キャラ作成タイム!
俺は寝湖田 雷斗という。しがない中学2年生であり、これから『ライライ』のトッププレイヤーとなる男だ。多分。
両親は2人とも仕事でしばらく海外に出張している。つまり、今日から始まる夏休みは好きに遊べるってことだ。
そこで、俺は夏休みに入ると同時に漸くリリースされた、《NEW LIFE ONLINE》をやり込もう。と一念発起した。
[ダウンロードが完了しました]
ヘッドギアから電子的な通知音が鳴り、ダウンロードが完了した旨を教えてくれる。となれば、もうやる事は決まっているだろう?
ヘッドギアを装着。そして大きな声で!
「 DIVE IN 」
[認証データを確認しています…]
[認証データが一致しました]
[サーバデータを確認しています…]
[完了しました]
[構築データをDLしています]
[DLが完了しました]
[ WELCOM TO NEW LIFE ONLINE ]
シャラララ……という電子音とともに、体が浮遊する感覚に包まれる。
気づけば視界は虹色の光の奔流に覆われていた。
そして5秒ほどその光の流れに沿って泳いでいると、再度視界が切り替わり―――
◇◆◇
「ようこそいらっしゃいました。『ライライ』の世界でチュートリアル担当の、高知能AIである私ルリと」
「キミには今から各種設定をしてもらうよっ。わたしはリリです!」
何も存在しない真っ白な部屋。そこに2人の姉妹らしき天使がいた。どうやら、この2人が今回僕のチュートリアル担当らしい。
「まずはお名前を決めて頂きます」
「えっとね、他の人が嫌な気持ちになるのはダメだよ!」
「なるほど……じゃあライトで」
ここは本名で問題ないだろう。元々がいかにもな名前だ。
「じゃあ次ね。種族を選ぼう!」
「説明が必要でしたらお申し付けください」
「猫人族で」
「りょうか〜い♪じゃあ次は…………
◆◇◆
「ねえ、本当にこれでいいの? 後で後悔しない?」
「私としても慎重に検討すべきかと」
「良いって言ってるでしょ。ほら早く」
俺は早くゲームが始めたいだけなのに、さっきからやたらとルリとリリが止めてくる。何故だか全く理解出来ない。
「攻撃力2分の1されてるのに攻撃力に全振りって本気!? まあキミがそれがいいって言うなら止めないけど……」
「不承ながら了解致しました。ですが私どももこれでは少し不安です。よって、これを授けましょう」
〈スキル [天使の加護]を入手しました〉
……心なしか2人共俺を可哀想なものを見る目で見ている気がする。失敬な。
まあいいや。完成した僕のステータスがこれだ!
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種族:猫人族 職業:猫戦士
ランク:1
レベル:1
HP:25/25
MP:20/20
攻撃力:30
防御力:20
魔攻:15
魔防:10
俊敏:100[固定]
パッシブスキル:[天使の加護]
アクティブスキル:[バーサク][爪撃lv1]
―――――――――――――――――
振れる分のポイント20を、全て攻撃力に振った。元々基礎ポイントとして20あったので、20+20÷2で合計30だ。そして、他の能力値は基礎ポイントそのまま。
こう見ると、そんなに悪くないステータスな気もする。多分ルリとリリは、不利なステ振りをする奴らに忠告してくれるお助けキャラ的な存在なんだろう。
そして、僕の姿はというと、全身黒い毛がわっさわっさしている。言い方がこれ以外に思いつかなかった。
毛はサラサラというわけではないが、質が悪いわけではないようで、艶々とした黒毛が生えていた。
〈スキル概要〉
[天使の加護]:守護天使ルリ、リリが先行き不安な相手に贈る。隠しパラメータ『成*性』が上がる。
[バーサク]:攻撃力が2.0倍、敏捷が1.5倍になる。効果時間1分、クールタイム30分。
[爪撃lv1]:鋭い爪で引っ掻く。攻撃力の1.2倍のダメージを与える。
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〈パッシブスキルとアクティブスキルについて〉
パッシブスキル:常に効果が発揮されるスキル。耐
性系や能力値アップなど。
例:毒耐性 錬金成功率UP
アクティブスキル:能動的に使うスキル。攻撃技や呪文、錬金などが分類されている。
例:2連突き ファイアボール