中編:そんなもんだよねって話
中編です。
特に何て事の無い話です。
トリル王国の学園にて、彼女は突如目覚めた。
テルミ男爵令嬢。
しがない男爵家に生を受けた彼女は、末端ながらも貴族として王国の学園へと入学した。
学園の門を潜った時、彼女の脳内にこれまで聞いたことが無い曲が流れる。
それはとある『乙女ゲーム』のOP曲。
その瞬間、彼女は前世の記憶に目覚めたのだ。
そして今いるこの世界が、前世の乙女ゲームの世界である事に気が付いたのだった。
「うっひょーーー!! マジマジ?! 私転生しちゃったの!?」
まさかのアニメラノベのような展開に思わず声を出すテルミ。
お陰で周りから白い目で見られる事になる。
周囲の目に気付いたテルミは『失礼しました!』と一礼し、人気の無い校舎裏へと退散した。
彼女は原作の乙女ゲーをやり込んでいたので、校内の配置図は全て頭に入っていたのだ。
「あービックリした! つーか、やらかしちゃったかな……私」
平民も居るが、主に貴族が通う学園で、貴族令嬢らしからぬ声を上げたのだ、それはちょっと不味い事であった。
彼女とて男爵令嬢として最低限の礼儀作法を学んでいたし、そもそも前世の記憶としてのマナーも弁えている。
そう、彼女はそれなりにこの世界の常識を持っているのだった。
案の定、テルミは周りの貴族子女から変わり者扱いされる事になった。
「やっちゃったなー……」
乙女ゲーも、変な選択肢を選び続ければバッドエンドになる。
ヒロインとは言え、迂闊な行動は取れない。
そして、先程まで男爵令嬢として生きて学んだ経験から、この世界での立ち回りも十分承知している。
「はぁ、ヒロインだからと言ってそれが通じるなんて甘い考えを持つのは止めた方が良いかもね……」
そういう事にした。
そもそも前世の創作物において、転生者のヒロインは大体負け組だと言う知識があった。
何が悲しくて、新しく生まれ変わった世界で不幸な結末を迎えなければならんのか。
絶対に嫌である。
「取り合えず、大人しく真面目に生きて行こう。学園生活さえクリアしちゃえば、あとはフツーの人生送れるでしょ!」
テルミは王妃だとか高位貴族の妻など望まない。
余計な責任などの重しが付くのが関の山だからだ。
男爵と言う時点でも、領民の面倒を見なければならないのだ、それ以上の、まして国など無理無理である。
「身の程を弁えて生きるのが、世の中の処世術って奴よねー」
だが、彼女は気付かなかった。
結局の所、彼女はヒロインである事から逃れられない事に。
ある日、テルミはフューリーと邂逅する羽目になった。
なるべく攻略対象に会う事を避けていたのだが、遂にこの日、エンカウントしてしまった。
基本的に原作では出会いフラグを避ければルートに乗る事は無いのだが、そこはやはり現実である。
何もかもがゲームと同じ訳では無い。
早々に攻略を諦めて、真っ当に生きようと判断したテルミは慧眼であったと言えよう。
だが、運命とは本人の意志とは無関係に襲ってくるものである。
事の起こりは、クラスメイトとのコミュニケーションに力を入れ、色々な情報を仕入れ、何とかそこそこな関係を築けるようになった時だった。
校内に怒声が響く。
何事かと確認したのが運の尽き。
そこには攻略対象その1が居た。
それが癇癪を起していた。
「貴様! 王太子たるこの私に対しての不敬、覚悟は出来ているのか!」
何があったかは知らんが大したキレっぷりである。
テルミは近くにいた生徒に事情を聞いた。
近くの生徒によると、王太子に怒鳴られている生徒が、廊下で王太子と擦れ違った時にちゃんとした会釈をしていなかったとの事だ。
軽く頭を下げるくらいはしたそうだが、そもそもの話、学園内では身分に関して厳格なルールは敷かれていない。
勿論、暗黙の了解や礼儀というものは存在するが。
王太子はもっと深々と頭を下げ、王族に対して礼を尽くせと言うが……。
馬鹿じゃないか? というのがテルミの率直な意見であった。
つーか、王太子って俺様キャラではあったけど、あんなに騒ぐ奴だったか? と疑問を抱いた。
