表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/28

家を造ろう 5

寝室は、部屋の中央に向かって濃い藍色から青のグラデーションがかかった絨毯が敷かれ、中心には二重のピンクゴールドの蔓模様、真ん中に白い薔薇が青とのグラデーションで美しく描かれていた。


奥には、白い薔薇模様のレースと、アッシュピンクの天鵞絨(ビロード)の二重の天蓋がかかった大きな寝台に、シルクの白いシーツと淡い藤色の小花柄の羽毛布団が、ふんわりとベッドメイクされている。


腰壁は屋根と同じボルドーカラーで、壁紙は薔薇と蔓が型押しされたオフホワイトの布目調。もちろん寝室にもテラスへと通じる大きな窓があって、天蓋と同じカーテンが二重にかかっていた。


とりあえず寝室はそれだけ確認して、三枚ある扉の真ん中を開けると廊下に出る。トイレの隣の扉を開けて、ナチュラルウッド風のまだ何もない部屋をちら見してから、キッチンにもどり少し残っていたお茶を飲んだ。


食洗機と思われる引き出しを開けて、お茶っ葉がそのままの急須と蓋、マグカップを入れて閉める。ここにも洗剤不要のマークはあったけれど、引き出しを閉めたら自動でロックがかかったようで、ボタンを押す必要はなかった。引き出しの左上の飾りボタンが赤くなってからすぐに青くなる。終わったのかなと思い、引き出しを引くと急須とマグカップがない。


キャビネットを見ると、さっき使った急須がもどっていて、蓋を開けるとお茶っ葉はどこにもないし、きれいに洗われ乾いていた。マグカップも同様で、何をどうやったのかはわからないけれど、後片付けのほとんどを食洗機がしてくれた。何ということでしょう。


ということは、洗濯も同じ感じってこと?ほんと、何ということでしょう。


まだ、それほどお腹は空いていなかったけれど、とりあえずお米を研いで、お仕掛けの準備をと思った。炊飯器から内釜を出したら一合カップが入っていたので、お米を半合くらい軽く研いで大雑把に水を払う。いつも少し置いてから水を入れていたので、その間にちょっとトイレを見にいこう。


扉を開くと、床から腰壁までが淡いサーモンピンクと白の大理石、蔓と薔薇が型押しされたオフホワイトの壁、ランドリールームよりはコンパクトなサーモンピンクの洗面台、床の大理石と同じ大理石調の作り付けのキャビネット、その隣にサーモンピンクの便器が設置され、更にその隣の壁には大きめの出窓が張り出していた。


何だか超いい感じ。


もちろん暖房・温水洗浄機付き便座でトイレ内の音や匂いが外に漏れないように、防音・消臭機能もしっかりとついているはず。


あまりに広いと落ちつけないので、狭くはないけれどコンパクトないつまでも籠っていられそうな空間に、本か携帯があったらなぁとしみじみと思う。


ここまで見てきた感じは、家の外観と中の広さが何となく全然合わないし、最初に想像した家のイメージとも多少異なっているような気がする。


そこは魔法で広さを付与したり、実際に見てちょっと好みと違うと無意識に修正しているのかな?などと想像して、☆三つ。


因みに、家の中の扉は玄関扉と同じ装飾の白い扉で、中心には白薔薇が描かれている。


お部屋毎に陰影をつけている色が、トイレはアイスブルー、ランドリールームは青緑、寝室は紫水晶、LDKはアッシュピンク、まだ空いているお部屋は金、とそれぞれ異なっていて、それも☆三つ。


廊下に出て、ロフトへ上がる階段が最初に予定していた玄関ホール周辺にはない。内心必要ないかも、と思っていたのが反映されたのかなと想像しながら、キッチンにもどってもやっぱりまだお腹は空かない。


お米に適当にお水をいれて、少し浸水しておけばよいかと、炊飯器のタイマー予約の試運転だ。


ボタンを押したら炊飯始まっちゃうの?と思っていると、ボタンの回りの時計のような目盛りに気がついた。ボタンの方にも目盛りを指すような突起があったので、ボタンを回して三時半くらいに目盛りを合わせてから、ボタンを押すと白いボタンが黄色くなる。


炊飯の予約も簡単にできたみたいで、何となく満足を感じながら、寝室側の壁際にある蹴込み板のない階段に目を向けた。


ロフトを見たら家の中の点検は一応終わると思ったら、どっと疲れが押し寄せてきたけれど、後ちょっとだけがんばれ。


ロフトをちょっとだけ見たら、あの居心地の良さそうな大きめソファで、珈琲飲みながらぐだぐだまったりしようと思ったら、力が思いっきり抜けた。


安心したのかな?と思いながら、階段を上ると想像していたナチュラルウッド風ではなく、畳敷きの和テイストの小空間(ロフト)が広がる。


まだテーブルも何もない空間に思わず寝転ぶと、手すりが見えて。新しい畳の香りに急に眠気に誘われ、ここにもお布団欲しいなぁと思いながら、あっという間に寝てしまった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