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花屑プロローグ5 花屑の日常

作者: 霧香 陸徒




【樟葉 菜乃】

名前:くずは なの

通称:魔王 スクラップドフラワー ナノ隊長

性別:女

年齢19歳

性格:温厚(基本的に)

使用TAM:TAM−01


【久々知 智亜子】

名前:くくち ちあこ

通称:ちゃーこ 逆噴射式暴発娘

性別:女

年齢:16

性格:活発

使用TAM:TAM−02


【香良洲 魅夜】

名前:からす みよ

通称:みや 才能の悪用 

性別:女

年齢:17

性格:楽観主義

使用TAM:TAM−03



【醍蝉 千代】

名前:だいぜん ちよ

通称:せん 馬鹿せん(智亜子の弁)

性別:女

年齢:15

性格:能天気

使用TAM:TAM−04


【天宮院 香具羅】

てんぐういん かぐら

通称?:かーたん 戦場の青薔薇(自称)

性別:女

年齢:19

性格:現実主義

使用TAM:TAM−05







 ―基地内廊下―


 私は名前を覚えるのが苦手だったから、このメンバーリストを持つようにした。

 これで少なくとも名前は思い出す事が出来る。


 私は芽衣。16歳でTAM−07に乗る射撃手だ。


 「西の国」の部隊「花屑」に所属し、「東の国」からの進行を最前線で食い止めるのが私達の任務だ。


 小さな基地とたった6体のTAMで守りきらなくてはならない。


 ・・・6体?


 私は今まで気にならなかったが、こうやってリストを見て始めて気が付いたことがあった。


 それは――


「やっほぉ! 芽衣ちゃん♪ な〜に辛気臭い顔してるのかなぁ〜?」


 そう言って後ろから私の胸を鷲掴みにしながら元気な女の子が現れた。


 こういう行為をちゃーこはしない・・・。 となると・・・。


「・・・・・・みや。 何?」


「うっわ!? この娘また大きくなっちゃった!? この前まで私と同じぐらいだったのにぃ! 我がつるぺた同盟に反する所存であるぞ! ええい〜握りつぶしてくれるぅ!」


「い・・・痛い・・・みや」


「純朴そうな顔してそんなだから整備員のヤツラにオナペットにされるのだよ! 嫌なら抵抗してみれろー ほれほれほれ」


「・・・だから痛いって・・・。 やめて・・・」


 イキナリこんな事をもし男にされたら訴えてやるのに、生憎相手は女だ。 


 香良洲 魅夜ことみやだった。 セミロングの髪はいつも悪戯に跳ねている。


 とゆーかオナペットってなんだろう?


「貴女達! 何やってるのよ! ここは公衆の面前よ!?」


 そこに顔を赤くして長いツインテールを振り乱して立っていた。


「んん〜? あぁかぐらたんじゃないの。 おはよー」


「そこぉ! 「たん」とか付けるなぁ! 私は戦場の青薔薇 天宮院 香具羅よ!」


 ビシッ!と仁王立ちして言う様はちょっとかっこいいかもしれないけど・・・それより助けて欲しい。


「妬いてるのは分かったから、後でベットで待っててね。 気持ちよくしてあげるから」


「ば、馬鹿じゃないの!? それで良くNo.3が務まるわね!?」


「いやいやいや、ナンバーなんて適当に並べただけであって、別に実力がどうこうって番号じゃないのだよ香具羅君。 まぁ、その辺りの事はピロトークを交えて詳しく教えてあげようか?」


「だ・か・ら! そういう破廉恥な事を言わないでって言ってるでしょう!?」


「つれないなぁ〜。 分かった。 とりあえず芽衣で我慢する」


「・・・・・我慢しなくていいですのでやめてください」


 少し泣きそうになりながらそう呟いたが、みやは全く聞いていない。 こねこねと私の胸をもみ続ける。


「めぇぇいちゃぁぁぁぁぁぁん♪」


「うわぁ!」

「きゃ!」


 そこにまた一人闖入者が現れた。 声とともに飛びついてきて、私とみやと一緒にもつれ合うように転んでしまう。


「いたたた・・・。 せん?」


「うん♪ せんちゃん推参♪」


 なにやらピースサインをしながら立ち上がるおさげの女。名前はチヨのハズだが、何故か「せん」と呼ばれる。

 みや曰く、同盟名誉会員だそうだ。


「こらぁ〜〜! 何してるなの!」


 騒ぎを聞きつけたのか、ナノ隊長の怒鳴り声が廊下の端から響いてきた。


「いやん! 隊長来ちゃった!」

「あ、コラ! 逃げるんじゃないわよ!? 待ちなさいみや〜」

「あれぇ? 今度はかけっこするのぉ? 私も行く〜♪」


「・・・・・・」


「大丈夫? 芽衣」


 私に手を差し伸べてくる隊長。 その手を掴んで立ち上がる私。


「・・・・・・はい。隊長」


「そう。 全く、問題児ばっかりで困ったものなの」


「・・・問題児・・・ですか?」


「そうよ〜? みやはあんな性格だし、せんちゃんは何も考えてないように振舞うし、かーたんは自分の気に入らない作戦はやらないし・・・。 芽衣。代わりに隊長してくれない?」


「・・・無理。 私にはその技量も人徳も無い」


「・・・分かってないなの。 皆芽衣が好きなのに」


「・・・・・・。 私は隊長は隊長がいい」


「嬉しい事言ってくれるじゃないの。 でも、私に何かあったら貴女が隊長をやってね。 これは命令なの♪」


「・・・・・・隊長」


 隊長が悲しい事を言うので少し泣きそうになってしまった。 それを見て隊長は慌てて両手を振って訂正した。


「あぁ泣かないで!? 冗談なの〜。 可愛い芽衣を置いて逝くなんてあるわけないなの♪」


 もちろん本気にしたわけじゃないし、魔王の最強ぶりを知っているのでそんな事はあるわけないと思っているが、悪いように考えてしまうと一気に妄想が膨れ上がってしまった。


「・・・・・・はい。 分かってます隊長・・・」


「うん。 よろしい。 でも、さっき言った事は本当なの。 芽衣はとても出来た子なの」


「・・・・・・ありがとうございます」


「きゅんきゅん〜☆ 照れながら微笑む芽衣可愛い〜〜♪」


 そう言うとナノ隊長は私を抱きしめてきた。 ・・・何かのスイッチが入ったのか。


「・・・・・・隊長・・・ちょっと苦しいです」


 そう抵抗するが、特段嫌では無いのでされるがままになっていた。


「お前等ツッコむ奴居ないんかいーーーーー!!」


「どぎゃーん!」

「はぅ・・・」


 声とともに「飛び蹴り」をナノ隊長に食らわせてきたのはちゃーこだった。


 この娘、隊長だろうとなんだろうと物怖じしないで蹴り倒す猛者だ。


 ・・・その後どんな仕返しがあるか分かっているのにやってしまう猛者だ。


「ちゃーこぉぉぉぉ。 人の頭はサッカーボールじゃないなの。 ・・・・・・滅殺」


「ちょ・・・ボケに突っ込んで反撃されるなんて自然の摂理に反してると思うんだけど! 今日は負けな・・・・・・きゃわーーーーーーーー!?」


 あぁ・・・、今日も結局そうなるわけだ。ちゃーこは。



 ・・・なんにせよ。


 今日も「花屑」は平和だった。


 そんな事より、さっき気が付いた事・・・。 今度隊長に聞いてみよう。


 何故TAMが・・・ TAM−06が欠番しているのかを・・・。


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