一緒にやりたいこと
「優子!サプライズプレセントだよ!!」
「プレゼント?」
「そう!これ!」
優子はそう言って大きなバックをそっと床に置いた。
「大きいな、なんだこれ」
「ふっふっふっ...それは開けてみてからのお楽しみ。」
「はぁ、じゃあ開けるの手伝ってくれ。」
「うん、分かった。」
私は、バックのチャックに手をかけた。すると優子が手を添えてくれる。
「せーの。」
そして、一緒にバックを開けた。
「私このプレゼントの開き方好き。」
「いや、本当は一人で開けられるようになりたいんだが...」
「私が男の子と会った時もいつも気にかけてくれてるでしょ?だからおあいこだよ。」
「そんなことないだろ?」
「だから気にしないで大丈夫だよ。」
私が優子からプレゼントをもらった時、いつも一緒に開けている。
それは私の前世のトラウマで一人でプレゼントを開けるのが怖くなったからで、一年の時に初めて優子から誕生日プレゼントをもらった時からいつも一緒に開けていた。
「そんなことより、見てよこれ!」
「これは...キーボード?」
「ギターキーボード!あお!一緒に音楽やろう!」
優子は笑顔でそう言った。
「音楽?でも私優子みたいにピアノ弾けないし、歌だって上手くないぞ?」
「だからこれから一緒にはじめてみよう?私ならある程度教えてあげられるし。」
「そうか...」
「だめかな?」
正直悩んだ、だって前世でも音楽にほとんど触れてこなかったし、何より優子と一緒に演奏したりするところが全然想像できなかったのだ。
「うーん、なんていうか、よくわかんないっていうか、そもそも優子と演奏なんてできるのか?」
「あ、一緒に演奏したりするわけじゃないよ?」
「あれ?違うのか?」
「私はあおと一緒に曲を作りたいの。」
ますます想像できなくなった。
「曲を作りたいって、そんな気楽にできるものなのか?」
「うーん、作るだけなら割とできると思うよ?」
「それは優子がずっとピアノを続けてきたから言えることなんじゃないのか?」
「そんなことないよ?そうだなぁ...じゃあ試しにこのギターキーボードを使ってちょっとやってみようか?」
「な、何を?」
「簡単な作曲的な?」
優子はそう言って、カバンからキーボードを取り出した。
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「まずね?曲を作るのっていろんな知識がないとダメとか言われがちだけど、曲を作るだけなら誰でもできちゃうんだよ?」
「誰でもって、楽器ができなくでもか?」
「そうそう、たとえば手を叩きながら適当に鼻歌を歌うだけでもそれはもう作曲をしているのと変わりないのだよ。」
「いや、それは流石に違うんじゃないのか?」
「そんなことないよ。音楽って思ったよりも自由なんだよ。」
優子が笑顔で言った。
「それでね、今から私がやるのはcメジャースケールを使った簡単な作曲だよ。」
「知識がなくていいって言ったのに、いきなり専門用語が出てきたぞ。」
「ふっふっふっ、では簡単な言い方に変えてしんぜよう。」
優子がこほんとわざとらしく咳払いをし、こう言った。
「ドレミファソラシの七音だけを使って作曲してみよう!!!」
優子はドヤ顔をしていたが、私はよく分かっていなかった。