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憐れみ

「僕、年下好きの女性て救いないなと思うんだよね〜」歯医者に忘れ物があると呼ばれたので週末買い物ついで美沙を外に待たせて寄った。

すると中で助手のお姉さんとあの癒しの歯医者さんがそんな話しをしていた。

この時間が歯医者の午後診療前でバタバタしてないからと聞いたのだが…

「患者さんでおじさんがなに勘違いしたのかメルアドとか渡されると困りますからね〜

相手が若いとゴリ押しが通用するとか勘違いするんですかね?男も女も?」助手のお姉さんもうなづいてる。

『わあ、舞台裏ってこんな感じなんだ!

幻滅だなぁ〜』と思いながら診察室に入った。

「すみません〜あのハンカチ忘れたと聞いたので来ました。」倫子は出した覚えが無いが、確かにカバンから失くなってた。

「ああ、倫子さん。わざわざすみません。

早くお返ししないと忘れてしまうので、お電話しました。」と綺麗に梱包されて渡された。

「まあ、洗濯までしていただいて…恐縮です。」と言いながら、ちょっとさっきの話で興ざめしながら受け取る。

「それと良かったら…これ、どうぞ。前に倫子さんが着てた服の色とソックリなんで思わず買ってしまったんです。」とライラックの花束を渡された。

「エッ、そんなあ〜わざわざありがとうございます。

綺麗な色ですね〜ピンクとブルーの2色あるんてすね〜ライラックって。」と受け取る。

するとお姉さんが後ろを向いてプッと笑う。

それで思い出した。

確か男性が女性にライラックの花を渡すのは振る時だと。

思わず先生の顔を見る。

いつもの通りの笑顔だが、確かにどこかトゲを感じる。

さっきの2人の話もガッカリだったし…もう、この歯医者は通うの辞めようかな?と思う。

でも花は美しくいい匂いがする。

「綺麗な色ですね〜それに匂いも上品で洗練された香水みたいな匂い!」実は初めて近くで匂いを嗅いだのだ。

花には罪はない。誰に貰おうと。

「そうですね。ライラックって香水の原料ですよ、確かに。」先生は知識として話す。

「倫子さん」美沙ちゃんが顔をひょこっと出した。

「綺麗…!!」助手のお姉さんが驚く。

そうなのだ。美沙は誰もが振り向くほど綺麗で可愛いのだ。

でも、凶悪な下半身を持つ男…


「素敵な花をありがとうございます〜

私もこの花みたいな女性になりたいです〜では〜」と

美沙の手を引いてそそくさと歯医者を後にした。

財布から診察券を出しパキッと折ってゴミ箱に棄てた。

何だかジワジワと不愉快になる。

私が美沙と居ると、そう人には見えると言いたいのか?

おじさんが若い女の子にデレデレしてるように見えるのか?

そう考えるとカッと羞恥心が湧いてしまう。

今は、若くて綺麗な美女だから一緒に居てもそんな風には見えないだろうけど。

実際は、一回りじゃ効かないほどの年下男性だ。

先生の微笑みが、倫子を憐れんでいるように感じた。

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