分の命を投げ出すようなことはしないでおくれ...」


私 (...うん...そうだね。ジャック...)

私 (言うべきね...)


葵「...朱音聞いてる?」

私「あっ...ごめん...聞いてはいるんだけど」


私「先に相談したいことがあっていい?」

葵「うん...いいけど...」


私は絵本に書かれていたことをお兄ちゃんに伝えた。


葵「そんなことが...」

葵「あっちでは大変なことが起きていそうだね...」


葵「それで朱音は?」

私「私は.............助けに行きたい....」


葵「そう言うと思ったよ」

葵「じゃあ、一緒に行こう」


私「...」

私「それはだめ...」


葵「え?...」

私「だって...お兄ちゃんの体が...もたないから...」

葵「え!俺を置いて朱音だけで行くっていうの?」


私「...うん...」

葵「それはだめだ。それじゃあ行かせられないなぁ...」


私「そうよね。そう言うと思った...」


私「でも、お兄ちゃん...」

私「私絶対に帰って来るから!」


私「私、お兄ちゃんが目の前で消えてしまうなんて耐えられないっ!」

葵「それは、俺だって同じだよ。朱音...」

葵「朱音がこれで帰って来なかったら...俺は朱音を一人で行かせたことを一生後悔するんだよ...」

葵「ジャックと同じようにね...」

私「...」


私 (そうよね...)


私 (でも、わたしはみんなを...)


葵「って言っても...朱音は行きたいんだろ...」


葵「わかっているよ...朱音のことだもん」

葵「朱音の辛そうな顔は見たくない...」


葵「朱音...」

葵「絶対に戻って来るんだよ...」


私 「お兄ちゃん...」


私 「うん...」

私 「私、絶対に戻ってくるからっ!」


「バーバラさん。今から行くね」と書き込んだ。

「朱音ちゃんありがとう...」と文字が浮かび上がった。


突然、絵本のページがパラパラとめくれ、閃光を放った。


「朱音ちゃん。頼むよ...」


私「お兄ちゃん...行ってくる...」

葵「うん...」


私は本を床に置き、その上に足を乗せた。


私 (吸い込まれるっ...)


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