New・Loding
初投稿でちょっと短いですが、気に入って頂ければ幸いです。
前略・此処はよくあるSFの世界と言う奴です。
「…………っもう! 此処は何でこんなに部屋が在るのよっ!」
――その筈……うん。まあ兎に角其れは置いといて。
日暮れをとうに過ぎ、太陽が薄く空を染める頃。24階建てのビルの中で。
先刻の声の主は、15階の廊下を早足で歩き回っていた。
身長・150cm程度。と言うか其れ未満――の少女。身体の全てを余さず白衣に包んでいるものの、絶対サイズが大きい。ので、手は袖で隠れ、裾を思いっきり引き摺ってしまっていた。本人は全く気にしていない様だが。
キョロキョロと顔を動かし、部屋のナンバーを確認して、やっと目的の部屋を見つけ、ノブに手を伸ばして――、
「届かないじゃないっ……!」
見た目相当の声を上げて、仕方なく扉をガンガン叩く。
「ちょっと、誰か、い、居ないのぉ!? 此処開けてよ――きゃっ!」
「あれ、女史? 何してるんですか遅かったですね?」
「……出来れば位置情報が書かれてる紙が欲しかったのと、何で私が倒れてるのかって所に意識を向けて欲しいわ……」
急に支えを失い倒れこんだ少女に、どう見ても年上で白衣の大人な男性が、自然に敬語で話し掛けた。其れをおかしいと思わずに少女は立ち上がると、パンパン服の埃を払う。
「……で? ブツは? ちゃんと出来てんの?」
「ええ勿論ですよ出来ましたよやりましたよ! とうっとうやりましたよういやっほうっ!」
ちなみにこの声は先程扉を開けた男では無く、その部屋の中からの声である。かっなーり出来上がってる様だ。顔が赤い。
「……おい神酒? お前何本飲んでんだよ飲み過ぎだろ!? お前この後帰り送れとか言うなよ嫌だからな!?」
「大―丈~~~夫だ柳沢ぁ……このまぁんま此処に泊まれぇばいーいだ~け」
「うわ鶯!? お前もか!?」
本格的に頭を抱えた柳沢に代わり、少女は部屋の中に歩み寄ると、机の上に並べられた機械の1つを手に取った。その動作に今までヘラヘラしていた男共が、その顔を収める。
数秒ほどその機械を手に感傷深い表情を浮かべていた少女だが、部屋の中に居る男3人の視線を受けてニヤリと笑った。
「さあ……ゲームを始めましょうか?」
いかかでしたでしょうか。
投稿はちょっと遅いですが、気長に待っていて下さい。
出来るだけ早く投稿します。