テルミが仕入れた情報だと、大分ヤンチャしているとあったが、随分とフィルターを掛けられていたようだ。
そう思いながら王太子の顔をマジマジと見てしまったのが悪かった。
不意に王太子と目が合った。
「何だ貴様は! 不敬であるぞ!!」
何時もなら適当に騒いだ後、側近達に促されその場を離れるはずだったが、そこでテルミと目が合ってしまった。
やっちまったなーと、内心思いながらも、テルミは腹を括った。
「恐れながら王太子殿下様。何故あの方が殿下に、あれ程のお叱りを受けていたのか理解出来ませんでしたので、つい考え事をしておりました」
開き直って思った事を素直に言ってみた。
「奴は王族たる私に対して不敬を働いたからだ!」
「え? ちゃんと会釈してたそうですよ。礼を失した様には思えないのですが……」
「だからもっと頭を下げろと言っているのだ!」
「すみません。意味が分からないです。式典とかならまだしも、通常の学園生活でそこまでする必要性はありますか? 此処は形式上は身分差は問わない事を旨とした学園ですよ?」
「払うべき敬意と言う物があるだろうが!」
「会釈した時点で敬意は払ってると思われますが。廊下で擦れ違う度にガッツリと礼をするって時間の無駄ではありませんか? そもそもこういったやり取りこそ不毛ですね」
「きっ貴様!」
「そろそろ次の授業の時間ですわ。王太子様ともあろう方が、時間に遅れては他の者に示しがつかないでしょう? お話があるのでしたら、時間を作ってそこで話し合いましょう」
王太子は側近に促され、渋々その場を去った。
テルミはと言うと……その場にいた者達から距離を置かれた。
あれ? 普通はこういう時って皆でわっと集まって、労いなり感嘆の言葉を掛ける場面じゃないの?
助けに入った生徒すら、逃げる様にこの場を去った。
テルミは孤立した。
「……この学園ってクソじゃね?」
薄々思っていた事だったが、つい口に出してしまった。
それからテルミの行為はあっと言う間に学園中に広まり、授業中も居心地の悪い気分にさせられた。
そして、学園の授業が終わった所で、問題児の御登場である。
「これはこれは殿下、先程のお話の続きで宜しいですか?」
慇懃に礼をし、目の前の王太子殿下……問題児を迎える。
「そうだ! たかが男爵令嬢如きがこの私に意見したのだ。その身の程を分からせてやろうと来てやったのだ!」
態々そんな事の為に来るとは、ご苦労様ですとテルミは思った。
「はぁ。分かりました。お付き合いいたしますわ」
そう言ってテルミは王太子の後に続く。
クラスメイトからは誰も助けは入らなかった。
学園内の一室でテルミは王太子とサシで対面していた。
一応、側近や側仕えも控えている。
「ふん、では先程の話の続きだ。貴様はたかが男爵令嬢の癖にこの私に……」
先程聞いた様なセリフから始まる、王太子の御高説。
要は俺様にもっと敬意を払ってチョーダイという実に下らない話であった。
だが、テルミは真面目に聞いた。
目の前の人物が偉い人だと言う事もあったが、色々と気になった事があるからだ。
王太子、フューリーは原作乙女ゲーでは、俺様キャラである。
王子らしい端正な顔立ちで、パッケージのセンターを飾るメインキャラである。
本来の原作では、高い能力と家柄に自信を持ちつつも、敷かれたレールを歩むしかない人生に悩むナイーブな一面を持ったキャラである。
その後ヒロインとの交流を経て、精神的に成長した王になるのだが、目の前の男は全く違った。
一言で言うなら小物。
原作に出て来た悪役令嬢みたいな性格であった。
そしてその悪役令嬢だが、淑女の中の淑女と謳われており、他国へと留学しているとか。
全然乙女ゲーと違っている。
もしかしなくてもこの世界は、乙女ゲーの皮を被った悪役令嬢が主役の世界らしい。
漸く確信した。
自分はこの王子と浮気して、最後に悪役令嬢にざまぁされるかませヒロインなんだと。
マジでふざけるなと思った。
何が楽しくて転生したのにそんな悲惨なポジションに納まらなければならないんだと。
そんな業を背負わされるような罪を自分は前世で犯していたか?
