ドレミファソラシ
「待て優子、色々と聴きたいことがある。」
「質問は手を挙げて言いなさい!!!!」
「いや、どういうノリだよ...じゃあはい」
私は学校の授業の時みたいに手を上げた。
「はい!あおさん!へへへっ、なんだか先生になったみたいだなぁ。」
優子は嬉しそうだ。
「まず、ドレミファソラシだけで作るって言ってたけど、それ以外に音ってあるのか?」
「あるよーーーー当たり前じゃんーーーー!ないと鍵盤の黒鍵の意味がないよ!」
「あぁ、確かに。」
「ドレミファソラシは鍵盤の白鍵をドから順番に弾いた時の音階で、これをcメジャースケールと言います。ちなみにcっていうのはドの別の言い方ね。そしてドとレの間にある黒鍵はド♯になり、ドの半音高い音になります。これが五音あるので、合計十二音あることになるかな。」
「まてまて、ドレミファソラシで七音あるなら半音高い音も七音あるんじゃないのか?」
「ふっふっふっ、実はミの半音高い音とシの半音高い音は存在しないのだよ、ほら、キーボードにもミの横とシの横に黒鍵がないでしょ?」
「あ、ほんとだ、でもなんでなんだろう。」
「さぁ、そういうものなんじゃない?」
「あ、そこは適当なんだ。」
「まぁそれはともかく、作ってみようーーーーー!!!」
いきなりゴリ押してきた。
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「じゃあまず、左手でドミソミって弾いてみて。」
「うん分かった。」
「小指がド、中指がミ、親指がソね。ドがどこにあるかわかる?」
「一応わかるけど。」
「後でわかりやすくするためにシール貼ってあげるよ。」
「ありがとう、じゃあやってみるね。」
私は言われた通り、ドーミーソーミーと弾いてみた。
「ありがと。じゃあこれをループさせて。」
優子がそう言いながらキーボードを操作すると、今私が弾いたドミソミがループし始めた。
「じゃああお。好きに弾いてみるといいよ。」
「はい?」
「あ、もちろん使っていいのは白鍵だけね、自由に弾いてみ?」
「いや、いきなりそんなこと言われても。」
「もう、しょうがないな。じゃあ私が見本見せてあげるからよくみておくんだよ。」
優子はそう言って鍵盤を弾き出した。
「うわ、曲になった。」
「すごいでしょー、でもこれって何も難しいことしてないんだよ?」
「いやいや、そんなわけないでしょ。」
「簡単なんだって。」
「そもそも私音感もないしどこの音が正しいのかわかんないよ。」
「うーん、じゃあドとミとソだけ使ってみたら?」
「うーん...」
「最初は適当でいいから、一回やってみよ。」
「わかったよ。」
私は優子に言われるままに、なるべくドミソミのループに合うようにドミソで音楽を奏でた。