美人
みなとみらいの巨大ショッピングモールを店から店へツイード生地のナロースカートを試着しながら探してると…なんか、どの店にも美人?可愛い系の同じ女の人が居る。
「あの人、さっきの店にも居たけど…偶然かな?」169cmの倫子と同じくらいの背丈の女性だ。
しかし、顔が全然!
「あんな人なら、何着ても似合うのに。
服探しなんか苦労しないだろうに?」とため息が出るほど可愛い人だ。
キラキラした大きな瞳に長いばざばさまつ毛、通った鼻筋に小さな小鼻。
女優の広瀬すずちゃんみたいな顔だ。
倫子は子供の時から老け顔だったので、今やっと顔と年齢差がなくなったくらい大人顔だ。
だからくすんだ色しか似合わないが、今回絶妙な紫?青?みたいな薄ピンクの服着て歯医者さんに褒められたので、
何とかシャギーカーディガンをスーツ下に着て会社行きたいのだ。
そんなに服装に厳しい会社ではないが、やはり立場的に大きな会議にも出なくてはいけない。
ピンクのカーディガンをどう組み合わせれば着て行けるのか?悩む。
ジャケットは持ってるので、それと同系色のタイトなロングスカートが欲しいのだ。
服の前で腕を組んで悩む。
「何かお探しですか?」店員さんが声がけしてくれた。「それでしたら、コレなどいかがですか?」と持ってるジャケットに近いマーメイドスカートを持ってきてくれた。
惜しい!タイトなら良かったのに〜
マーメイドスカートは、履いたことがない。
太ももがお尻以上に難問なのだ。と断ろうとしたが、
「これ、ニットスカートなんです。生地ではないので伸びますよ。試着してみませんか?」と勧めてくれた。
なので試しに試着室に入る。
と、またあの美人が試着室まで一緒に入ってきた。
何だか薄気味悪くて1番奥の部屋に入った。
ジーパン脱いでスカート履くと…入った!
本当にスゴいストレッチの効いたスカートだった!
鏡に映る自分を見ると後ろに顔があった。
ギョとしたが、あの美人が試着室のカーテンから顔だけ出して覗いているのだ!
「なっ、なんなんですか!あなたは!お店の人に言いますよ!」と言うと、
「…お前、キサヤマじゃないのか?」と声が、声が、男だった。
「キャアアアアアアアーーーーッ!!!」倫子は悲鳴を上げた。
途端にその美人は逃げ出した。
店員さんが駆けつけてくれたが、美人は休みの雑踏の中にどこえともなく逃げてしまったらしい。
「キサヤマって誰だよ〜全く!」スカート履けたので買ったが、何だがバタバタしてしまって記憶が飛んでた。
本当にこのカーディガンと合ってたのか?
ちゃんと確認してない…
ふと不安になってショッピングモールのトイレに入った。丁度、多目的トイレが「空」になってた!
「履いて、どっかで確認しよう!」と引き扉を開けた。
すると、トイレにあのリサイクルショップでカバンで突き飛ばしてきたザラ女が口から血を流して目を見開き、その前には美少女みたいな男?さっき試着室覗いてきた男と全然知らない背の高いハーフ?みたいな男が立っていた。
「キャアアアアアアアアーーーーッ!!!」また倫子は悲鳴を上げた。




