第一の仲間
俺が向かったのは街から徒歩2日、馬車で1日かかるとこにある山岳だ。そこで俺が狩るのは洞窟狼だ。山岳にある洞窟の中に住んでいて群れで行動することが多いい。今回の依頼は洞窟狼を10匹討伐すること。洞窟狼はいつも群れで行動することが多く数は5、6匹のはずだ。そう、そのはずなんだが…。
「数多すぎないか?」
俺の目の前には20匹からなる群れがいて、その中心には短刀を構える女の子がいてその子と目が合ってしまった。
たしか受付さんに、
「問題の火種になる可能性があるので他の冒険者が依頼を遂行中の時に介入はできるだけ控えてください。」
と、言われていた。
(この場合はやはり無視したほうがいいかな。)
俺はそう思い笑顔を向けその場から離れようとすると、
「ちょっと待ってください!なんで逃げるんですか!お願い助けてください!このままだと私死んじゃう!お願いします!なんでもしますから助けてください!」
「なんだ、助けて欲しいのか。てっきり邪魔をするなって事で俺を見てたのかと思ったよ。」
洞窟狼が女の子に噛み付こうとする。
「ひっ、早く助けてくださいお願いします!」
「まぁ別にいいかな。」
俺は自分の依頼をこなす為とついでに少女救出をするため洞窟狼と戦闘を開始した。
そしてものの数分で終わった戦闘を見た先ほどの女の子が呆然としていた。
はっ、と我に返った。さっきまでの恐怖を思い出したのか目を潤わし始めた。
「う、うぅ…。怖かったぁ…、死ぬかと思ったぁ…。うぁ…。」
「ちょっとちょっと、泣かない泣かない。もう大丈夫だから。ね?」
俺はどうにか女の子をあやすと、
「ずずっ。助けてくれてありがとうございます。本当に助かりました。この恩は絶対に忘れません。本当にありがとうございました。ずびっ。」
と、女の子がすごくお礼を言ってくる。
「ちょい待ち。」
「え?」
「いい感じに終わりそうになってるけどまだ終わらないよ。」
「…?なにかありましたっけ?」
「なんでもしますから助けてください。」
「あ。」
女の子がそうだったと思い出す。
そして、
「できる限りのことからですよ!エッチなのことは無理ですよ!」
とか言い出す。
「なんでもって言ってたよね。それにエロいことなんかしないよ。さすがに子供には手を出さないよ。」
「な!私子供じゃ無いです!」
「いやいや子供だろ。背ちっさいし。」
「なな!またしても!違いますしちゃんと成人していますし16歳ですし!」
この世界での成人は男16女15からだ。ついでに酒は15からOkだ。
「まさか冗談を。」
「冗談じゃないですし!本当ですし!」
そういってギルドカードを見せてきた。
「へぇ、本当だ。名前、ティナ。年、16。ランク、F。」
本当のようだ。一応鑑定スキルで見てみたが本物だ。
「な!人の個人情報まで!」
「いや、見せてきたのはそっちだろ。」
「私の見たんだから貴方のも見せてください。」
「まぁ別にいいが。」
俺はギルドカードをティナに見せた。
ティナはギルドカードを見た後俺を見て首をかしげ普通の人なら聞こえない音量でぼそりと呟く。
「…あれ?ギルドカードと名前が違う…」
「!」
こいつ今なんて言った?名前が違うだと?まさか!
俺はティナのステータスのスキル欄を覗き見る。そこには鑑定スキルがある。
(まさかティナの鑑定スキルが神の偽りまで見抜くほどとは。)
そしてティナが俺を見ていると急にビクッと体を動かす。
(見られたか…。)
ティナは多分俺のステータスの職業の部分を見て反応したのだろう。
「はぁ。」
俺がため息を出すとティナがビクつく。
「見えただろう。」
俺はティナに聞く。
「な、なな、なにがで、ですかすか?」
すごい噛み方をする。
「鑑定スキル。」
ビクッ。
「ステータス。」
ビクビクッ。
「職業。」
ビクビクビクッ。
「か…」
「な、何も見てないです知らないです神なんて見てないです!」
「まだ神なんて言ってないけどね。」
「なな!」
「はぁ、バレちゃったか。」
「す、すす、すみませんですます!天罰下さないで!」
ティナが全力で頭を下げてくる。そうとうビビっているのだろう。足がすごく震えてる。
「別に何もしねぇよ。正体がばれたってだけで天罰下すとか横暴だろ。」
「本当に何もしないんですか?」
「いや、何もしなくは無い。」
「!」
「てかなんでもするって言ったのティナじゃねぇか。」
「あ、そうでした。で、でも私にできることでですよ⁉︎神様からのお願いなんて私にできるとを思わないんですけど…。」
「別にそぉ難しいことじゃねぇよ。ただ道案内をだな。」
「道案内をですか?」
「そ。ちょっとこの世界を見て回りたいんだ。」
「で、でも神様なのですから世界の事は知り尽くしてるんじゃ。」
「いや、俺この世界の事一般常識ぐらいしかしらねぇんだわ。」
「え?」
「俺まだ神になって2、3日しか経ってないからこの世界が初めての世界なんだよ。だからまず何も手を加えず将来どんな風になるかを決めただけで、今の時代になるまで早送りしながらほったらかしてたんだよね。」
「ほったらかしって…、とゆうか2、3日ってどうゆうことです⁉︎しかもなったって⁉︎」
「なんかまだよくわからんが、俺の前の創造主が言ってたがだいたい1兆年ぐらいで創造主は交代するらしい。俺も以前はティナみたいに普通の人間として暮らしてたんだけどな。」
「1兆年って!そんな話私なんかにしてもいいんですか⁉︎」
「いや、普通は良く無いだろうね。」
「ダメじゃ無いですか!やっぱり口封じとかで私は…。」
「いやいや大丈夫。だってこれからティナにも世界構築を手伝ってもらう予定だし。まぁ七十年ぐらい後になるかもだけど。」
「もうなんでしょうか。私に世界を作れ的なことが聞こえるくらい精神が疲労してるんでしょうか…。」
「いや、してもらおうかと思ってるけど。」
「!。いやいやいや無理ですよやれませんよ出来ませんよ⁉︎。私ただの一般人ですしどうして私なんですか⁉︎」
「ティナは俺が神だってきずいててもこんな風に話してくれるし、普通まず俺が本当に神か疑うし第一一般人が神を前に頭をひれ伏さずにこうやって話なんかできないぐらい怯えるだろ。それと、俺的にもティナは話しやすくて俺も付き合いやすいからね。ここであったのも何かの縁ってことで、よろしく。」
「うぅ…。神様に頼まれて断れるはず無いですよ。」
「断ったとしてもさっきのなんでもするってのを使って強制的に俺の仲間にしたけれどね。」
「神様のくせに悪魔ですか!」
「やっぱティナを選んで正解だな。」
「うぅ…、よろしくです…。」
「あぁ。さっきギルドカード見たと思うが下界ではユキって名前で通してるから、この名前でなら好きに呼んでくれ。」
「はい…。」
こうして俺の第一の仲間が出来たのだった。