Me, Her, and the World's Secret(僕と彼女と世界の秘密)
現在公開可能な世界観と人物紹介
用語紹介
今回お休み。
人物紹介
・逢坂遥斗
一年E組在籍の16歳。本作の主人公日々の生活にどこか物足りなさを感じている高校一年生。
・沙原彩織
一年E組在籍の16歳。庭園に住んでる少女。SOHLの力を継承してるかも知れない人物。
・眞壁裕司
柳平の教員は仮の姿!外情庁特異事象対応部所属の一等級魔術師
追記:・2話不思議少女(仮)にて一部文書が整合性が取れていません。
申し訳ありません。適宜修正を行って参ります。
・眞壁裕司の役職名に変更がありました。
3話不思議少女(仮)2にて一部文書を変更しました。ご確認ください。
「おはようございまーす〜?」
教室に入ると同時にすでに登校していたクラスメイト達が一斉にコチラを見る。
「おい、遥斗。誰だよあの美少女は!転校生か?」
クラスメイトの一人がコチラに向かって来て、耳打ちする。
「4月から登校してなっかた子じゃない?ほら、今まで開いてた席に座ってるし」
僕の隣の空席には一人の女の子が座っている。
自分の席に着くなり声をかけられる。
「おはよう遥斗」
髪色は違っていたが、顔と声色で昨日庭園で出会った少女だと思い出す。
「おはよう、彩織」
クラスメイトがおまえら知り合いだったのか⁉︎といった表情でコチラを凝視する。
席に座りバックから教科書を出しながら、昨日の出来事を思い出し気になって彩織に聞いてみる。
「学校来てよかったの?」
「多分問題ない。問題は何も解決してないけどね」
多分良くはないんだろうな〜と思いながらも、頷き再び準備に戻る。クラスメイトの一人がヌルりと正面にやって来て両手を肩におもいっきり置き、ため息をつき神妙な面持ちで言う。
「あのぉ〜ハルトォサァァーン〜お隣のぉ美少女とぉ、お知り合い…だったんですねぇ〜」
「ん、ちょっとね」
「んのおおっぉ〜おっぉーッッッッー「ちょっとね」だってぇぇぇキイィィーネタマシイーーーーーーーーーィ」
返答を聞くな否や突然ハンカチを噛み締めながら通路で転げ回りながら奇声を上げ始める。怖い。
「遥斗、ごめんねコイツあまりにも女子に構って貰えなくて話しかけられた遥斗が羨ましくて嫉妬してこうなっちゃたみたい」
クラスメイトの一人がそう言いながら嫉妬の力でブリッジをし始めた男を回収していく。
「遥斗、ここは随分個性的な人たちがいるクラスなんだね」
ペカーと笑顔で彩織が言ってきる。君も十分個性的だよと、思ったが口にはしなかった。
そんなこんなでホームルームのチャイムが鳴り、担任の入室と共に生徒達が席に座る。
「出席とるぞー〜おお、豊丘どうしたハンカチ咥えてこの世の終わりみたいな顔して」
「せんせー気にしなくていいよー勝手に突っ込んで勝手に自滅しただけだから」
「そうか…」
「全員いるな〜ぁ?」
そう言って教室を見渡し彩織の存在に気づき担任の顔が一瞬引き攣るが、何事もなかったかのように今日の連絡事項を伝えホームルームが終わる。
「沙原ー渡したい印刷物があるから職員室まで着いてこい」
「わかりました眞壁先生〜じゃ、ちょっと行ってくるね遥斗」
「いってらっしゃい」
◇◇◇
「マジで、来るとは思ってなかった。冗談だと思ってた」
職員室に行く道中眞壁は彩織にぼやく。
「本気だからって、言ったじゃん」
信用ないな私、まぁ当然か。ここで過去の出来事が尾を引く。
「はぁ〜疲れたもうお家帰りたい。嫁と子供達に会いたいです」
唐突にぼやきながら廊下の壁に張り付き項垂れその場を離れなくなる。
廊下を行き交う生徒達の視線が刺さる。
「無理でしょ、真輝さんも今任務中でしょ」
「だってぇ〜二ヶ月も会えてないんだよ〜休みほしいよ〜」
ついには廊下に転がり始める。
「あと4週間で夏休みに入るから会える、じゃんっ」
廊下で転がる教員を蹴りながら未来のことを言う。
「それに、渉くんと葵ちゃんは学校でしょ、夏休みの期間しか会えないじゃん」
そう、眞壁一家は盆休みや元旦などの大型連休でしか集まる事がない。
2020年に施行された教育改革にて学校教育制度が一新され、児童や生徒の自主性や協調生を育てる目的で小・中学校は全校全寮制。高校に関しては通える範囲に自宅通学が可能だが渉くんは都内ではなく、県外の高校に通っているため会えない。
「それはそうと、上に報告したの?私が学校に来てること」
痛い、と言いつつ起き上がり身なりを整え真剣な口調で答える。
「いや、まだ報告はしていない。これから外情庁長官に直接回線で報告する」
そう、返し職員室の扉を共に潜る。
