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忘却のグレーテ  作者: だい
第一章
11/114

再出発

———-翌朝———


ジャック「おはよう。グレーテ」

私「キャーーーーーっ!」


私は砂時計を見つめた。


私「ジャックっ!」

私「あなたもう大丈夫なの?」

ジャック「あぁ。キミのおかげでね」

私「っ…本当に…」

私「本当に心配したんだからねぇ!」


私「ジャックのバカっ!」

私「バカバカバカ…」


ジャック「グレーテ...」

ジャック「キミは何ともない?

私「うん…」


私「…」

私「…ありがとう。庇ってくれて…」

ジャック「うん…


「グゥーッ!」

私のお腹が大きな音を立てた。


ジャック「空腹のベルが鳴ったね」

私「む〜っ!」


ジャックのお腹を叩いた。


ジャック「痛たたた」


ジャック「ご飯だね」

私「うん...」


食材を確認しに行った。


私「適当に買ったけど、これで美味しいもの作れるのかな...」

私「へへっ」

ジャック「うーん。何があるんだい?」


ジャックは横になりながら食材を覗き込んだ。


ジャック「ホーンラビットの干し肉とお米、乾燥トウモロコシ、あと調味料類…ってところか…」


ジャック「うーん。そうだねー」

ジャック「なんでもよければなんとかなるんだけど...」


私「うん。なんでもいい」

私「早く行かないといけないから…

私「さっきクローバーを見たんだけどね…」

私「また少し枯れ進んでいて…」

ジャック「そう…」


ジャック「よっこいしょ。痛たたた」

私「大丈夫?!まだ安静にしてなよ」


ジャック「ううん。どのみち今日出ないといけないからね」


魔道具で火をおこし、ジャックの指示に従って干し肉とトウモロコシのおかゆ作って食べた。


私「あまり美味しくはない…」

私「でも、急がないと…」

ジャック「そうだね...」


おかゆを食べ終えた。


私「もう。出発しても大丈夫なの?」

ジャック「あぁ。少し痛むけれど大丈夫さ」

私「そう。無理はしないでね」


私たちは再び、エイジスを目指して歩き出した。




-----数時間後-----



私「だいぶ歩いたけど、今どれぐらい?」

ジャック「うーん。あと五分の一ぐらいかな」

私「あと少しだね」


私( 痛てて…)


ジャック「どうしたんだい。足…痛いのかい?」

私「うん。踵がね…ちょっと痛くて...」


ジャック「ん?」

ジャック「見せて…」


ジャックがしゃがみ込む。


ジャック「さぁ、僕の膝に足をのせて」

私「いいよ。そんなの…汚いから…」

ジャック「汚くなんてないよ」

ジャック「早く。いいからいいから」

私「うん…」


私はジャックの膝の上に足をおいた。


新しい靴を履いたためか靴擦れしていた。


ジャック「靴擦れだね」


私「このぐらい平気よ!」

ジャック「ダメだ。あとで悪化したら困る...」


ジャック「はい」

ジャックが私の前でしゃがみ込んだ。


私「え... おんぶ?」

ジャック「うん」

私「いいよいいよ。私、重いから」

私「それにジャックだって怪我しているんだよ」


ジャック「もう痛みは消えた」

ジャック「だから大丈夫さ」


ジャック「早く着きたいんだろ?」

私「うん…」


ジャック「さぁ、早く」

ジャック「キミが乗るまで僕はここを動かないよ」


私「じゃあ、お言葉にあまえて」

ジャック「うん」


私はジャックの背中を借りることにした。


私「私…重いでしょ?」

ジャック「ううん。そんなことない」

私「え…なんかジャックらしくないよ…」

私「てっきり「重い〜!」って言うと思った」


ジャック「フフッ」

ジャック「なんだか懐かしくてね」

ジャック「昔はよく妹をおんぶしたんだ」

私「そうなの?」

ジャック「うん」


ジャック「キミのようにとても泣き虫な子でね」

ジャック「泣きわめいてはよくおんぶさせられたよ」

私「そうなんだ…」

私「意外と優しいところあるんだ…」

ジャック「一言余計さ」

私「フフッ」


ジャック「早くハンスに会えるといいね」

私「うん...」


ジャック「さぁ、見えてきたよ」

ジャック「魔法王国エイジスの砦が!」


私「大っきい!」

私「あの空を飛んでいるのって…」

ジャック「そうさ。魔女だよ」

私「あれは?」

ジャック「見ての通りドラゴンさ。誰かが使役してるんだろう」


ジャック「あの国はね。王国とは名ばかりなんだよ」

私「どうゆうこと?」

ジャック「ん?形としては王国だけど、実際は民主国家でね」

ジャック「それに入国の手続きとかもない」

ジャック「誰でも受け入れる平和な国なんだ」

私「へー。そうなんだ」


私「じゃあ、昔は国王に反する市民の反乱とか起きたの?」

ジャック「ううん。あそこは昔どこの国にも属さないただの小さな町だったみたい」

ジャック「だから、他国から度々侵攻に遭うことが多くてね」

ジャック「その侵攻を防ぐため国として名を馳せる必要があったんだ」

ジャック「だから、初代国王は国民による投票によって誕生したようなんだよ」

ジャック「今の五代目国王も実権を持たないんだって」

私「へー。そうなんだ…」


ジャック「話していたら着いたね」

私「ジャック。下ろして」

私「みんなが見てる」

ジャック「あっ。そうだね」

私「じゃあ、入るよ」

ジャック「うん」

私「入国!」

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