↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
130/162

127話:「メフィストの報告」


 時は遡ること大和たちがジェノンの町に到着する10日ほど前、彼はそこにいた。

 場所はゲムニ大陸中枢部にそびえ立つ通称【魔王城】と呼ばれる古城。

 古の時代からそこに存在し続けており、この【ラマル】最古の建造物とも言われている。

 ラクリシア大陸にある彼の根城の数倍以上の面積と規模を誇り、まさに巨城の一言に尽きる。

 彼はその城の玉座の間に跪き、玉座に座する人物に平伏する。


 「それでは、ご報告させていただきます」


 彼の声がいつになく固い声になっていることからも対峙する人物が相当な身分であることが窺い知れる。

 そう、先ほどから語る彼とは魔王軍直属部隊、四色魔族がうちの一角である黄のメフィストフェレスその人だ。

 彼には珍しく緊張した面持ちで対峙する黒いフードを被った人物に淡々と現状報告をしていく。


 「アース大陸港町ドグロブニク近郊ドルチェ平原にて行われました勇者討伐の件ですが

先陣を務めました赤のサマエルが敗北したため、その後の勇者との戦いで受ける損失を考慮して

撤退が最善と判断し、残りの戦力を保持したまま撤退いたしました。

 尚、敗北したサマエルの行方については現在調査中とのことで行方を探させております」


 彼の報告を終始無言で聞いている彼とも彼女とも窺い知れない人物が

側に控えていた側近に何事か耳打ちすると側近がメフィストに問いかける。


 「魔王様はいたくご立腹です。 魔族の大幹部でありながら勇者如き矮小な存在に後れを取るばかりか

あまつさえ命惜しさに撤退するとは、この魔族の恥さらしめが!!!!」


 最もな言葉にメフィストは頭を垂れると「申し訳ございません」と謝罪の言葉を口にする。

 だが彼の心の中には側近に対する負の感情が渦巻いていたのは言うまでもない。

 実際のところ前線にいたのならまだしも魔王の側近として常に魔王の隣にいるだけの存在にとやかく言われる筋合いなどはない。


 彼がそう心の中で悪態を付いていたその時小さい声で呟くように「そこまで言ってないんだけど・・・・・・」という呟きが聞こえた気がしたが

その言葉をかき消すように側近が強めた語気で罵る。


 「そもそもあなた如きが魔王様の右腕を名乗ることがおこがましい!!

 その資格があるのは側近である吾輩だと思うのですがいかかですか、我が君?」


 メフィストに向けていた視線を黒いフードの人物に向けながら胸に手を当てると

目線をそのままに恭しく一礼する。

 するとその人物は側近を手招きで近くに呼んだかと思った刹那、側近がメフィストの横を抜けて吹っ飛んでいった。

 彼が殴られたと気付くのに一時の時間を要したのち彼を吹き飛ばした人物が

自分に視線を向けているのに気づくと言葉を紡いだ。


 「と、とにかく今回の戦いで勇者を抹殺することは叶いませんでしたが

次こそは戦力を整え必ずや魔王様に良き報告ができるように精進いたします!!」


 そう言いつつ頭を垂れるとその姿に満足した魔王が首を縦に動かし満足そうに頷いた。

 こうして勇者との初戦は幹部であるサマエルの大敗により魔族側に黒星が付けられることとなった。

 次に魔族が勇者に対して動きを見せるのはこの時より約一月後となるのだがその全容はまた次の機会に話すとしよう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。