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理奈と俺はいわゆる幼馴染という関係だ。
俺が高校一年生で理奈がセーラー服を纏っていた中学一年生の時だった。
俺が小学生までは空き地だった場所に工事が入り出しあっという間に立派な屋敷が建った。
そしてその引っ越してきた家の一人娘が理奈だった。
大人びた風貌のせいで同級生の男の子に苛められていたのを助けたのが俺である。
止めに入った俺に敵意を見せていた男の子だったが、そこは小学生の延長でしかなく、そいつ等を追い払うのに高校生という身分はあまりにも効果があり過ぎた。
それ以来理奈と俺の関係は兄と妹、という位置付けになり、夜になってどちらかが顔を見せても怪訝な顔もされずに通されるところを見ると親公認の兄妹ということだろう。
後日、友達の弟から聞いた話では俺が理奈を助けた翌日に、同級生から俺のことでからかわれたらしいが、本人はまったく気にした様子もなかったらしいので良いとしよう。
そんなわけで俺と理奈は疑似兄妹をしていたわけだが、それは一方的に、知らず知らずのうちに崩されることとなった。
というよりも俺が強引かつ秘匿的に崩した。
理奈が引っ越してきてから一年足らず経った頃、理奈に彼氏が出来た。
ソイツは俺と同じテニス部で少し面識があった。
俺のイメージは軽い男、というものであり、それは当たっていた。
幼い理奈は付き合うの意味を理解しておらず、恋に恋した理奈はキスを迫られて拒絶したらしい。
そしてその結果、ソイツに振られた。
振られて理奈が取った行動はおおよそ俺の予想を悪い意味でぶっ飛んでいた。
何の予兆もなく俺の部屋に現れた理奈はこの時すでに顔を赤くして、ワインを数本持って押し入ってきた。
意味も理解できずに固まっている俺をよそに理奈は自分の持ってきたワインを次から次へと開けていく。
放っておいた理奈は終いには眠りに着いてしまった。