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オンラインゲームしてたらいつの間にやら勇者になってました(笑)  作者: こばやん2号
2部【アース大陸横断編】 第1章 「目指せドグロブニク 漫遊編」
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74話:「女の嫉妬は何よりも厄介だ」


ベルゼたちがメフィストに任務報告をしていた頃

大和たちはバルバロたちの町へ戻るつもりでいたのだが

とりあえず今の状況を確認するために魔の洞窟があった跡地で話し合いが行われていた。


「でだ、ベルゼたちが襲ってきたから本来の目的を失念していたわけだが

バルバロたちを苦しめているという魔物はどこにいるんだ?」


もともとこの洞窟にやってきた理由はバルバロたちの町が呪いをかけられていて

その呪いをかけた魔物とやらがこの洞窟にいるということだったのだが

そこにいたのは地の精霊を自称する妙な生き物【ノーム】であった。


「あれ? そう言えばノームさんは?」


エルノアがそう言うまで誰も気づかなかったが

ベルゼと戦う前までいたはずのノームがいなくなっていた。


「そう言えばあいつどこ行ったんだ? ノーム、いたら出てこい!」


大和が叫ぶと空間の一部が歪みそこからお目当ての生物がひょっこりと顔を出した。


「もう大丈夫だっぴゃ!? 悪者いなくなっただっぴゃか?」


「ああもういなくなったぞ」


大和がそう答えるとノームは安堵したようなため息をつく。

表情もどことなく安心したような顔を浮かべているような気がする。


「あんな強力な悪者見たことないだっぴゃ! ボキちびりそうになっただっぴゃよ!!」


「そんなことよりお前それどうなってるんだ?」


大和はノームが顔を出している空間を指さしながら問いかける。

その問いにノームは素直に答えた。


「【精霊空間せいれいくうかん】だっぴゃ!」


「精霊空間?」


ノーム曰く、精霊空間とは精霊体と呼ばれる精神物質で構成される存在が

行き来することができる空間で精霊体を持たないものはその空間に干渉できないとのことだ。

基本的に精霊は自然と密接な関係を構築しているため力自体は非力なのだそうだ。

そこで精霊空間に逃げ込むことで危険から回避するというのが精霊の基本的な戦闘スタイルなのだそうだ。


「要するにかくれんぼが得意ということだな!」


「その言い方はなんだかムッとするけど、概ね間違ってないだっぴゃ!」


話が逸れてしまったので本筋に戻すことにした大和。

ここで話し合っていても目標の魔物がいない以上どうすることもできないため

一度町に戻るという結論になった。


「ノームは? 洞窟もなくなったしこれからどうするんだ?」


「ヤマトに付いていくだっぴゃ。 ボキはヤマトが気に入っただっぴゃ!

 だから一緒に旅するだっぴゃ!!」


そう言いながら大和の周りをくるくると飛び回るノーム。

少しうっとおしいと思いながら両手でノームをがしっと捕まえこちらに顔を向かせる。


「いいかノーム? 俺たちは魔王を討伐するために旅をしてるんだ。

 この先の旅はとても危険な旅になるかもしれない。 それでも付いてくるというのか?」


真剣な眼差しを向ける大和に対して、ノームもそれに応えるかのように

しっかりした態度で彼の問いに答える。


「ここでヤマトと出会ったのも神様の思し召しだっぴゃ!

 この先きっとボキの力が必要になる時が来るはずだから

ボキはヤマトに付いていくだっぴゃ!!」


彼の真剣さが伝わってくる。

大和から見れば目の前にいるのは不思議な生き物であり

その表情も人間のものとは違って読み取り辛い。


それでも出会って間もないが彼が本心からそう言っていることだけは

大和も感じ取れた。 だがらこそ大和はそれ以上の言葉は要らないと判断した。


「わかった。 これからよろしくなノーム!!」

「ボキの方こそよろしくだっぴゃヤマト!!」


何となくだが大和はノームと男の絆と呼ぶべきものが

芽生えて少し嬉しかった。

ノームが男なのかは別として・・・・・・


二人が見つめ合っているとコホンという咳払いと共に

嫌な視線を感じた大和はその視線の方向に目を向けると

そこにはジトーっとした目をしながらうらめしそうに大和を睨む三人がいた。


「ところでヤマト様? 先ほどのあの魔族の女に対して発言なされた言葉の真意を窺いたいのですが・・・・・・」


そう問いかけてくるリナに対してどの言葉なのか大和が思案していると

エルノアがその答えを教えてくれる。


「【君みたいな綺麗な子に殺されるなら本望かもね】とおっしゃっていましたよね?

 あたしも詳しくお聞きしたいのですが・・・・」


二人の視線はどこか怨念めいたものがありとてつもなく恐ろしい。

その視線から逃げるようにマーリンの方を見ると。


「ヤマトさんはああいうグラマーな女の子が趣味なんですのん?」


そう言いながら自分の小さい膨らみに手を当て悲しい表情を浮かべている。

こういう展開はラブコメで見たことがあると直感的に思った大和。

そしてこの後の展開もおおよそ予想が付いていた。

もはやこうなった女の子たちを止めることはできない。

だからこそ大和はこの場で最も有効的な手段を取ることができた。 その手段とは?


「テレポート! バルバロのテント前!!」


そう何も答えない、【ノーコメント】というやつだ。

仮にこの場で何か体のいい言い訳を言ったところで一度火のついた彼女たちを納める手段はない。

だからこそ敢えて何も答えずほとぼりが冷めるのを待つのが良策だと大和は考えたのだ。


大和の唱えた呪文の光がその場にいる全員を包み込み目的地へといざなう。

そして、目的地に到着するとすぐさまテントに入ろうとしたが

リナとエルノアに止められる。


「ヤマト様さっきの質問に答えてください!!」

「ヤマトさまはああいう女がタイプなのですか!?」

「ヤマトさん・・・・・・」


完全に何か答えないといけない雰囲気だったが

ここは【三十六計逃げるに如かず】であるとばかりに大和は大きな声で叫ぶ。


「神託の勇者、小橋大和!! ただいま帰還である!!!!!!」


そう言いながら三人を押しのけるとバルバロのテントに逃げるように入っていく。

テントの中を見た大和はその光景に一瞬戸惑ってしまう。

彼が見た光景とは一体!?

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