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15、まさかの一目惚れ!?


知らない内に恋人同士になっていた。


え?どういうこと?

私が知りたい。


曰く……昨日、お互いの気持ちを伝え合うと両想いだと解ったそうだ。

節くんが甘々だから夢だと思って「好き」って言った気はする。何度も言うが、夢だと思ったからだ。

それがまさか両想い??

それが解ったから、即日交際スタート????

急展開過ぎて頭が追い付いていない。

え?ええー!?


節くんの膝の上で放心していました。

ぎゅっと抱き締められたまま、落ち着くまで……って言いたいけど、落ち着ける訳ないじゃん!

顔がぶわあっ!と熱くなって、挙動不審になった。

吃りながら、頑張って状況把握を……。


「い、いい……いつから、わわたしを?」

「いつから……?あぁ、まだ話していなかったね。去年の七月、学校見学に来てたでしょ?その時に一目惚れした」


まさかの一目惚れ!?

去年は更にちんちくりんだった筈なのに……節くん実はロ……の付くアレですか??

いや、聞かないでおこう。そこには触れないぞ。


こちらが聞いたから、当然聞き返された。

いつから、節くんが好きか。

……前世から、とは言えないよね。

入学式の日前に姿が見れるのなんて、学校見学の時ぐらいだし。私もそう答えちゃう?……でも、何か違う気がする。

あれ?前世を思い出してから、何か大切なことを忘れている……??

ダメだ、思い出せない。


無難に、私も学校見学の時に一目惚れしたことにしよう。思い出す前のサポ子には確かに、彼を見た遠目に見た様な記憶があるから。

公式とかにも上がらない、高二の節くん!

もっと近くで見といてほしかった。

まぁ、サポ子は節くんのこと特別意識していなかっただろうから仕方がないか。


一目惚れしたサポ子の中身がぜんぜん違うって知ったら、節くんショックを受けるかな?

今は恋人同士って言ってくれてはいるけど、中身が只の喪女だと知られたら愛想尽かされるかも。可愛さなんて前世の内から母親のお腹の中に忘れてきたからね。

最終的に人が惚れ込むのは中身だもん。

いつまで、こうして「可愛い」って抱き締めてくれるかな?

こんな優しい温もりを知ってしまうと、後に待つ現実が辛い……。


まぁ、黙ってそれに浸る間もあまり無く、お互いのことを話した。

節くんは大体公式発表された内容だったけど、本人から教えてもらえるのって格別だね。

学校のことも少し。「何か困ったことがあったら、いつでも相談してね」と手を握られて……幸せ。

後はシェアハウスのルールを聞いてみたら、これと言って今は何も無いらしい。

個人の部屋(プライベートルーム)にある物以外は自由に使っても良いし、好きに買い足しても構わないと言ってくれた。そこは使いながら要るものを足していこう。

トイレは鍵があるから良いとして、洗面所やお風呂は使っている時は予め用意してあるプレートを使用中にして、終わったら戻しておくことぐらい?

飼いたかったら、ペットも飼って良いのだと言う。初耳。

マンションの方も一部飼えるところがあるらしくて、実家から連れて来ている人も結構いるんだって。地域貢献で預かりボランティアをしている人も多いし、捨て犬捨て猫を引き取る人もいるとか。

ゲームでは聞かないことだったから、興味深い。


飼いたいと表情に出ていたのか?

節くんが「犬や猫にさほちゃんが掛かりきりになるのはイヤだなぁ」とぎゅ~を強めてくる。

つまり、飼ってしまうとその分私が節くんを構わなくなるから寂しいのだ。

推しが可愛過ぎて……ツライ。




いつの間にか恋人になっていた訳だが、ここはシェアハウス。

他の方々にご迷惑にならない慎みある関係でいるべきだろう。


「ところで、他のシェアメイトさん達はいつ帰って来ます?」

「誰も帰って来ないよ?」

「え?今日は帰って来ないんですか?」

「いや、オレ達以外に帰って来るヤツなんていないよ」

「え?」

「え?」






推しがとんでもねぇことをしてくれやがりました。


創設者、黄王地の名を使ってシェアハウスを一軒せしめたそうだ。

こういう……権力や金の使い方をさせない為に学ぶ学校ではなかったか?

もう三年生なんだよ節くんは!

二年間何を学んできたの!?

それハウス一軒丸々だぞ?先生達が誰一人気付かないとかないだろ??

誰だよ!このおバカの協力者は!!!


「さほちゃんがシェアハウスを選んでいたから」と悪気無しの笑顔を向けてくる。

私との愛の巣作る為とのたまうのですよ!

私のせい?違うよね!

推しのキラキラスマイルじゃなかったらぶん殴っていましたね!コンニャロー!


でも、これは報告しなきゃいけない案件じゃない?

一緒に謝ったら許してもらえる……かなー?


とあれこれは考えてはいたんだ。

節くんがめっちゃ甘々に甘やかしてきて、忘れた。

そう忘れたの。




このことをまた報告しなきゃ!とハッとしたのは、一月後だった。









【サポートキャラだって恋したい!】






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