これからの未来に向けて
お兄ちゃんは早朝、ホウキを構えて部屋に入ってきた。
葵「おはよう」
葵「って!」
葵「なんで、ベッドが二つもあるのに一緒のベッドで寝てるんだっ!」
葵「おい!ジャック起きろっ!」
葵「お前っ!やってくれたな!」
ジャック「ん?あっ...あぁお兄様...おはよう...」
葵「だ・か・らっ!お兄様って言うのやめろっ」
葵「朱音から離れろっ!」
ジャック「へへー。やだねー....」
葵「お前本当に…本当に何もしていないだろうな...」
ジャック「さぁねぇ...」
葵「こいつー!」
葵「もうお前が退く気がないならこうしてやる」
葵はジャックと私の間に入って横になった。
ジャック「狭いよー...」
葵「仕方がないだろ...お前が朱音から離れようとしないんだからっ!」
私「ん?もうなぁに?」
私「え!お兄ちゃん!」
葵「おはよう!朱音」
私「キャーーーー!」
「バシンッ!」
びっくりしてお兄ちゃんをビンタした。
葵「痛ってー!」
私「ごめん。そんなつもりはなかったんだけど...びっくりしちゃって...」
私「でもなんでお兄ちゃんがここに?」
葵「そりゃ...朱音がジャックに変なことされてないか気になったからっだっ!」
葵「それで、来てみたからっ!これだっ!」
葵「これは、兄バリアだ」
ジャック「シスコン発動ー」
葵「うるさい!」
私「ふーん...私これまでずっとジャックと同じベッドで寝てたけど...」
私「それってダメなの?」
葵「はぁ!?」
葵「おい!ジャックっ!表に出ろ!」
ジャック「やだねー...」
葵「お前ら…」
葵「もしかして...そのー…そうゆう関係なのか?...」
私「そうゆうって...?」
ジャック「そうゆうって...?」
葵「だから...もうわかるだろっ!」
私「あー...」
私「違う違うっ」
ジャック「へへっ…特別な関係さっ」
私「もー。ジャックったらー!」
葵が唖然となった。
葵「あっ...そそそ...そうなんですか...」
葵「そうなんですねー...ハハハ...」
葵「それはどうもお邪魔しました...ハハハ...ハハハ...」
葵「そうか...朱音はもうそうゆう歳なんだねぇ....」
葵「ハハハ...ハハハ...」
お兄ちゃんは魂が抜けたように部屋から出て行った。
私「もうジャック!兄さんをからかわないでー」
ジャック「へへへッ」
ジャック「キミのハンスって面白いね...」
私「もー...あとでお兄ちゃんには何もないってちゃんと説明するっ!」
私「さぁ!ご飯いこ!」
ジャック「言うと思った...」
ジャック「あっそうだ... 昨日シェイドとはどうなったんだい?」
私「あー。そうだ思い出しちゃった...あいつマジムカつく!あの羽虫ぃー」
私「次、出てきた時は羽をもいでやるからなっ!」
ジャック「あー...ハハッ...そうかい...」
とばっちりを受けないでおこうと決めたジャックだった。
私「いこ!?」
ジャック「うん!」
私たちは食堂へ向かった。
私「バーバラさーんっ!おっはよっー!」
一目散にバーバラさんに飛びついた。
バーバラ「ハハッ 今日も元気だねー朱音ちゃんは...」
バーバラ「可愛いんだから...」
私「本当に?!」
バーバラ「うん!」
私「もう一回言って...」
バーバラ「可愛い」
私「フフっ...」
バーバラ「フフフっ...」
バーバラ「さぁ。冷めちまうよ。お座り」
私「うん!」
バーバラ「あっそうだ。さっきから葵があんな様子だけど何かあったのかい?」
葵はロボットにようにただ黙々と食事を口に運んでいる。
葵「...そっか...朱音は...もうそっか....ジャックと...そうなんだね...」
私「あっ...」
私 (人って絶望した時こうなるんだ...)
私「お兄ちゃん!」
私「私とジャックはそうゆう関係じゃないからっ」
葵「えっ!そうなのか!」
葵「あー...よかったー...」
葵「あー...安心したー...もうびっくりさせんなよー...」
葵「そうだよなっ そうだよなー」
ジャック「っと言うのは建前でー...」
葵が再び魂が抜けたようになった。
私「もう!ジャック兄さんで遊ばないでっ!」
ジャック「へへっ 新しいおもちゃみーつけた!」
私たちはバーバラさんの手料理を思う存分楽しんだ。
私「やっぱり、バーバラさんの料理はサイコー!」
バーバラ「ありがとうね...」
バーバラ「あのね...ジャック...」
ジャック「…」
ジャック「さぁ、グレーテ行くよ...」
私 ( ジャック...やっぱり、バーバラさんのこと...まだ...)
私「ジャック...」
ジャック「...」
バーバラ「ジャック...本当にごめんなさい!」
バーバラさんはジャックに向かって土下座をした。
バーバラ「あなたやあなたの妹に私はとんでもないことをしてしまった...」
バーバラ「どう謝っても許されないことはわかっている...」
バーバラ「でも、せめてこうして謝らせてちょうだい...」
ジャック「...」
ジャック「...」
ジャック「...」
私「ジャック...」
ジャック「...ん?なんで宿屋の店主が私に謝っているんだい?」
ジャック「悪い魔女は昨日私たちが倒したじゃないか」
ジャック「だろ?グレーテ」
私「ジャック...」
私「うん!」
ジャック「さぁ。いくよグレーテ」
バーバラ「…ジャック…」
私「うん!」
私「お兄ちゃん。少し出掛けてくるね...」
葵「気をつけろよ」
私「うん!」
ジャックは黒いローブを羽織って外に出た。