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赤いハンカチ

美沙が公安から防犯カメラを倫子に見せる許可を貰ってくれた。

「ついでだから、このモニターにうつすよ。

もっと細かく見たかったらノーパソで見せるよ。」と当日のカメラの様子を映し出してくれた。

ザラ女が逃げるようにトイレ通路に逃げ込んだ。

美沙が倫子にへばり付いてる間にリアムに見つかってしまったのだろう。

ザラ女は、日本政府の計らいで何とか日本に帰国できたが、まだリアムと繋がっていたらしい。

執行猶予中だった。

自分が捨てられた見棄てられた事実にまだ向き合えなくて、リアムから救いの言葉を聞きたかったのかもしれない…

詐欺でだまされる女は、だまされたくて近寄ってる人もいる。

夢が見たいのだ。一瞬でも。

ホストに貢ぐ人もウソだと分かってて課金する。

男もキャバ嬢やカウンター嬢に貢いだり飲みに通うのは嘘でも夢が見たいのだ。

が、警察の男にも内通依頼されリアムに隠して会う手筈だったのだろう。

居るはずの無いリアムを見て、ザラ女は危険を感じてトイレに逃げ込んだ。

後は足跡など目撃証言だ。

女子トイレは2人待ちで並んでいたようだ。

でザラ女は去った。が戻ろうとして間に合わず多目的トイレに入ったのではないか?

そこに来たリアムは女子トイレの様子から多目的トイレを黙ってコンコンとノックしたのではないか?

女子トイレの中にいた人の話では、多目的トイレを何度か叩く音がして、女性の声で「すみません」と聞こえたそうだ。

しばらくすると女子トイレに並ぶ3人目が来たそうだ。

後はトイレを済ませて通った時には誰もいなかったと。

他の女性も同じような話だった。

「その、すみませんと言ったのは中のザラ女じゃないよ、多分。」倫子が言う。

「えっ、どうして?」美沙が驚く。

「だって追われて入ってるんだよ。息を潜めてるのに返事するわけないよ。」倫子が言う。

「それに私をリサイクルショップで突き飛ばした時も、『ごめんなさ〜い』って言ってたし。ガラに合わない…多分、それ3番目の人が通路にリアムがいて狭くて通れなくて「すみません」と言ったんだよ。」倫子的には、その方が自然だ。

ザラ女が多目的トイレ使用中にコンコンされて「すみません」は無い!

追われてなくても、「使ってるって!」と舌打ちするか「ごめんなさ〜い」としか言わないだろう。

人と成りを知ってるからこそ分かる!

公安には、それが分からないのだ。

「えっ、じゃあ3人目の人はなんで??」美沙が???になってる。

「まあ、これは推測だけど、その女の声を聞いて中のザラ女は、助かった!か普通に使いたい子連れ主婦が来たと勘違いしたのよ。

で、思わず開けてしまった。」その方が倫子には自然な流れだ。

モニターには、並んでた1人目の女性が出て行った。

手前の男のトイレは普通に出たり入ったりしてる。

2番目に並んでた女性も出て行った。

そして、程なく3人目も手をハンカチで拭きながら出て行った。

「止めて!」倫子が言う。

「防犯カメラの動画だから画質悪くて顔まで分からないしマスクしてるけど、この人の手のハンカチはちょっと異様だよ。こんな真っ赤なハンカチ…おかしくない?

まるで運動会の赤旗みたい。」倫子に言われてみれば、前2人はパステルカラーの淡いハンカチだった。

「還暦祝いとかクリスマスシーズンなら分かるけど。」と倫子は首をひねる。

それに脇に抱えたトートバッグまで真っ赤だ…

「なかなか日本女性で黒服に真っ赤なトート持つ人は珍しいね。よほどオシャレに拘りないと…」今はすっかり会社のオシャレ番長の美沙もうなづく。

「…彼女が、すみませんと言い、そのまま3番目として女子トイレに並び、帰りに多目的トイレ開けて牛刀をカバンに入れ持ち出すのなら可能なんだよ。

手にはハンカチもあるから指紋も残らない。」倫子が犯人ならそうするなと思い話す。

「そのうえで証言の時は、すみませんと言ったのは自分じゃないと言えば、それだけでアリバイが完成するのか!調べは皆別々だ。声でバレることない!」美沙が両手をパンと合わす。

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