取材
インスタが好調なせいか?
統括部長が女性なのが珍しいのか?
経済誌のインタビューの話が来た。
ハゲ役員がどうすると倫子に聞いてきた。
「倫ちゃん、部長なるのも嫌がってたし、どうする?
辞めとく?」と聞いてくる。
「いや…やりましょう。」少し考えて倫子が言う。
「警察から聞いたよ。犯人に狙われてるって…大丈夫かい?」ハゲが心配してくれてる。
「ありがとう〜ハゲ〜」と頭をナデナデする。
「でも、会社の宣伝にもなるし求人倍率も上がるし、
頑張って働いてる女の人の励みになれば、生きた証になるかもよ〜」と笑う。
「ワシらより若いのに、なんで死ぬみたいな事言うんだい!」とハゲが泣きながら怒る。
孤独に付け込まれて利用されて、ジャマになったら殺されて…働く女は使い捨ての駒じゃないんだよ!とメラメラと怒りがこみ上げて来てる。
ロマンス詐欺を考えた奴が許せない!
どうせ男にも女にも目の敵にされて生きてきた。
働く男より、もっと敵だらけなのだ、働く女は!
崖っぷちで仕事してる。
その精神の危うさを分かってて狙い打ちしてるのだ。
腹を食いちぎられて溺れて死ぬカマキリみたいに。
『もっと揺さぶってやるよ〜早く尻尾出しな!』
倫子には、恋人も家庭も子供もいない!
何も無い!半ば、無敵の人なのだ。
会社のラウンジで取材を受けた。
美沙が嬉々として、取材を受けてる倫子を動画撮影して写真もバシバシ撮っている。
「同じ様に上をめざす女性がこれからも沢山出てくると思いますが、彼女達にエールを送るとしたら何を伝えますか?」とインタビュアーに聞かれる。
「…そうですね。過程は孤独と誹謗中傷との戦いかもしれません。優しい甘い誘惑に逃げたくなるかもしれません。
僕の為に…とか、君だけが頼りなんだとか言われて。
でも、私達は個人的な幸福なんか、無縁なんですよ。
もし結婚しても出産しても…
ただ沢山の犠牲を強いる人を増やすだけなんです。
家族に覚悟して貰うしかないんです。
自分が戦士である事を忘れないで下さい。
選んだのは、孤独な戦士の道です。
働く女には、男より倍の敵が潜んでることに気付いて下さい。
あなたなら!戦えます。
1人である事に誇りを持って下さい!」と取材を終えた。
「わあ〜っ、これは営業妨害ですよ〜あいつらの。」美沙ちゃんがクスクス笑う。
「私が死んだら後はよろしくね…」大口叩いた後は後悔と恐怖でガクブルである。
「絶対死なせませんよ。オレが絶対守ります!」
倫子のメイクくずれを直しながら、美沙が微笑む。
「ふん、協力者死なせたクセに!
1度ある事は2度3度起こるのよ〜」と倫子が疑いの目を向ける。
美沙がきっと倫子のリップを塗り直しながら腕をキツく掴む。
「絶対死なせませんよ!オレのだから!」なんか子供が大事なおもちゃをギュッとするようにホールドされた。




