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the last;undocile




「なぁ、理奈。お前なんで先週までずっと黙ってたんだよ。すぐに言えばいいのに。」




あの夜から早くも一週間が過ぎていた。




理奈は俺の部屋に来る回数が増え、そしてなぜか俺の膝の上は理奈の特等席となり、今も理奈が一人で独占する状態が続いている。




「え?だってあの時、いっちゃんに言ってたらなんか思いつめて自殺しそうな勢いだったんだもん。だったら間違って、私が告っても絶対にオッケーしてくれないでしょ。」




当然のように答える理奈に当時の心中を当てられた俺は閉口し、そっぽを向く。




「なら時間が経ってある程度罪悪感が麻痺しつつも、それなりの罪悪感が溜まった時に告ったほうがいいと思って。…まぁ、気持ちいいっていうのもあったんだけどね。」




「…………はぁ。………………お前なぁ。いつからそんなに計算高くなったんだよ。」




驚き、呆れる俺を楽しそうに見つめてくる理奈は嬉しそうに口を歪めて答えた。




「そんなのいっちゃんを好きになってからに決まってるでしょ。…………あっ、いっちゃんほっぺたも耳も真っ赤だよ。可愛いなぁ。うりうり、うりうり。」




「うっせ、バカ理奈」




理奈に言われなくてもそんなこと分かってるさ。自分の事なんだから。




「じゃあ俺を好きになったのっていつごろからなんだよ。」




「ん~~とね~~。ヒント一、私が髪を伸ばし始めたころからだよ。」




………髪が伸び始めたのは?

あんまり昔から変わってない気がするんだけど?

まぁ、いいか




「ねぇ、いっちゃん。」




「何だ?」




「ぎゅってして。」




「バカ抜かせ。」




「えへへ、あったかいね。」




理奈が何かを幸せそうに呟いたけど聞こえなかった。




「じゃあ、おバカちゃんないっちゃんに大ヒントね。私のお父さんとお母さんは二人ともお酒がいっちゃんより強くて、そして私は今まで生まれてから一度も酔い潰れたことがありません。さらにいっちゃんのお父さんとお母さんはとってもお酒が弱いです。以上。」





「はぁ?嘘吐け。今まで何回も酔い潰れただろうが。だから俺が………あっ。」




自分の辿り着いた答えが信じられずに理奈を見るとイタズラに笑っている。




そして有り得ない一つの答えに確信を得る。




その答えに思わず脱力してしまった。




「……………この大ウソツキが。」




「へへっ。愛故に。」




「愛を理由にすれば全部許させると思うな、バカ理奈が。」




「へへっ。」




「…………………………………………………ねぇ、いっちゃん。」




「…………………………………………………なんだ、バカ理奈。」




理奈が振り向いて、顔を覗き込んできたせいで上目遣いになっている。




「好きだよ。」




「バーカ。………まぁ、俺も、か、な。バカ理奈っ」




「へへへっ」




「ねぇ、いっちゃん。」




「なんだ、バカ理奈。」




「私、来週は一緒にホテルにゴーだね。」




「ブッ!?……ゴホッ、ゴホッ!!お前はなんてこと言うんだ、このバカ理奈!!」




「イタッ!!DV反対ッ!!」




fin

『the way to eat honey~間違った食べ方~』ご愛読ありがとうございました



後書きと裏話、次回予告は次ページをご覧ください


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