とある冬のはなし
街はキラキラとイルミネーションで輝いていた
そんな中、イルミネーョンに目もくれず
静かに歩いている女性が
彼女にとって、クリスマスは平日という認識しかなかった。
その時までは…。
明かりのついてない部屋の前にたどり着くと、
人影が彼女の部屋の前にあった。
「あ…」
物音に気づいたのか、人影がゆらりと振り向いた。
隣にすんでいるイケメンだった。
「こんばんは、ケーキをもらったんですけど…」
手に持っていたケーキの箱を持ち上げて、
「え…」
「一緒に食べませんか」
そういわれた瞬間、心臓がどくんと跳ねた。
「そ、そうね。ちょうどオードブル買ったから私の部屋で食べましょ」
掃除しててよかったとほっとしながら、玄関を開ける。
この前変えたばかりの芳香剤が、ふわりとかおった。
「汚いとこだけど、どうぞ」
彼女は部屋の電気をつけるために、先に家にはいった。
彼は静かにケーキの箱から、キラリと光るものをとり出す。
彼女が電気をつけおわって、彼の方を向いた。
その瞬間視界は紅に染まる。