眞壁は、自分のデスクに行き十羽の折り畳まれた折り鶴を持ってきて手渡す。
「あの人からだ。もしもは無いと思うが学校に来るような事があれば渡しておけとの命令だ」
あの人が率先して物事に干渉して来るなんて珍しい事もあるものだ。もしくは、干渉しなければならない状態になりかけているのかと、考えを巡らせながら折り鶴達を受け取りポケットにしまう。
「要件はこれだけ?」
「あぁ、もう教室戻ってもいいよ」
「失礼しましたー」
そう言って職員室を後にする。
その後は何事も無く1時間目数学から4時間目社会まで授業を受け昼休み、ランチタイムへと突入する。
◇◇◇
「遥斗ーご飯だ、席を開けてくれ」
食堂帰りの伶が戦利品をお盆にのせ言ってくる。
「お、それは週末限定ハルマキドンだね…伶、運が良いね…」
学校前のコンビニで買ったであろう弁当を手に下げ、真衣がやってくる。
「週末限定ハルマキドン?」
きょとんとした声で彩織は解説を求めて来たが僕より先に怜が解説を始める。
「週末限定ハルマキドン!週末限定500食のみ販売されるメニューだ!ちなみに販売方法は抽選式となっている!」
週末限定ハルマキドン
柳平高校と水無月坂高校の農林水産科の提供で送られる2校限定のメニュー。
柳平からは土地を活かした野菜、水無月坂からは海で養殖された魚介類これらを用いた丼物。
数量限定尚且つ大変人気ため、販売方法は抽選式。入学時限定で1回のみ優先注文が可能となってる。
この制度のおかげで僕も一回は食べたことはある。出来れば年に3回は食べたい。抽選当たらないんだけどね。ちなみに伶は、優先注文を合わせて今回で3回目となる。
「抽選かー当たるかな?」
「彩織は優先注文できるんじゃないまだ、一回も注文したことないでしょ。学生証端末貸して」
彩織は頷き、差し出された学生証端末を借り学食注文から、週末限定ハルマキドン優先注文画面開き返す。
「優先注文は予約だから、木曜日までに予約してね」
「わかった。ありがと遥斗」
「そういや、自己紹介がまだだったな、俺は東御伶。で、こっちが坂城真衣。遥斗とは小学校からの付き合いだ」
「私は沙原彩織。彩織って呼んで。二人とも下の名前で呼んでもいい?」
伶と坂城さんはグットのハンドサインを送る。
いつもは僕の机を使用していたが、彩織が快く机を貸してくれたので、くっ付け四人で机を囲み昼食をとる。
二人は彩織が不登校だったことには触れず、彩織に話題を任せる形で話に花を咲かせながら昼食をとる。
伶と話している最中横の席から箸が伸び海老天と春巻きがひとつずつ攫われていく。
彩織が同じクラス隣の席だったことには驚いたが、昼食時の卓上で起きる領土侵略はひとまず落ち着きを見せた。
◇◇◇
放課後、彩織から一緒に行こう、と誘われ成すがまま昨日約束をした場所に連れてかれる。
「不思議な空間。ここは常に太陽?が昇ってるの?」
「常にじゃないよ寝る時は夜になる」
なんとなく予想していたがまさかここで寝泊まりしてるとは思わなかった。だって下駄箱に靴置いてあったし。
庭園の中心にあると思しき大樹から少し離れた開けた場所に案内される。
「よし、じゃあやろっか特訓!」
「特訓って言っても何するの?」
どこからともなく分厚めの本を取り出しパラパラとめくりながら返事をする。
「まずは〜魔術師の基礎中の基礎身体強化やってみてよ」
身体強化
名前の通り身体を強化する魔術である。
現代における魔術師同士の戦闘は接近格闘戦。そのため、身体強化は基礎中の基礎と言ってもの過言ではない。とばあちゃんの書斎に置かれていた本に書いてあった。
「術式に問題なく最適化もされている…もしかして、私が教える事ない?他には何ができる?」
「魔術の基本と言われる付与、強化は実用レベルかどうかはわからないけど使えるよ。あと攻撃魔術?も使える」
「どんなのが使えるの?試しに見せてよ」
利き手を彩織の落す影に向け糸のような物引く。
「これ、影と影を結ぶ糸。影がないと使えない魔術」
「影の楔ね。現代の魔術師は対象の影にその都度触れないと使用出来ないけど、遥斗は認識し意識するだけで糸を繋ぐことができるだね」
時代背景や魔術師の減少により魔術が衰退していき今では、身体強化や物質強化、物体付与などの身体と密に接する術は存続したが、身体から外に向けて発現させる攻撃魔術や防御魔術などは衰退し使用できる人が殆どいない。
今では無詠唱、ましてや触媒なしで魔術を発動できる人間なんて数えるほどしかいない。
そう言った理由で、遥斗みたいな認識し意識するだけで魔術を使用できる人間は各国の魔術機関は喉から手が出るほど欲しい人材である。
