運命
成りたくてキャリアウーマンなった訳じゃない。
ただ仕事で納得できない時は、とことん話すし解決するまで取り付くしつこい性格なのだ。
学生時代から煙たがられた。
会議でずっと黙ってるくせに、どうも変な方向で決まりそうになると最後の最後にひっくり返して多数決をもぎ取る。
そのスタイルが1軍男子に目の敵にされるのだ。
彼らの案がちゃんとしてれば、特にケチつける気は無いのだ。
詰めが甘いのだ。
最初良くても1年経てば煮詰まるような案ばかり。
数人が気付いて不安を口にしても杞憂民とばかりに片付けて耳を貸そうとしない。
軌道修正もなく最後の多数決に進みそうになると、仕方がないので、
「多数決に入る前に1言よろしいでしょうか?」と話すしかなくなる。
舌打ちする男達の声が聞こえる。
が、この案が通ったと仮定して話しを進める。
そこで起こりうるトラブルを懇切丁寧に説明する。
だんだん皆の頭の中に具体的な情景が浮かぶように。
それだけでなく、途中捨てられた案を選ぶとどうなるかも説明する。
最初目立った効果はないが、5年10年と経つとそちらの方が安全で安定した結果を出せるのだと。
「最終的には多数決とその後の役員会議で決まります。
自分の1票をどう使うのか?それはアナタの選択であり責任です。
どうか、覚悟ある決断を選択されて下さい。」と話を終える。
そこで男達がちゃんと反論すれば良いのだ。
なのにダンマリ決め込んで、後から裏で陰口や悪口をほざく。
社長や役員から見たら、どう映るか?考えろよ!と倫子が歯がゆい。
結果、倫子が勝ち残ってしまうのだ。
すると途端に距離を置くのが男なのだ。
結局、気付けば1人なのだ。
今は、警察の協力者なので同居人が出来てしまったが…
警察の寮だと朝ごはんと夕飯は食堂で出されるので心配ないらしい。キッチンも無いらしい。
倫子が野菜の常備菜をセッセと作ってると横で美沙も切ったり洗い物をしてる。
メイクや服選びもセンスあるが、料理もセンスを感じる。頭が良いのだろう。
見たものはどんどん吸収していく。
「肉ばっかりだと飽きるから、家帰って冷蔵庫にこういうのあると、確かに良いよね。買うと高いし。」と言いながらキャベツの千切りもなかなか細いし上手い。
「これ使うと速いけど…」と専用ピーラーを貸したが、面倒だと包丁で切っていた。
料理の上手い人にありがちのスタイルだ。
「オレさあ〜結婚したら良い旦那になるタイプだと思わない?」美沙がアピールしてくるが、どう受け答えしたものか…単純にはうなづけない。
『考えてもどうしょうもない!
割り切って、今を楽しむしかない!
どうせ私は殺されるかもしれないし!』と悟った。




