暗愚と言えど【200字】
王は老いてなお権力にしがみついた。禅譲を迫る王太子に暗殺者を差し向けた。
世継ぎを殺してどうするのかと問う宰相に、王はかつて追放した息子を探すよう命じた。
「剣も馬も扱えぬ暗愚と言えど、傀儡の駒には使えよう」
王の側には外国から招いた医者がいた。王が言う息子の特徴を聞くうちに、彼はある人物の顔を思い浮かべたのだったが口には出さなかった。
それは海を隔てた王のいない国の、希望に満ちた若きリーダーの顔だった。
王は老いてなお権力にしがみついた。禅譲を迫る王太子に暗殺者を差し向けた。
世継ぎを殺してどうするのかと問う宰相に、王はかつて追放した息子を探すよう命じた。
「剣も馬も扱えぬ暗愚と言えど、傀儡の駒には使えよう」
王の側には外国から招いた医者がいた。王が言う息子の特徴を聞くうちに、彼はある人物の顔を思い浮かべたのだったが口には出さなかった。
それは海を隔てた王のいない国の、希望に満ちた若きリーダーの顔だった。
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