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忘却のグレーテ  作者: だい
第三章其の二
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不思議の国のアリス③謎のジュース

ジュースを飲んだ瞬間、喉奥で少しピリッとした。


私「あっ…終わった?」


喉が熱くなり、酷い頭痛に襲われた。


私( こ…ここまでなの…)

私( 私、どうなるの…)


喉だけでなく、全身が熱くなるような感覚がした。


私「熱い…」


パッと目を開けた。


私「ど、ど、どうなったの!?」


目を開けると、さっきとは異なる視界だった。


私「生きて…る?」


少し下を見ると、テーブルがあり、その上には指先ほどの小さな鍵が置かれていた。


私「これって…」

私「合っていた…ってこと!?」


私「三分の一」

私「三分の一を引けたんだっ!」


私「神様…神様ありがとうっ!」


私「よかった…」

私「本当に…本当に…」


私( 一度は死を覚悟した…もうダメなのかなって…)


私「諦めてたまるもんかっ!」

私「みんな…待っててね…」


鍵をそっと指先で摘み、小さなドアの縁に置いた。


私「さぁ、また二択…どっちだー…」


私「でも、さっきのジュース…とっても美味しかった…」

私「とってもフルーティで」

私「あっさりとして、知っているもので表現すると何だろう…」

私「うーん。ないかなぁ…」


毒など忘れ、残りの二本もどんな味なのかが気になった。


私「うーん。どっちだ?」

私「えー。どんな味なんだろう」

私「へへっ!」

私「ってゆうか、必ず毒が入っているとは限らないよねっ!」


私「こっちが気になるなぁ…」


私( ジャックがいたら、『キミは注意が足りなさ過ぎるっ!』って言われるんだろうな…)


私「まぁ、あいつの言うことなんて聞く耳持たないけど…」


私「でも、あれは…あれで…」

私「…」


私「ジャック…」

私「今あなたは…」


緑の小瓶を手のひらに乗せて眺めた。


小瓶がより小さく感じた。


指先で瓶のコルクを開けた。


いざ、瓶を手に取ると死の不安がよぎった。


私「お願い…」

私「ここで終わる訳にはいかないのっ!」

私「私…まだ…まだ…まだなんだよっ!」


瓶を指先で摘んで中身をグイッと口に注いだ。


液体にはプチプチとした果肉のようなものが含まれていた。


私「えっ!」

私「何っ!何っ!」




私「何これっ!めっちゃ美味しいんですけどっ!」

私「私の経験上、美味しいは裏切らないっ!」




すると、身体がみるみると小さくなった。

大きくなった時のように頭痛はしなかかった。


私「やっぱりねっ!」


身体が大きかったせいか、なんだか飲み足りなかった。


私「もー。ないんだ…」


私( 大人で上品な味…)

私( ジュース…というよりはハーブティーのような…)


私「美味しかった…」


小さくなったことにより、全身が水に浸かった。


私「あーあ…」


ひとまず、鍵を拾って鍵穴に差し込んだ。


私「これで開かなかったら洒落にならんぞ」


鍵をそっと左に回した。


すると、「カチャッ」とロックが外れた。


私「よーし…」


私「でも、私…素っ裸だ…」

私「この先どこに繋がっているの…」


私「素っ裸で…えー。このままだとお茶会とか出れないよ…」



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