↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
11/162

11話:「幼女(?)マーリン」

確認事項を確認し終えた大和は颯爽さっそうと町に繰り出した

時刻はまだ朝早くということもあり人通りは少なかったが

自分の家の前を掃除する人や身支度を整え仕事場に行く人の姿はちらほら見かけた



向こうの世界にいたときは海外旅行はおろか

国内旅行すらしたことがなかった大和にとって

この【ラマル】という異世界にやってきてからは

初めての海外での観光をしているような気分だった



「うわー」とか「へえー」という感嘆かんたんの声を上げながら

ジェスタの町を散策する大和だったが

突然腰の辺りに何かがぶつかった衝撃が走った



「うわ!なんだ?何かぶつかったのか??」



振り返って見るがそこには誰もいなかった

さっきの衝撃の正体が何かわからずに不思議に思っていたが

その原因となった人物が声を上げたことで、大和は理解した



「いったぁーいですの・・・」



「うん?なんだ?」



甘ったるい高い声がしたので視線を下に向けると

そこには一人の少女が尻もちをついた状態で顔を歪めていた



どうやら先ほどの衝撃の正体は

彼女がぶつかってきたことによるものだったようだ



彼女を一目見た感想は・・・

【グリーン】という言葉が頭に浮かんだ



というのも彼女の着ていた服のほどんどが緑

正確には明るい黄緑で統一されていたためだ

【ライトグリーン】という表現でもいいのかもしれない


何よりも特徴的だったのが

スカートの中の下着も横に緑と白ラインが交互に入った

いわゆるしまパンだったということだ



よく見るとその身なりは魔法使いや

高位の魔導師が身に着けている魔力がこもった服のようだ

お決まりのとんがり帽子も雰囲気が出ている



全身をエメラルド色一色いろいっしょくで統一した服は

気品と女性服特有の可愛らしさが漂っていた



「だっ大丈夫かい?お嬢ちゃん??」



なぜ大和が【お嬢ちゃん】という呼称で彼女を呼んだのか

それは彼女の見た目があまりにも幼く見えたためだ



年は12から14歳といったころだろうか?

小学生と言われてもおかしくないほど彼女の容姿は幼かった



だがしかし、見た目の幼さ故だろうか顔のパーツ自体は整っており

リナとはまた別の魅力を感じさせる雰囲気を持つ女の子で

まだまだ発展途上だが胸の膨らみは確かなものがあった



「だっ大丈夫ですの、ちょっとぶつかっただけですの」



「そっか、ちゃんと前見て歩かなきゃだめだよ?

じゃないと人とかにぶつかって危ないからね」



「ごっごめんなさいですの・・・」




自分が叱られていると思ったのかしゅんとなる彼女

その態度に胸がきゅんとする大和、それをごまかすように質問をした

怒っていないことをわかってもらうために

彼女に手を差し出しゆっくりと彼女の体を起こしながら

そしてできるだけやさしい口調で彼女に問いかける



「なんでそんなに急いでいたのかな?」



「あっ実はこの先にあるお店で働いてて開店準備をするところですの」

「今日は少し寝坊したので急いでたんですの」



と彼女が指さす方をみると確かにお店があり

その店先に何かの液体が入ったフラスコが

モチーフの看板が掛けられていた



RPGでいうところの雑貨屋あるいは道具屋だろうか

どんなアイテムがあるのか気になった大和は

このお店に行ってみることにした



「こっちですの」



案内され入ったお店は木製できた雑貨棚に

所狭しといろいろな雑貨や

大小さまざまな瓶に入れられている薬などが陳列され

まさに道具屋と呼べるべきものがそこにはあった



「開店の準備をしますのでちょっと待っててほしいですの」



「うん、わかったよ」



そういって彼女は自分の体格に似合わない

少し大きめのとんがり帽子を帽子掛けに掛けると

何かの羊皮紙の整理を始めた



帽子で分からなかったのだが彼女の髪の色もまた緑であった

その緑に対するこだわりは某大物おしどり芸人夫婦を思わせるものだった



髪型はおかっぱに近い感じで

大人の女性がこの髪形をするとどうかなとは思うが

彼女がこの髪形であることになんの違和感もなく

言わば彼女専用の髪型なのではと錯覚するほど

その髪型はとても彼女に良く似合っていた



そういう風に考えていると

まだ彼女の名前を聞いていなかったので

自己紹介をすることにした



「そうだ、自己紹介がまだだったね

俺は小橋 大和よろしくね、君はなんて名前なんだい?」



「マーリン、アングラーズ・マーリンですの」



「マーリンかいい名前だね」



「ありがとうですのん♪」



といってニコっと太陽のような笑顔を向けてくるマーリン

その顔が妙に照れ臭くて咄嗟とっさに視線を上に逸らしてしまう



とここでふと疑問に思ったことがありマーリンに質問を投げかける



「そういえばここのお店って他に人はいるの?

