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「へへっ。私、初めていっちゃんのマウンドポジションとっちゃったよ、ふふっ。」
呆けている俺を見降ろしながら理奈はとても楽しそうに話している。
ベッドに倒れ落ちてから、迅速な対応をしたのは寝ているはずの理奈だった。
俺の両手を振りほどき、俺の両手、詳しく言うなら両手首を理奈の手で固定し、腰を俺の腹のあたりに落とした理奈は笑顔だった。
そして俺は状況を理解できずにいる。
「どういうつもりだ、理奈。それはいい、とりあえず上からどけ。話はそれからだ。」
声を発してから自分の声がいつもより低いことに気付いた。
でも理奈はそんな俺の様子を気にした風もなく、俺の上で至極楽しそうに笑っている。
「ごめんね、いっちゃん。でもこうしないといっちゃんとお話しできないから。」
「今さっきまでずっと話をしていただろ、酔っぱらないでさっさとどけ。いてっ。」
嫌な感じがした。
何かはわからないけど、理奈から嫌な雰囲気がすることだけは分かる。
取り返しのつかないことが起きそうな気がして、理奈をどけようとするも力を入れた両手が痛くなるだけで手は動かず、身体は起き上がることもできずに固まったままだった。
「ごめんね、いっちゃん。この体勢、女の子でも力の強い人を動かせないように出来るんだ。柔道を習ってる友達に教えてもらったんだ。痛くしたくないから大人しくしててね。」
謝るはずの理奈の声は誠意が感じられずその瞳は俺を射抜かんとばかりに鋭く俺を睨む。
状況を理解できないでいる俺に対して攻め立てるような声色で理奈が問うてきた。
「ねぇ、いっちゃん。私、いっちゃんが好きなの。私と付き合って。」