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10、余計に怖い……!


「千夏くんって、やっぱり(とき)さんに弱いんだぁ~」


うおぃ!!

ひなちゃんよ、お口に出しちゃいけないよ?

外部からの入学だし、逢ったばかりの他人の人間関係知っているなんて気持ち悪いよ??

ほら、後ろを歩いている千夏ちゃんが胡散臭いもの見る目で見ているよ?気付いて!


(とき)さんとも早く会いたいなぁ」


気付かず、ウキウキしているひなちゃんを止める術は私には無かった。

別に仲良くないし、口を出したら確実に睨まれるから。

ついでに言うと、逃げることも出来ない。

だって、距離を空けようとしたら蒼くんに腕を掴まれたからね。ひなちゃんにくっつかれて困っている様子の蒼くんは私を巻き込む気満々だ。

一人で逃げるな、と視線で訴えてくる。

大きなわんこが何かを訴える様に見つめてくる様な…………ちょっと可愛い。

だがね、その所為で度々ひなちゃんに睨まれるのだよ。私は悪くない!


結局、千夏ちゃんはこれといって何かを言うことはなく、最後までひなちゃんを警戒する様な視線を向けていた。

ひなちゃんが別れ際に「千夏くん、またね!」と笑顔で手を振っても、何も返すことは無かったのだ。

入学して二日目、出逢って一時間ぐらいで距離詰め過ぎではないか?


現実だとしても、あそこで出逢わなけれぱ、出逢いイベントみたいなことは起きたかもしれない。それは無くなるのかな?

ハーレムルート兼節くんルートを目的にシェアハウスを選んだっぽいことを言っていたから、ゲーム通りになっていたら……シェアハウスで出逢いイベントがあった。

確かに、イベントが不発になりそう。私の所為とは思わないけど。


三人での帰り道も何とも言えない雰囲気。

寮は学校から近いところにあるのに、わざわざ送らなきゃならん蒼くん可哀想だ。

明るいし、人通りも多いのに。

ひなちゃんと二人になりたくないのか、手をがっちり繋がれて連行される。

まぁ、私のシェアハウスも同じ方向だから良いけどね。この雰囲気のまま逆方向に向かわれていたら、何を言われようと帰りましたよ。

変わらず、ひなちゃんはキャッキャッと腕に抱き付いて蒼くんを困らせている。ついでに私も困っている。


ひなちゃんはまったく私に目を向けないし、話し掛けない代わりに振られた話題を蒼くんが振ってくれる。それで蒼くんの視線が私に向くから、怖い顔をする。私を見ないから、余計に怖い……!

まぁ、無視は良くないからね。答えるよ。

話題はシェアハウスのことが中心だった。

これまでにはない生活だからね。

蒼くんもシェアハウスを希望したみたいだけど、倍率が高かったらしくて外れたから寮に入ったのだと言う。

他より圧倒的に部屋数は少ないから仕方ないか。

でも、他と違って一年間のみって限定されていて、来年度には寮かマンションかをまた選ばないといけない。

三年生になったら受験もあるから、勉強時間を増やす為に一、二年の間に貯蓄しておくべきかな~。

こういうのを自分で考えるのもこの学校の主旨だ。


「来年もシェアハウスの希望出すの?春樹くん」

「一応、そのつもりでいるかな」

「わたしは来年マンションって考えてるから、お隣になれたらいいなって思ったのにぃって~」


ちょっとそれはどうよ。

たまたまなるのなら未だしも、さっき初めて言葉交わしたばかりなのに、いきなりお隣希望?

部屋が空いているなら、親しい者同士でそうするらしいけど?

……親しくなったら、マンション同棲提案して来そうな距離の詰め方。

蒼くんも作った笑顔が引き攣ってしまっとるよ。


私は今のシェアハウスのことで頭がいっぱいなのにすげぇな。


今日こそはシェアメイト全員に逢う!

あ、後、節くんとも……話さなきゃね?

シェアメイトの一人、なんだよね?きっと。

夕べのは夢じゃなかったのかとか、今朝からの甘々なのはなんでかとか……。


思い出したら、顔が熱くなってきた。









【サポートキャラだって恋したい!】






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