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3、神様ありがとう!


『黄王地学園』は、簡単に言うと“社会勉強をする場所”である。

生まれが裕福な者は一般常識が乏しかったり、政治を行う者は世襲が大半で一般的な金銭感覚も常識も無く世の中を回していく。

ゲーム内の世界の……本国ではその所為で、政治は、税の使い道は国民の為のものではなくなり、発信される情報も何が正しいのか不明瞭。

このままでは不味いと考えた時の首相が次代を担う子供達の学びの場を作った。

それがこの学園だ。

特に高等部からは勉学と共に、親元を離れ自身で稼いで生活することとなる。

学園周辺の町が協力し、学生達をアルバイトとして雇い、その給金で家賃を支払い、食費を賄わせる。親が払えるのは学費のみ。

勿論、一般家庭の子供と共に、だ。彼らにとってはまた違った社交の場を知り、繋がりも得られることから一般家庭からの子供も多い。

成人年齢も引き下げられたことで、早くから自立し、社会を学びたいという意識にも寄り添っていた。


そんな世界であり、これからの生活の場だ。

案外、近未来的に考えられた世界かもしれない。


で、学生が暮らす場所は寮かマンション、シェアハウスを選べる様になっている。

学生相手だから、マンションやシェアハウスでも一般よりは少し安めには設定されているから、苦ではないのかな?

一番安いのは寮。但し、キッチンは無いし、浴槽は無いワンルーム。

マンションは寮より広めで、タイプが色々選べるから家賃は様々。学園に通っている兄弟や友達とも家賃は折半するなら一緒に住める。


私の選んだシェアハウスは、幾つか用意されて、一軒の定員6人で家賃を折半。自室以外は共有で、家賃は寮よりは高くマンションより安い。

気になるところは、誰とシェアすることになるかが分からないこと。シェアハウスを選択した者の中からランダムで割られるから。

その誰と、が分からないから面白いな~とシェアハウスにした。ちょっとの期待も含めて。


因みにゲームでは、シェアハウスを選ぶと通常はサポ子が同居人の一人になるだけ。得は無い様に思うけど、実は隠しキャラも同居人の一人だと示す伏線になる台詞をサポ子が言っているんだよね。

攻略対象4人を全員一度ずつ攻略したら解放されるハーレムルートと、隠しキャラルートにはシェアハウスを選択しないと入れないのだ。

ハーレムルートを順調に進めていくと、隠しキャラルートに入れる分岐があるらしい。

ハーレムルートはヒロインと隠しキャラも含めて全攻略対象と一緒に暮らすことになるんだよ。現実じゃ、ランダムでも野郎5人の中に女の子を1人入れるのは問題ある。学園の方で決めているから有り得ない。ゲームの中だから許しちゃっているけど。

ハーレムルートを始めた辺りまでの前世の記憶はあるけど、隠しキャラまで辿り着いた記憶は無い。……前世は、その辺りで亡くなったのかな?

隠しキャラは、ビジュアル公開の時に一目惚れして、ようやく推しに辿り着いた!と喜んでいたんだけどな~。

世知(がれ)ぇが、こうして推しと出逢えるかもしれない機会をくれたのは、神様が喪女のまま逝った憐れな私を不憫に思ってくれたからかもね!

神様ありがとう!!!

推しを見付けたら、ストーカーにならない程度に影からお姿拝ませてもらおう……。


実はまだシェアハウスの同居人とは逢えていないから、今日は逢えるかな~と楽しみにしている。

お友達になれたら良いよね!

恋人もほしいし!

前世も含めて初の恋人!!

攻略対象と!なんて高望みはしないよ!!!!


HRも終わり、ぼっちは早々に帰りました。

シェアハウスの共有スペースであるリビングのソファに座って同居人達の帰りを待ちながら、アルバイト探し。

入学したばかりの月だから今月分の家賃や生活費は親持ちでも良いとはいえ、出来るだけ早くアルバイト先を決めたい。後になると人気のところは埋まってしまって、肉体労働とか体力重視のお仕事ばかりが残るらしいから。

ゲームのサポ子は町の情報誌を作っている小さな会社で働いていたっけ。それで、学校や町、行事の情報を沢山ヒロインに教えていた。

私はそんなことしないから、やりたいことを探したいんだ。

無料の情報誌を軽く見ても、募集しているアルバイトは豊富だ。通っている生徒全員が全員が働ける様になっているから当然ではあるか。

多過ぎて目移りしてしまう。


ソファの座り心地も良いから、文字ばかりを見つめていたら目がしょぼしょぼして、うとうとする。

何度目かの欠伸をしてから、私はそこで眠ってしまった。









【サポートキャラだって恋したい!】






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