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横浜ドリームランド

今日も野毛飲みだ。渋谷にしょうと誘ったが、美沙自身が嫌みたいだ。

「オレ三茶の寮だからさ〜渋谷だと仲間会うのよ!

今回、所轄じゃなく公安の仕事だから『女』で居なきゃいけないし…」どうも所轄でも変装する事はあるのだが、署に戻ればスーツに戻れるのだが、

公安は住むところから全て成りきらないといけないらしい。つまり2.3年そのまま別人なるきる人も居るのだ。

つまり美沙は多分この仕事が終わるまで公私とも『女、菊池美沙』なのだ。

「ヒエ〜〜ッ、それはキツいね〜」さすがに倫子も驚く。

「で、本当はちゃんと部屋も借りてもらったりするんだけど、急な抜擢だから会社の寮からなんだよ〜

知ってる?寮って警察署の中にあって、絶対表玄関の入り口からしか出入りできないの!

つまり、この格好で交通とか拾得物とか夜勤当番の先輩の前をドス声出して挨拶してからしか寮戻れないんだよ〜」聞いただけでも可哀想だ。

皆に毎日毎日笑われながら朝晩出入りしているのだ。

「…それは上の人に文句言った方が良いと思うよ、さすがに。」そりゃ、酒と菓子パンを常備しないとメンタル保たない。

「だからさ、野毛の昨日の店?

東京じゃないから所轄の知り合い絶対居ないし、倫子さんと居れば多少足開いてガラ悪くても男バレしないし死角が少なくて良いのよ〜あそこ行こ?

いっぱい色んな店入ってて面白いし。

今日は隣の餃子の店行こ?」とノリノリで引っ張られた。

野毛に新しく出来た横浜ドリームランドと言う名前の居酒屋のフードコートみたいな店だ。

昨日はそこの洋食居酒屋でワイン飲んでたのだ。

隣は中華居酒屋だったので今日はそこに行きたいらしい。

それに…もしかすると寮に帰りたくないのかもなと思えた。

さっき、上に言った方が良いと言った瞬間顔がこわばった。

友人には警官はいないが、父親が刑事だったクラスメイトがいた。お父さんが家と職場の区別がつかなかった人らしく、口答えしたら殴られるとか言ってた。

警察は徹底して縦社会で命令は絶対なのだ。

改善とか話し合いは、絶対ないらしい。と愚痴ってた記憶がある。

彼が女装で寮生活がツライと言ったら…仕事から外されるだけなのかもしれない…とか倫子は察した。


「横浜ドリームランドって、実は昔は本当にあったんだよ〜」昔みたいに飲んでフワフワしながら話せるのは倫子的にも嬉しい。

この頃はもう一緒に飲んでくれる人も減った。

役員とは仲良く飲んだりゴルフしてるが、彼ら自身が年を取り、夕方になると皆居眠りしだす事もあり、早々に帰ってしまう。

同期達は家庭があるし…孤独を感じてたが、本当の名前も知らない美沙と飲むと年も忘れて昔みたいに飲める!

美沙は縦社会の人だが、学生のノリもあるので敬語とタメ語を使い分けてくれて年齢差を感じさせない。

「エ〜ッ、店の名前じゃないんだ!全然知らない!」倫子と酔っ払いながら携帯でインスタの効果もニヤニヤしながら美沙は確認してる。

情報過多の世界で育ってるので、話しながら携帯も見ながらと器用にやってる。

「そそっ、ネズミランドができる前ね〜奈良と横浜に本当にでーーーっかい動物園も入ってる遊園地があったんだよ〜

まっ、私もほとんど覚えてないけど。

着ぐるみに慣れてなくて怖くて泣いたのしか覚えてない〜」美沙と倫子は酔い方が一緒で話の内容にあんまり意味がない。

この雰囲気が好きなだけだ。

なので話しが繋がってなくても聞いてなくても良いのだ。

美沙が綺麗なので男がチラチラ見るが、年齢差がある倫子が相手なので誰も声を掛けてこない。

同世代で飲んでたら絶対誘われたろうが、そこも美沙的好都合のようだ。

「フフッ、すみません。インスタ…1万人越えましたよ〜」携帯を見せてきた。

「エエッ!」倫子はビックリする。

さすが令和の子だ!

動画1本と新しい写真1枚だけで、フォロワーを1万人も増やした。

「なんか…スゴいね〜

警察も思い切った大抜擢して良かったね。

ロマンス詐欺はネットを駆使した詐欺だから、若い警官入れて良かったと思うよ。」倫子には小躍りしてる警察上層部が見える。

ネットに散らばるロマンス詐欺集団を倫子のインスタグラムに誘導出来てるのだ。

「金が欲しい奴らですからね。社会的ステータス持って金がありそうなカモには、皆寄って来るんですよ〜」アゴをゴシゴシと男らしくさすってニマつく美沙。

「こっちも仕掛けようよ!AI美女を大量作って…」倫子が美沙の肩ごしに手を置いて画面を見ながらニャッと笑った。


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