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不吉な色

「エッ、あの、どういう事ですか?」警察で倫子は意味が分からず警官に聞く。

「え〜っと、つまり〜アナタはあの殺された女性と間違われて襲われそうになったみたいですよ。

彼氏の話では。」警官もまだハッキリ分かってはいなさそうだ。

190ありそうなハーフの男が、イケズなザラ女の彼氏だったようだ。

「で、前から彼女が変な仕事を請け負っていた事に気付いてたそうだ。

今日はやめさせようと呼び出したが、途中でトイレに行くと席を立ち、遅いので見に行ったら多目的トイレで美少女に殺されてたらしい。」やはり警察もあの美少女を男だと気付いて無いようだ。

「で、あの、美少女はどうしたんですか?」さっき大きな男は連れて行かれるのを見たが、美少女は急にいなくなった。消えたのだ。

「ああ、別室で調べてるよ、大丈夫だから。」と警察が言う。

結局、倫子はこれと言う情報を持ってなかったので、夜には解放された。

「なんて日なんだろ?…全く」クタクタになりながら自分のマンションに帰った。

倫子の部屋はみなとみらいを一望するマンションの1室だ。部屋からは遊園地の観覧車やビルが美しい夜景を港に映し出す。

会社は品川だ。ここからだと1駅横浜で乗り換えて20分程だ。

夜景が美しくて会社もそれほど遠くないので5年ほど前に買ったのだ。結婚するかな?と思ってたので先延ばしにしていたが、付き合う男になぜかことごとく別れてくれと言われてしまい…諦めた。

理由は良く分からないが、仕事が好きなのがいけないようだ。

彼と2人で飲むより仲間とワイワイ飲む方が好きとか…上司に接待に呼ばれたら即フッ軽で出掛けてしまうとか…

「俺と仕事とどっちが大事?」と何か頭の悪い彼女みたいな質問されて振られる…ので、もう結婚は諦めてマンション買ってしまった。

実家は兄夫婦が住んでるし引き継ぐだろうし、老後のために買うしかなかった。

35平米くらいの狭い部屋だ。東京都心の狭いワンルームを2部屋繋いだくらいの広さだ。

同世代はとっくに結婚し子供も小中学生くらいだ。

仕事に家庭と大忙しでなかなかもう遊んで貰えない。

この頃はすっかり一人遊びが上手になってしまった。


さっきこのカーディガンの色を検索したら「ライラック」だとAIに教えられた。

ヨーロッパでは不吉な花で「破談、失恋」の花だそうだ。

「私にピッタリなはずだわ…」ベランダから港から離れる船を見ながらため息をついた。

特に男から女にライラックの花を渡すのは「別れてくれ」の意味らしい…倫子の人生そのものの色だった。

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