要領
ある浜辺に男の死体が打ち上がった。さっそく警察が呼ばれ、事件、事故の両面で捜査を開始する。
「死体の手がかりは海にあるかもしれない」と、数人の警察官はパンツ姿になり、海に入って、各々が四方へと泳ぎだした。
刑事は初めて見る死体に興味津々の様子で、死体をつついたり、スマートフォンのカメラで撮影している。
そこへ死体の話を聞きつけ、居ても立ってもいられず現場にやってきた監察医が、死体を解剖しようとして刑事に止められた。
「おいおい、まさかこんな所で解剖する気じゃないだろうな」
「それもそうですね。つい先走ってしまい失礼しました。では、仏さんを運ぶとしましょう」
「実はまだ初動捜査が終わっていないのだが…。いや、もう運んでしまっても良いのかな…。どうしよう…」
「良いんじゃないですか。では、私が頭の方を持ちますので、刑事さんは足の方を持ってください。あ、やっぱり私が足の方を持とうかな…。どっちが良いですか?」
その時、先程海へと入っていった警察官の声が聞こえた。
「おーい、大きな魚がいましたよー!!」
解決までにはまだまだ時間がかかりそうだ。