Me, Her, and the World's Secret(僕と彼女と世界の秘密)2
3月諸事情により、投稿できなくてごめんなさい。
活動報告には3000文字と書いていましたが2000文字しか書けていません。
気づけば、視界に光が戻っていて取り出していなかった短剣が左手に握られている。
「おかえり、遥斗」
「ただいま、彩織」
荒い呼吸を整え両手に握られた剣達をしまい、差し出された手を取る。
「どう?何か掴めた?」
「少しだけ、自分と持っている力に向き合えたような気がする」
剣を抵抗なく抜剣出来るようになっただけで、一歩踏み出したと言うより、ようやくスタートラインに立てたと言う方が正しいのかもしれない。
「それはよかった。それじゃ、遥斗にご褒美!一つだけ質問に答えてあげる」
「わかった、その前に…その…スコップかシャベルない?吐き出してしまったモノの処理を…」
「心配しないで、さっき消したわ」
け、消した⁈そう言われ一度足元を確認し、もう一度彩織の顔を見る。
「消したってドユコト」
「ゲロに7秒間手を突っ込んで、原子レベルで分解したわ。土に埋める選択肢もあったけど…ここで寝泊まりしてるからね…」
明るい表情は徐々に陰り、吐瀉物に突っ込んだと思われる右手をスンスン「心なしかすっぱい匂いがする…」とこちらをチラリ。
「不可抗力だったとはいえ、吐いてしまい申し訳ありません!処理していただきありがとうございます!その、今度何か奢らさせてもらいます!」
その場で勢いよく土下座をする。彩織はチラリとこちらを一見てから答える。
「許してあげる、約束忘れないでね」
「忘れないよ」
パン!と空気を入れ替えるように手を叩き彩織は提案してくる。
「それじゃ、休憩も兼ねてお茶にしようよ。その時に質問に答えてあげる」
彩織のあとに続いて開けた場所から移動し、庭園の中心と思われる一本の大樹の根元に辿り着く。
そこに設置されたパラソル付きガーデンテーブルに案内され、用意された席につく。
囲われている空間のはずなのに、どこからか緩やかで暖かな風が肌を撫でる。
彩織がせっせと紅茶と茶菓子を用意する。
5分くらい待っただろうか、目の前に入れた手の紅茶とマカロンが置かれる。
「聞きたいことは決まった?」
正直なところ、彩織が今持っている情報全部が聞きたい。しかし一つと決められている。なら、聞きたいことは……。
「世界各国の魔術師の組織について教えて」
これを知っていないと魔術社会という名の日陰を歩くのは難しい。知っていれば無用な諍いに巻き込まれずに済むし、危機的状況に陥った時何処かの組織と取引をし、庇護を得ることも出来るかもしれない。
「ごめん!それは話そうと思ってたから…別の質問にしてちょうだい」
おっと、この返答は予想外。
「なら、僕が持っている剣《アステール》について詳しく教えてよ」
以前は断片的な情報しか教えてくれなかったが、今回は少し状況が違うので前とは別の情報を教えてくれるかもしれない。
「《エストレリャ》《アステール》について詳しく?ん〜実を言うと…そこまで詳しくは知らないんだよね〜私が知っているのは、遥斗が扱えるように一振りを二振りにしたって事、と星の欠片を鍛錬して作られたって事と…」
彩織が指折り数えながら思い出している最中ある言葉が、遥斗の頭の中で繰り返し流れる。
一振りを二振りに、僕が使う為だげに?なぜ?戸惑い混じりに、立て続けに疑問を彩織に打つける。
「じゃあ、昨日教えてくれなかったエストレリャの真価は?さっき言っていた僕だけは特別ってどう言う意味?」
ガタン!と後ろで椅子が倒れる音がする。
「落ち着いて、遥斗。ちゃんと答えるから、まずは座ってね」
「ごめん」と一礼し席に座り直す。彩織は紅茶を一口飲んでからゆったり説明し始める。
「まずね、一振りを二振りに遥斗が使う為だけに再鍛錬した理由は、遥斗にとって必要だと思われたからだよ」
「誰からその話を?」
「剣を再鍛錬した魔術師夫妻に聞いた。理由を知りたいなら、分けようと思って依頼した張本人に聞いてみれば?答えてくれるかどうか分からないけど〜」
そう言って人差し指で心臓のある位置を突く。
「次にその双剣についてね。一本の剣から二本に再鍛錬する際に、ほんらい〜剣が持っていた力を二つに分け、遥斗が必要とする力に再構成したの。理解できた?」
彩織が教えてくれた剣の持つ力については、以下の内容だ。
エストレリャは《魂の目覚め》。
僕の成長に合わせて限定的に力を解放し制御するためのものらしい。
次にアステールは《星辰導き》。
日常の違和感や偶然の一致、直感を感じ取りやすくなるらしい。
どれも曖昧な返答で、しょーじき理解出来ない。「らしい」って何だよ。はっきりしてくれよ。でもこの双剣、特に短剣。
この剣の力には感謝したい。こうして彩織と出会い、未知なる世界に踏み込むことができたのだから。
ついでにこの双剣が魔剣かどうか気になって、彩織に聞いてみたのだがどうやら違うらし。
魔剣とは、魔術式刻印剣の略称または、とある宗教が自分たちにとって都合が悪い奴らが使っている武器につける名前。
エストレリャ・アステールは概念的なものを剣の形に無理やり押し込めたらしく、世界に一振りと無い物だそう。
魔剣とは別種で、個々に剣を表わす名前がある。
「教えてくれありがとう」
「ご褒美だから〜礼はいらないよ〜」
黄緑色の砂糖菓子を口に入れ紅茶で甘さを濁す。
「じゃ、休憩はここまで、残り時間を使って遥斗の対人・対魔術師戦の訓練をやりましょうか」
彩織は席から立ち上がり、先ほどいた開けた場所まで行く。
それを追うように紅茶を一気に飲み干し、彩織のあとに続く。
どうも、七月の亡霊(人類の癌)です。
改めて、3月はごめんなさい。自身のスケジュール管理を怠ったせいで、書けず投稿できませんでした。
四月下旬。桜は散り新緑が顔を出し稲田には水鏡。一足早く五月の風がサラサラと肌を撫でる。
5月から本気出すとか言ってましたが、出せるのでしょうか?出せないでしょう。
本編はこれから遥斗と彩織のバトルシーンへと突入します!バトルシーンを書くのはこれが初めてになることでしょう。うまく表現できるかわかりませんが、楽しみにしていてください。
それでは、5月に会えるように祈っていてください。ここまで読んでくれてありがとう!