そんな訳ない。
前世も真面目に生きて、それで苦労した挙句に人生これからって所で亡くなったんだ。
それが今世でもかませ犬として悲惨な末路を辿れと?
冗談ではない。
テルミは決意した。
このふざけた世界が用意したシナリオに全力で抗ってやると。
差し当たり、目の前の王太子への対応だが……。
ここで適当に謝り、関係を完全に絶つべきか、それとも……。
思えばこの王子も可哀相な存在であるのかもしれない。
本来の乙女ゲーであれば、メインヒーローとして確固たる地位を築いているのだから。
どのルートでも悪役令嬢はざまぁされ、フューリーは王として即位する。
別にヒロインと結ばれなくても王に成れるし、それなりに良いポジションで終われるのだ。
だが、この世界で彼を待つ運命は間違いなくろくでも無いだろう。
幽閉か、処刑か国外追放か……まあ悲惨な結果で終わるだろう。
今の彼を見る限り、そうなるのは自業自得だが、そうなるようになった事に対して、果たしてそれは彼だけの責任なのだろうか?
悪役令嬢と、恐らくその隣にいるスパダリなヒーローを持ち上げる為に、そうなる様に歪められたのではないか?
シナリオ補正的なナニカによって。
そう考えると、このまま見捨てるのは忍びない。
もし、まだ更生の余地があるのなら出来る事が有るのではないか?
どうしようもないクズであったら見捨てようとテルミは思い、王太子に向き合う。
「お話は良く分かりましたわ、殿下。それで一つ質問が有るのですが宜しいでしょうか?」
言いたい事を言い、多少溜飲が下がった王太子は鷹揚に頷いた。
「では、お聞きします。先程殿下がおっしゃった言葉は、本当に殿下の本心からの言葉ですか? それが御望みなのですか?」
真っ直ぐ目を見てそう質問するテルミに、王太子はたじろいだ。
「あ、当たり前だろう! 王太子である私を敬う事は、国民の果たすべき義務なのだ!」
「うーん、そこなんですけど、それが分からないんですよね」
「何故だ!?」
「何と言いましょうか……話を聞いた感じ、殿下は王太子という地位にある自分では無く、もっとこう、一人の人間としての自分を見て欲しいように感じまして」
「なっ……?!」
話の内容自体は下らないのだが、何かが引っ掛かっていた。
どこか必死さというか、別の何かを訴えかけている様な違和感。
原作では自信家ながらも、王太子でも何者でもない自分にはどれほどの価値があるのかと、悩む様なナイーブさを持ったキャラだ。
大分小物化しているとは言え、根本的にある物は同じかもしれない。
この世界の王太子は優秀な婚約者と第二王子に常に比較されて来た。
因みに、第二王子は原作では設定だけでの存在だった。
そんな王太子が立太子出来たのは単に長子であり、公爵家の令嬢との政略的な繋がりがあるお陰だと。
王太子の出来がイマイチでも、優秀な婚約者が居れば問題無いと。
悪役令嬢が主役における作品では、大体婚約者の王太子はそういう設定だ。
恐らく、目の前の男は婚約を結んだ時からそういう風に周りに思われていたかもしれない。
そして、王太子たる彼がそれを知らないとは思えない。
常にそんな事を言われれば、そりゃあ歪む。
これまでの癇癪なり横暴な態度は、当てつけのような物で、本当は自分を認めてもらいたいのではないか?
