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4th;secrets




「全くー。何が『俺が思ってるような娘じゃなかった。』よー。私だってねー、あんたがそんなに女の子の身体ばっかり触って来る奴だとは思わなかったわよー。うぅ、翼のバカやろー!!それに付き合って一週間でエッチなことしようとするなバカー。いっちゃんもバカー。地獄に落ちちゃえー。翼もいっちゃんも二人とも地獄に落ちちゃえばいいんだー。」




頬を赤らめた理奈を送り出してから一週間後、バイトを終えて半日ぶりに帰って来た俺の部屋は理奈のせいで惨状と化していた。




月明かりだけが部屋を照らし、無残にも転がるワインボトルとつまみが入っていたであろう袋や器によって床が満たされている。




予想よりも早い登場に驚きはしたが状況を理解するのにさして時間は要さなかった。




理奈の両親は貿易業を営んでおり、その中でも洋酒、特にワインの輸入に力を入れている。




そのせいで理奈は容易にお酒を手に入れることができるのだ。




まぁ、悪酔いするタイプでなおかつ酔っていた時の記憶を覚えていないという一番性質の悪い酔っ払いである。




「はいはい、どうせ俺が悪いですよ。その翼くんと地獄に行くからお前は帰れ。」




「いっちゃんのバカー。簡単に死ぬとか言うなー。バカー。いっちゃんなんか死ねー。」




いつもより理不尽になった理奈をあしらっていると心の奥に小さな痛みが湧いて来た。




酔っていない理奈ならデコピンの一つや二つ、当ててから追い返すが今の理奈を帰すわけにもいかない。




こんな状態で家に帰れと言えば、一、二時間後には俺のケータイに迷子届けが届くことはゴールデンウィークに実証されている。




必死に怒気を醸し出そうとする理奈が愛おしい。




差し出してしまった手で肴を摘まみ、理奈が開けた数えるのすら億劫になる缶チューハイを奪ってのどに流し込む。




プンスカ、プンスカ音を立てて怒る理奈を無視して酒を流し込む。




しばらく怒っていた莉乃だが、なぜか機嫌を直して新しい缶チューハイを開ける。





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