インスタ効果
「そうそう、仕事できます感出して〜」と美沙ちゃんに指示されながらインスタに上げる写真を撮る。
デスク座ってメガネ掛けて〜と気恥ずかしくなるような演出だ。
「あの〜これが今どきなの?」倫子はおずおずと聞く。日本人も進歩したものだ。昔なら恥ずかしくて、こんなにカメラの前でイケイケ出来なかった。
「すまして写る方が恥ずかしいですよ〜ダサい!
ちゃんと演出しないと!」美沙は指摘する。
やっと気に入った写真が撮れたのか倫子のインスタにアップする。
もう倫子の携帯はほぼほぼ美沙がイジり続けてる。
選んだ男とのやり取りから何やら。
本当ならザラ女が美沙とやる筈だった作業だろうが、
ハリウッドスターみたいなロマンス詐欺男に先に口を封じられてしまった。
おかげで統括部長だけでもキツいのに美人秘書のロボットとしての仕事まで増えた。
問題の福袋のライラックピンクのシャギーニットはジャケットスーツのインに美沙に着てもらった。
やはり20歳ファッションのショップの福袋のなので、
堅い地味なジャケットスーツのインでほんのり色気を出して美沙にピッタリだ。
パンツスーツなので美沙も動きやすいのか機嫌が良い。
倫子は、元が美少女好きなので眼福眼福と美沙を眺めてる。
「よしよーし♪ ウヒヒヒヒッ釣られてる釣られてる〜」だが話すと若いただのお兄さんなので…少し口も悪いし柄も良くない男なので、夢から覚める。
「美沙ちゃん、外に音もれなくても、もう少し話し方気をつけようかあ〜」と倫子が注意すると、下向いて小さく「うっせぇなあ〜」と文句を言う。
警察の若い警官だなあ〜としみじみ思う。
なんで、こんな容姿なんだろ?
まあ、本人が1番悩んでいるだろう。
夜になると木村が何度もこちらを見て、美沙を何とか誘い出そうとスキを伺っていたが、今夜は美沙に残業を手伝って貰うフリして動画撮影しなくてはいけない。
なかなか帰ろうとしなかったが、巡回の警備員が明かりを消してしまうと仕方なく出て行った。
部長の部屋は自分で管理できるが、フロアの明かりは省エネのため警備員が9時になると消してしまう。
「さあ〜っ、キモいの帰ったし撮影しますか!」美沙が足をガニ股で開いて背伸びをする。
ずっと美沙なりに我慢していたのだ。口は悪くても所作は外の人間にバレる訳にはいかないから。
「このパンツスーツぴったりなんで、しばらく貸して貰えますか?」美沙が気に入ったようだ。
「良いよ〜グレーは、そのピンクニットと相性良いの分かったから、私は新しいの週末買うわ♪」と美沙にあげた。
結局、店員さんにあの日勧められて買ったマーメイドスカートを履いてない。歩くと大股が開けないのだ。
倫子は気付かなかったが、大股だったようだ。
美沙に履かせようとしたが、やはり歩きづらいらしく断られた。
見事なタンスの肥しになってしまった。
「アナタの事が気に入ったわ。もっと教えて…」と英語で動画撮影した。
机から立ってデスクの前に立ち足を交差させた。
もう、死にそうだ…
「は~い!オーケーッ!」3回やり直して、やっと止めさせて貰えた。
デスクに両手つき肩で息をした。どっと疲れた。
ド日本のほぼ昭和の女なので、キツい!ツライ!
ザラ女にやってもらいたかった!これは!