お飾りの王太子では無く、一人の人間としてのフューリー・トリルを見て貰いたいのではないか?
そんな疑問が湧きあがった。
「殿下も御自分が世間からどのように噂されているか、気付いているのでしょう? 馬鹿にされているのが嫌だから、ああやって虚勢を張っているのですね」
「あ……な……」
普段なら激高する所だが、何故か王太子にはそれが出来なかった。
テルミが嘲るでもなく、真剣に真っ直ぐに彼の目を見て話しているからだろうか。
「でもね、殿下。それは悪手ですよ。無理矢理権力で抑えつけようとしても人は付いて行きません。寧ろ頭を無理矢理下げさせたとしても、見えない所で舌を出されるのが関の山ですよ?」
前世で自分も偉そうな先輩や先生方に頭を下げさせられた時、良くやっていたものだ。
「殿下が何に悩み、苦しんでいるかは私には理解出来ないでしょう。でも、変に肩肘を張らずに、気楽にやっていく事も大事だと思います」
「わ……私は王族だ。王太子だ。そんな気楽にやって行けるなど……」
「いやでも、王族としての権力を振りかざしているよりはマシでしょう?」
テルミの素のツッコミに王太子は雷を受けた様な衝撃が走る。
全く以てその通りだったからだ。
そしてこれまで誰も指摘しなかった極当たり前の正論。
貴族社会では権力者が自分よりも下の者に対して、権力を振るうのは別に珍しくもなんともない。
王太子の癇癪も、何時もの事、普通の事と適当に流された。
誰も道理を説く事は無かった。
何せ王子なのだから。
「た……確かにその通りだ。周りに当たり散らした所で状況が好転する訳でも無い。なのに私は何でそんな不毛な事を……」
普通の事を指摘したら何やら凄く悩みだした。
大丈夫? この国。
「あー、まー、その、殿下より上は国の最高権力者の王様しかいませんから、指摘する人はいなかったんでしょうね」
そう言うテルミだが、やっぱこんな価値観を持つ国ってクソじゃね? と思った。
「そうかもしれんが……それでも気に喰わない事が有れば権力を振りかざして喚くなど、阿呆の極みだ。そんな者に敬意など抱こうハズも無い。私はこれまで、ずっとそうだったのか……」
ガチ凹みしている王太子。
ちゃんと我が身を顧みる事は出来るんだなと、テルミは思った。
これなら矯正も可能なのかもしれない。
「自分のしてきた事を、ちゃんと理解出来ただけでも良しとしましょう。大事なのは此処からどう挽回するかです」
「……今更取り繕った所でどうにかなるものなのか?」
「マイナスを0に戻すだけでも価値は有りますよ」
「ハハ……地に落ちた処か、谷底にまで沈んでいたか」
「その分上がり幅は大きいですよ?」
Let's、ポジティブシンキングである。
「面白い事を言ってくれるな」
テルミの返しが良い感じに嵌ったのか、王太子から笑みが零れる。
当初は上から目線で男爵家の小娘に王族の何たるかを教えてやろうと意気込んでいた王太子だが、何時の間にかやり込められていた。
だが、そこに不快感は無かった。
テルミが真剣に王太子の話を聞いていたからだろうか?
