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Report1 TS薬はありました

TSってなんかいいんだよね

 とあるカフェ内。






 見知った顔を見つけて僕はその正面の席に座った。

 すると、彼女は僕を見て静かに笑った。


「笑わないでよ」

「ごめん。……ふっ」

「笑うな!」

「いや、あんたがフラれたって聞いたからつい」


 そうです。

 先日同じ大学の同期の南野レネにフラれました。大学時代から付き合ってもう五年目。それは可愛い彼女だけど浮気の様子は全くなかったし、互いに仕事にも慣れた頃で万全のはずだったのに……。


「カミエはレネがなんで僕をフったのか聞いてくれた?」

「それはもちろん。ヨウカと違って、レネとは高校からの仲ですから。あの子はそこそこモテてたからなんであんたと付き合い始めたのかと思ったけど、理由を聞いて納得したよ」


 理由?

 五年付き合って僕のダメな部分でも目についた?


「あんた、レネの実験について知ってる?」

「レネの勤め先は彼女の親の製薬会社って聞いてるよ。実験内容は特には。何の話?」

「それはね――――」






 レネはカミエを通じて僕に婚約までする条件を出してきた。

 条件は――――


 ――――新薬の被検体になること。



 ・・・・・



 身体が重い。

 長い眠りから醒めた時のような倦怠感が全身を覆っていて、身体が自分のものじゃないみたいだ。


「起きた? おーい、意識ある?」


 レネの声だ!

 そうだ、僕は彼女が開発に携わった新薬の被検体になって長い間眠っていたんだろう。新薬について何も情報がないから、自分の身に何が起きているのかも分からない。


「起こすよ」


 レネの声で体が起き上がる。

 すると、顔の横から髪が垂れてきた。僕は生まれてこの方サッパリした髪型で生きてきたから、なんとなく不快で仕方がない。

 髪が伸びるほど長く眠っていたのかな?


 レネが姿見を持ってきて僕の姿を映して見せた。

 ……。





 誰だこの女の子!?

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