まさかマーリンちゃん一人でやってるわけじゃないよね??」



「そうですの、マーリン一人でやってますのん」



「ええっ、だってマーリンちゃんまだ子供じゃないか」



という言葉を聞いた直後彼女が眉を吊り上げ答える



「ヤマトさん、なにか勘違いしてますの」

「マーリンはこう見えて300年以上生きている魔女ですのん」



「ええ!さっさんびゃ・・・ええ!!」



まさに耳を疑うとはこのことだった

目の前にはどう見ても小学生にしか見えない幼女だ

だが彼女自身の口から語れた年齢は

300歳を超えているというものだった



「まっまさか、そんな・・・だってどう見たって

俺よりも年下じゃないか!」



「マーリンの一族はある一定の年月を生きると

それ以上老けることはないですの」



確かに小説や漫画・アニメの世界では

見た目と実年齢が違うキャラクターは存在するが

実際目の前でその実例が出てきてしまうと

どうリアクションしていいかわからなくなってしまう



そう思っているとマーリンがその空気を読んだのか

おどけた態度で大和に話しかけた



「欲を言えばもっと年を取りたかったですの

特にここがもう少し大きくなって欲しかったですの」


そう言いながらマーリンは自分の胸をポンポンと叩く

そこには二つの小さな膨らみがあり

彼女の見た目とよく合った大きさであった



「でもマーリンちゃん可愛いし

胸なんてなくても十分魅力的じゃないかな?」



「なななななに言ってまままますのん」



その言葉を聞いたマーリンが顔を真っ赤にし

上目遣いで見つめてくる



「そっそんなことないですのん

男の人はみんなマーリンを子ども扱いするですの」


「それはやっぱりマーリンの見た目が子供だからですのん・・・」


「実際ヤマトさんもマーリンの年齢を聞く前に

子ども扱いして多ですのん」



「確かに最初はそうだったかもしれない

でも会ってまだ短いけどマーリンちゃんの

魅力はそういうものじゃなくてもっと別のところにあるんじゃないかな?」



「例えばどういうところですのん?」



「笑った顔」



「えっ?」



「笑った時のマーリンちゃんの顔が太陽みたいにキラキラしてて

ああ、なんかこう守ってあげたいなすごくかわいいなって思ってさ」



「!?」



そう大和が告げるとマーリンは目を大きく見開いた後

今までにないくらいに顔を真っ赤にする



「だからマーリンちゃんの魅力に気付いてくれる男が

きっといるはずだから、そんなに悲観することないんじゃないかな?」



「ヤマトさん・・・」



そう言ってマーリンは潤んだ瞳で大和を見つめる

その眼差しは彼女の見た目とは裏腹に

妖艶ようえんに満ちた雰囲気を漂わせ一瞬彼女が

大人の女性特有の色気が垣間見えるほどだった



「・・・・」



「・・・・」



その後数秒間大和とマーリンの視線が重なり

二人の思いも重なろうという刹那



【バタン】という音が店の中に響き渡り

二人を現実の世界へと引き戻した



そして、何事かと店の入り口に目をやると

そこには見覚えのある女性がそこにいた



「はあはあはあ・・・」



肩で呼吸をしながら膝に手をつきうつむく女性

どうやらここまで走ってきたようだ

その顔を視認した大和はその女性に呼びかける



「おお、リナじゃないか」

「どうした?何かあったのか??」



膝に手を付いたまま顔だけこちらに向けるリナ

そして呼吸が整ってきたのだろう彼女が口を開く



「やっやっと見つけたあああああ!!」



そう叫びながら大和に向かって飛び掛かってくるリナ

果たして大和の運命や如何に?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。