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忘却のグレーテ  作者: だい
第一章
13/114

治癒術師オスカー

地図に記された店に向かった。


私「うーん...ここかなぁ...」

ジャック「ここ本当に治癒術師の店なのかい...呪術の間違いではないよね...」


店はツタで覆われ、窓も割れており、いかにも怪しい雰囲気を醸し出していた。


私「入る?」

ジャック「うーん」

ジャック「そうだねー...」


恐る恐る扉を開けた。


「ギィー」


古びた扉がきしむ音を立てた。


店内は薄暗く所狭しと本が山積みに。

店の奥には、緑髪のオーバーオールを着た男性が足を机の上に置いて本を片手に読んでいた。


私「あのー...」

・・・

私「あのー...」

・・・

私「気づいているのかぁ...」


私「すみません!」

私は聞こえるように大きな声を出してみた。


店の人「わぁ!びっくりした!」

店の人「何が起こったんだい!」

店の人「って誰?キミたちっ!」


私 ( やっぱり気づいてなかったのか...)


私「案内所の方に紹介いただいたのですが…」

私「あなたは治癒術師さんで合っていますか?」


店の人「あぁなんだ。お客さんかい」

店の人「あぁそうさ。私はオスカー」

オスカー「治癒術師兼、本屋兼、その他もろもろの便利屋さ」


私「踵が靴擦れで腫れてしまったので、少し見てもらえないでしょうか?」


オスカー「あぁ。いいよ。見せてごらん」

オスカー「ここに足を置いて」

私は左足をイスの上に置いた。


オスカー「少し膿んでいるね」

オスカー「まぁ、これぐらいなら治療できるけど」

私「お願いします」


私「因みに治療費は?」

オスカー「あー。キミたちもしかしてこの国は初めてかい?」

私「はい」

オスカー「この国はね。通貨というものでやり取りしていないんだよ」

オスカー「魔法をある程度扱えるのであれば通貨なんて複製できてしまうからね」

私「では、どのようにして?」

オスカー「これさ」


オスカーが水晶玉を手に取った。


オスカー「これに魔力を込めることで代金になるだよ」

オスカー「因みにキミの属性は?」

私「闇みたいです」


オスカー「それはめずらしい」

オスカー「では、この玉に少量で構わないよ」

私「わかりました」

私「気になることがありまして、一つ質問してもいいでしょうか?」


私はコンパスと取引きしたことについて気になっていたので聞いてみることにした。


オスカー「いいよ」

私「髪であったり、爪や血などを対価として取引きすることはよくあるのでしょうか?」


オスカー「ん?それで取引きしたことはあるのかい?」

私「はい…」

オスカー「それは変だね」


私「えっ!そうなんですか…」

ジャック「だから、あの時キミに慎重にって言ったんだ…」

オスカー「何かよからぬことを考えているのか。それとも、ただ単に魔法の研究材料としてしようするのか…」


オスカー「まぁ、後者であると信じたいね」

私「…はい…」


オスカー「まぁ、いい治療しよう」


オスカー「キュア」


私の踵に向けてオスカーさんが魔法をかけた。

オスカーの手から白い粉のようなものが現れ、踵に吸い込まれていった。


オスカー「どう?」


私は踵を指で撫でた。

私「あっ!もう痛くないです!」

私「ありがとうございます!」


私「じゃあ、」

私は水晶玉に魔力をこめた。


オスカー「おっと!多すぎるよ」

オスカー「これじゃあ、貰いすぎた」

オスカー「何かこちらから対価になるようなものは…」


私「あっじゃあ、ジャックの傷も治してもらえますかね?」


オスカー「いいよ。それでも多いぐらいだけど…)


ジャックは傷を見せ、オスカーが魔法を唱えた。


私「ジャック。もう痛くない?」


私はジャックの腹をつねった。


ジャック「うん。大丈夫ってつねるなよ」

私「へへっ」


オスカー「じゃあ、これで終わりだね」

オスカー「あっそうだ。今日はエイジスの誕生祭だから、もしよければ遊んでいきな」


私「そうなんですかっ!はい!」


私「あと、質問してばかりで申し訳ないのですが『メーディア』という魔女についてご存知ありませんかね…」


オスカー「うーん。知らないねー。聞いたこともない」

オスカー「何か分かったら案内所のネムに伝えておくよ」


私「ありがとうございます」

私「それでは」


私はオスカーに挨拶をして、店を出た。


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