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忘却のグレーテ  作者: だい
第一章
15/114

願い事コンテスト

「ゴーン」という鐘の音で目が覚めた。


私( あっ。もう時間だっ)


私「ジャッ」

私( よく寝てる)

私( 疲れているんだね。なんだかんだ私はあなたに助けられてばかり…)


私「ありがとうジャック…」


私( このまま寝かせてあげよう…)


私はジャックを置いて宿を出た。


私「一人でも頑張らないと…」


私( ジャックはまだ私に何か隠していることがあるんだろうな…)

私( 異様な魔女への嫌悪感やさっきのスープだって…何か理由があるはず…)


私は一人で街の大広場へ向かった。


私「すごく賑わっている」


受付人「さぁ、参加者の人はこちらへ」

受付人「もう締め切るよー」

私「待ってください!」

受付人「キミ参加するの?」

私「はい」

受付人「一人で?」

私「はい…」

受付人「頑張ってね。今年は参加者が例年より多いから優勝は難しいとは思うけど…」

受付人「キミは54番ね」

私「はい」

受付人「時間まで暫くあるから、他の人のものを見るなり、発表の練習をするなりしておくれ」

私「ありがとうございます」


受付人「さぁ、始まるよ」


「パンッ!パンッ!」

花火が打ち上がる。


?「レディース&ジェントルメン。Welcome to the contest」

?「今年もやってまいりました『願い事コンテスト』」

?「今年のグランプリに輝くのは誰かぁ!」


観客「ヒューーーーー!」

観客「いぇーーーい!」

観客「ピィーーーーウィ(口笛の音)」


?「司会はこの私、マッドがお送りいたします!」

マッド「さぁ、今年の参加者は?なんと!五十四名もの参加者が集まったー」

マッド「これは白熱の展開が予想できますっ!」

マッド「ルールは例年通り」

マッド「発表者の願いが素敵っ!と思ったらお手持ちの赤い札をあげてくれ」


マッド「上げられる回数は一人一回のみー」


私( そっそんなの最後の私、不利じゃ…)


マッド「それで一番札が多かった人がグランプリに輝く」


私「大丈夫。きっと大丈夫…」

私「私の願いに共感してくれる人はきっといる」

私「諦めなければ…必ず…」


私( 自分を信じろ…)


マッド「それでは始めましょう!」

マッド「一人目の発表です」


一人目

サックスなど楽器を持った男性達がステージに現れた。

?「私たちの叶えたいことはこの曲を世界に発信したいことです」

?「それでは、聴いてください」


男集団が華麗な楽器さばきで、音楽を奏でた。


私「すっご〜い!」


?「ご清聴ありがとうございました」


次々と札が上がる。


マッド「それでは集計」


マッド「二重八票!おめでとうございます。暫定一位」


観衆「いぇーいっ ヒューヒュー」



マッド「それでは続いての発表です」


?「私の夢は、この炎を使った芸術を世に広めることです」

?「それではご覧あれ」


発表者の手のひらから炎が出てきた。

観衆「おぉ!」


しかし、突然雨が…


?「あれ?火が…」

観衆「・・・」

?「へへへっ…」

?「以上です…」


マッド「さぁ、天候に恵まれなかったが、結果は果たして…」


マッド「うーんと…2票、暫定二位です」


私「かわいそうに…」


マッド「さぁ、続いては」


その後、多種多様な発表が繰り広げられた。


私「あー私、場違いかも…」

私「でも、やるしかないっ!」


マッド「続いては、五十三人目の発表者!どうぞ!」

私( あー。この男の人次だ…)

私( 大丈夫…かな…)


?「私の夢はこの歌を世に広めることです」

?「聞いてください『歯車』」


?「

自分ってなんだ?♪生きる意味はなんだ♪

歯車のように我々は♪使えなくなればすぐ取り替えられる♪

替えの効く自分なんて♪何の価値があるんだぁー♪


Change the spares♪

Change the spares♪


それでも、我々は歯車なしでは動けない♪

だから、僕らはどのパーツになーるかを選ぶだけー♪


Change the spares♪

Change the spares♪


Change the spares♪



観衆「ヒューヒュー!うぉー!キャー!」


私「すごい歓声!」

マッド「いやー!素晴らしいかった」

マッド「痺れたねー」

マッド「それでは集計!」

マッド「なんとなんと!」

マッド「八十九票!」

マッド「そして、順位は!?」


マッド「なんと!一位です!」

マッド「この会場ほとんどの札が上がったんではないでしょうか?」


私「こんなに札が上がっちゃったらもう…」

シェイド( 主、聞こえるか?)

私(シェイド?あなた私の心の声が聞こえるの?)

シェイド( あぁ…)

シェイド( なんか嫌…)

私( 最低!キモい。変態っ!)


シェイド( いやいや、待て待て)

シェイド( そういうことじゃないんだ)

シェイド( 主、お前さんはこのチャンスを諦めるのか?)

シェイド( まだ何もしていないのに)


私( だっ…だってこんなに札があがったら…)


シェイド(そんなの分からねーだろ)

私( 結果が目に見えているよ。そんなの…)

シェイド( そうか。じゃあ、今後何が起こっても今日のことは後悔しないんだな…)

私( え…)

シェイド( お前さんの兄貴が救えなくても?)

私( それは…)

シェイド(だろ?)


シェイド( アンタは素晴らしいんだ。今日までずっと諦めずに追い続けてきたじゃないか)

シェイド( 俺はアンタをずっと側で見てきたから誰よりも知っている)

シェイド( 底なしの頑張り屋だって)

シェイド( アンタならできるっ!不可能な状況でもやれるだけやって盤上をひっくり返せぇ!)

シェイド( なぁ。主!)


私 (シェイド…)

私「…っっ」

シェイド( ん?主、何故泣くんだ?…)

私( 違う。とっても嬉しくて…)

私( そんなのこと言われたの…初めてだったから…)

シェイド( フフッ…そうか…)

私 ( いつもそばにいてくれてありがとう…)

シェイド(あぁ。俺が何があってもアンタを守る。だから、全力で突っ込め)

私( うん!)


私は泣き顔を直してステージに上がった。

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