道の先
果てしない夜の底
救急車のサイレンが聞こえて
なにか 胸が締め付けられている
鬱然とした冬が
やがて明けていくころ
再生する春が
なにかはじまりを告げても
忘れられない痛みがあって
ただ 孤独であるよ
寂しいよとか思いながら
古い夢をふりかえっていた
意識的に透けた
清廉な日々の退屈
死んでいくわたしの
美しそうな生命の連鎖だ
張り詰めた夜はいまも長くてね
生活は混沌に呑み込まれ
いつの日か哀しみだけ分離される
張り詰めた夜はいまも長く
再生は遠い
浮き出た哀しみに蝕まれる
鮮やかな生命の輝き