カラーバス効果
実は人はあまりに膨大な情報を前にすると全て把握できず、無意識に選びとったものしか見ていない。
特に休日のショッピングモールなど。
ザラ女はガチムチ男を探し、倫子は美少女が気になっていた。
その為、美沙は無意識に倫子をキサヤマだと誤解したのだ。
「そんなあ〜っ!オレ、相手に警戒されない為に!
ロマンス詐欺で傷付いてる女性は男がトラウマなってるからと抜擢されたんだよお〜
今、公安女子が居ないんだよ〜長年やってた人がやめちゃってから。
だから女に成れるオレに白羽の矢が立ったんだ!」暗闇でも美沙が頭抱えてるのが分かる。
「ハア〜ロマンス詐欺は難しいなあ〜男女の機敏に警察なんて1番遠いのに!」美沙が嘆く。
同じ40女の倫子には、ザラ女の気持ちが良く分かる。
死刑と話しを聞いて男に騙されていた事にやっと気付いたのだ。
まあ、失恋した訳だ。
そこに日本政府から助けが入った。
領事館の文面は彼女に刺さらなかった。
そこに警察学校でたての拙い日本語のメールが、捜査に協力してくれないかと来た。
彼女のロマンススイッチが入った。
で、彼女は身の危険も顧みず警察のたくましいガチムチ男と会えると横浜駅からみなとみらいまで歩いてきたのだ。
それが歯医者帰りの倫子と全く同じコースだった訳だ。
愚かとは言いがたい。
人間は思ってるより身体に引っ張られて脳も動く。
男が好みの女見ると、勝手に好かれてる…と誤解するように
妊娠ギリギリ年齢の女は「愛してる」と誤解して自己犠牲に陶酔してしまうのだ。
それはまるでハリガネムシに操られ入水自殺するカマキリの様に。カブトムシにでも戦いを挑むカマキリが、泳げないのに水に飛び込み身体の中のハリガネムシは栄養満点成人し繁殖のためカマキリの身体から出てくるのだ。
腹を食い破られ溺れてカマキリは死ぬ。
ザラ女も腹に一突き、愛した男に刺されて命果てたのだ。
美沙が女装してると伝えたら…あのイケズさだ。
内通の話すら消えていたかもしれない…仕方ない。
翌朝の会社はざわついた。
統括部長のガラス張りの部屋に倫子と美沙は一緒に入った。
服は明らか落ち着いたダークグレーのジャケットスーツで、倫子から借りたのもろ分かりだ。華やかに髪は巻かれてたが。
「なんか視線刺さりませんか?」
「うん、この部屋入って初めてこんなに見られてるって分かるわ〜」倫子も焦る。
不倫願望に燃える木村が、なぜかメラメラと嫉妬に燃えた目を向けてくる。
反対に若い女性社員はニヤニヤヒソヒソ話してる。
この日、美沙は初めて女子社員からランチの誘いがあったそうだ。部長と食べるからと断るとニコニコされたそうだ。




