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こんな奴ら

コボルドを助けるシン。人間同士の対決です。

「そこで黙って転がってろ!」

 矢を放ったケーラがシンに言い放つ。しかしシンの脚を捉えたはずの矢が見当たらない。


「ずいぶん暴力的だな」

 シンがため息を漏らす。その足元にはケーラの矢が踏まれている。放った矢を上から踏みつけていたのだ。それを確認した夕闇の星のメンバーの顔が青ざめる。


「夕闇の星といえば、人間至上主義。魔物や亜人には容赦ないが、人間には手を出さないと聞いていたのだがな……」

 呆れたようにシンが口を開く。


「うるさい! 魔物の味方をするような奴は人間とは見なさない。それに条約が正常だったとしても、そこのコボルドは人間の村にやってきているから不可侵の事項に抵触しているだろう」

 カシアスが青い顔のままシンに反論する。それを聞いてまた大きくため息を漏らすシン。


「人間の村に……といっても、村の中にまで入ったわけではないだろう? 大方村の周辺に来たくらいではないのか? 少なくとも殺すための大義名分としては弱いな」

 痛いところを突かれた夕闇の星。我慢しきれなくなったリッキーがシンに攻撃を仕掛ける。


「とにかくこれで眠っていろ!」

 すごい速さで放たれたパンチであったが、事も無げにシンはそれを躱す。そこに魔法使い・サラが電撃魔法を発射する。

 魔法が直撃し、辺りに焦げ臭い匂いが漂う。


「おいおい、仲間に魔法を当てるなんて酷いな君たちは」


 シンの言葉に一同が愕然とする。夕闇の星の狙いをお見通しだったシン。そもそも矢を踏みつける動体視力を持っているシンにパンチが当たるなどとはリッキーも他のメンバーも考えていなかった。パンチを避けたところに魔法を当てる。そういうコンビネーションだったのだが、それを読んだシンはパンチを躱しながらリッキーの襟首を掴み引き寄せたのだ。結果としてリッキーは魔法の直撃を喰らってしまった。


「クソ! せめて命は奪わないようにとしていたが、そうも言っていられないな。全員構えろ。殺す気でいけ!」

 怒気を含んだ声でカシアスが怒鳴る。リッキーは戦闘不能とはいえ、戦士である自分と弓使いのケーラ、魔法使いのサラ、3人は健在。負ける要素は見当たらないと考えていた。


 対峙する人間たちを見てコボルドの少年・祐鬼が口を挟む。

「あのお兄さん、助けてくれてありがとうございます。でも僕なら大丈夫です。早く立ち去ってください」


 その言葉を聞いてシンの顔がふと優しい表情に変わる。

「コボルドのほうが、よほど立派だな。それに比べて……」

 夕闇の星の面々に向き直ると静かな声で言う。


「人間のほうが悪ではないか。こんな奴らのために俺は……」


 ジリジリと距離を詰める夕闇の星。次の刹那、シンが口にする。

「お前ら、今この場をもって解散だ」

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