思えばこれまで、王太子と向き合って話をした人物はいただろうかと思った。
国王夫妻である父や母は余り自分に関わってはいなかった。
これは弟の第二王子にも言えた事ではあるが。
彼等はこの国の王なのだから、国の運営に掛かりっきりだった。
専ら彼の周りに居たのは世話係と教育係である。
将来の伴侶たるアマンダ公爵令嬢や側近達とは主従としての関係を築けども、対等の友人としての付き合いは皆無だった。
テルミはあれ以降、フューリーと度々交流を持つことになった。
あの一件以来、フューリーの癇癪は鳴りを潜めるようになる。
自分が客観的にどんな風に見られているかを、理解したが故である。
とは言え、人格全てが一瞬で変わる訳でも無く、やはりイライラは募ってくる。
そういう時、フューリーはテルミと交流し、愚痴を吐いたりしている。
テルミもテルミで思う所はあるので、その愚痴に付き合いつつ、自分も愚痴を吐いていた。
「あーもう、やってられないですわ!」
今日はテルミが荒れていた。
以前にフューリーとやり合って以降、学園の生徒からは王太子に立てついて目を付けられた危険人物として、腫れ物を扱う様にされている。
異世界転生したらボッチになってたのだ。
何とか交流を図ろうとしても皆、逃げて行く。
流石にそんな日が続けばイラッと来るものなのだ。
「ああ、うんそうだな。大変だな」
荒れるテルミにフューリーもタジタジである。
今のテルミは正に嘗ての自分の姿そのものに近い。
他者の在り様を見て、改めて嘗ての自分の在り様を理解する。
居た堪れない気持ちになった。
「誰が切っ掛けでそうなったか、分かった上でその態度ですかあ?」
ジト目でフューリーを睨むテルミ。
テルミのボッチ化の原因は、フューリー絡みなので二の句が継げない。
「誠にすまなかった」
王太子、頭を下げる。
その光景に待機していた側仕え達は卒倒しそうになる。
身分を問わない学園内での出来事とは言え、男爵令嬢に王太子が頭を下げるのだ。
彼等の価値観からすると、とんでもない事件である。
「はあ……そう素直に頭を下げられたら、こちらも言う事は無いですね。全く、殿下も随分と丸くなったものですよ」
「私としては君がそこまで尖った存在だとは思わなかったよ……」
テルミは見た目だけなら背が小さく、可愛い系の庇護欲をそそる令嬢である。
中身は前世分を加齢するとアラフォーだが。
一応、肉体年齢に引っ張られて精神も若返っているが、それでも前世の経験は残っている。
年相応の少女であるが、同時に2つの人生を生きた、ある種の老獪さをテルミは持っていたのである。
「ところでどうですか? 勉強の方は捗っていますか?」
「ああ。我ながら驚くほどの成果を上げているよ。それでもまだ及ばないが、な」
「そこはまぁ、しょうがないでしょう。どれ程効率的に時間を使って勉強をした所で、天才には勝てないもんですから」
「全くだな。私も漸く素直に受け止められるようになったよ」
テルミは前世の記憶から、効率的な勉強法をフューリーに伝えた。
この世界の勉強は兎に角、知識を詰め込む作業だった。
時間を掛けてギチギチに詰めるのだが、効率は余り良く無い。
無駄に詰め込んだり、あれもこれもとやる『ながら勉強』の為、知識の定着がしにくいのだった。
第二王子や悪役令嬢は、頭の出来が違うらしく、そこら辺はスムーズに習得出来るそうだが、我々凡人はそうはいかない。
故に前世で学んだ効率的な勉強法を実践したのである。
これのお陰でフューリーの成績は飛躍的に上がった。
流石にトップ層に食い込む事は出来なかったが、順位を大幅に上げる事に成功した。
この事と性格的にも落ち着いてきた事もあり、フューリーの評価は上がった。
尤もフューリー本人はそれに執着しなくなったが。
効率的な勉強法で成績を上げても、この程度なのだと理解したからだ。
努力を止めるつもりは無いが、それでも自身の分と言う物を弁えるようになった。
因みにテルミも、トップ層には届かなかった。
成績優秀者であるのは間違いないが、転生者としてのチートは前世の記憶位だった。
「まぁ君には感謝している。これまでは日々の勉強に悪戦苦闘していたが、今は時間的にも精神的にも余裕が持てるようになった」
「こうしてまったり出来る位の余裕はあるという事ですね」
「そう言う事だ」
それからは取り留めのない会話を楽しんだ。
ありがとうございました。
評価を頂けると嬉しいです。
また、感想や誤字脱字報告もして頂けると嬉しいです。