「そう言えば彩織は何の問題も無く一回剣抜いていたよね?」
実を言うと遥斗は見栄を張った。自身では剣身一寸を見せるのがやっとで剣の全容を見るのは昨日が初めてだった。剣を鞘から抜こうとすると心臓を握られ身体中の血液が凍りつくような悪感で満たされる。
しかし彩織は何の問題もなく剣を鞘から抜き切ってみせた。
「うん、私は権限持ってるからね〜でも、誰もが抜けるわけじゃないよ遥斗は特別」
権限?特別?彩織は何を知っていて、何を隠している。
「特別って何?明らかにこの剣を使えない原因知ってるよね」
「知ってるよ、何なら今遥斗が聞きたい質問や疑問についてもある程度答えることができるよ。でも、話せないの。そ・れ・に少しぐらい秘密がある女性の方が魅力的でしょ♡」
本から目を放し、ばちこりとウィンクしてくる。
「それに何かを知りたい、そこにある何かを掴みたいならまずは挑戦しなきゃ何も起こらないでしょ。ということで、一回剣を完全に鞘から抜ききってみせてよ」
そう言われて左手に剣を呼び出す。聞きたい事は山程あるけど気が進まない。
初めて鞘から剣を抜こうとした時、自身に起きたことを思い出す。決していい思い出ではない、けれど。
何かを知りたい、そこにある何かを掴みたいならまずは挑戦しなきゃ何も起こらないか…確かにその通りだ。
僕は知りたい。僕自身を、この剣のこと。何より沙原彩織、僕の欲している答えを持っている彼女のことを。
鞘から一気に剣を引き抜く。
「ツッーーーーーーーッ」
それは、自分の目で自分の手で初めて人の死を認識し観測した朝。
それは、□□で□□□た視界□□にして□□に□□□□た昼。
それは、変わりゆく街並みに自分だけが過去に取り残されたと感じた夕。
それは、宇宙の広大無辺さを知り、人の一生の短さを知った夜。
十六年間考えなよう、心の奥深く仕舞い目を背け、引出しの中にしまっていた。
それが、恐怖が波という形を得て溢れ、自身を覆い尽くす勢いで迫り来る。
視界の隅から段々と闇が広がり始め、肺はひたすらに収縮のみを繰り返す。
次第に関節が硬くなり体の至る所から冷や汗が噴き出る。
あまりの気持ち悪さに胃の中身が溢れ出る。
涙と咳が止まらない。今すぐにでもこの剣を鞘に納めたい。けど、体が思うように動かない。
あぁ、これ前、何処かであったな、何だっけ、ああ、死だ。
恐怖という水に溺れゆく最中、水が覚えていた過去の一部を見せる。
あれは確か5歳くらいの頃、よく晴れた日だった気がする。
青かった空は次の瞬間深紅に染まり、気づいた時には体の至る所から熱くてぬめりけある液体がひたすらに流れ出ていたような気がする。
意識を失いかけた時、声が聞こえた。
『死にかけか…しかし後継者としては申し分ない。童よ救済を望んでおるか?』
なんて答えたかはわからない。ただわかることは。自分自身が生きていることが証拠として答えになっている。
あの声の主人が何なのかは判らない、きっと僕の奥深くに住まうアレと繋がりがあるのだろう。
ずっと目を背けてきた内に住まうモノ
自分では無い何か、しかし自分の一部。一度堕ちたら最後戻ることの出来ない深海。
『童よ汝の過去に、我に向き合う覚悟が出来たか?』
気づけば自身を沈める水は引き、寄せては引くだけの波が足を打ちつけている。
初めて目の前にいるモノと顔を合わせ答えを捻り出す。
「正直に言うよ。向き合う覚悟なんて出来てないし向き合いたくも考えたくもない」
声が震えていた。覚えているようで覚えていない過去の出来事。目の前のバケモノ。
アレは、僕の一部であり一部でないもの。これだけは分かるアレの持つ力は、これからの人生において彼女の後をついて行く為、僕の好奇心を満たすために必要な力なんだと。
「だけど、力が欲しい。彩織に何より僕自身の好奇心を満たす為に、この壊れた世界で生きて行く為に、僕に!オマエの力をよこせ‼︎」
高笑いと共に返事が返ってくる。
『御都合主義が過ぎる…だが、勢いは良し!ならば!余の力の一端、飼い慣らして自身のものにして見せよ!』
名を呼べとそう言っているような気がした。
「エストレリャ、アステール」
どうも。七月の亡霊(人類の癌)です。
今回は遥斗や世界の秘密に、ほんのちょっと触れる回となりました。
世界観の公開に渋っているのには理由があったりなかったりします。
伏線とも言えない伏線ですが考察してみてください。
今後のスケジュールは5月後半から9月後半までは本格的に書きます。
来週も一応更新します。月末になると思いますが、
次回「遥斗の吐いたゲロの行方は」読んでくれた人いいねください(切実)




