毎年のこと
淡い朝
細枝は天に向かって伸びて
つめたくさまよう空気
冬はいつも
真面目にまんべんなく
冷していく
時に容赦なく
ぬくもりあることが
どれだけ幸福なことか
思い知らせるように
離れた心を寄り添わせて
一人では生きていけないのだと
それでも
寒空の下に命を放る者がいる
命を放られる者がいる
ぬくもりなき世界で
身ひとつで晒される者がいる
毎年
あたたかい知らせの前後に
凍えた命の知らせが流れる
可哀想に、のため息は白く
儚く消えていく
せめて一日でも
ひとつも凍える命なく
誰もがあたたかく過ごせたら
拙い想像は淡い翼広げて
大袈裟に羽ばたいていく
毎年