表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

9/32

【番外編2】「大っ嫌い……だったお姉ちゃん」その1

【番外編】「お姉ちゃんなんて、大っ嫌い…」の続きとなります。


第1部終了前に、色々整理しつつまとめている最中。

【番外編2】「大っ嫌い……だったお姉ちゃん」その1


<姉を探して>


今、私は”神職”の要”審判の間”の施設の前に来ている。

現世と異世界の間にある世界、詳しい事は興味がなかったので調べていない。


学校のカリキュラムで”審判の間”のある施設内部を見学する事がある。

この世界では”審判の間”を支える”施設管理部”で働く事はステータスになっている。


この世界は、現世に良く似ているが実際には違う。

”神職”になる、いわば神様がこの世界を設定できるのである。


この世界から管理している異世界へと転生を望む者もおり、

私も異世界を疑似体験するカリキュラムで見たことはあるが、

そちらは俗に言う、ファンタジーの世界だった。


私は現世では古臭いとされている、こっちの【昭和】の方が好きだ。

剣や魔法なんて柄じゃないしね、いずれ、”この世界に生まれ変わる”か、

”異世界へ転生をする”かの選択があるらしいのでその時に考えるつもりだ。


そして、今回はそんなことよりも大切な用事で私はここにいる。

クラスメイトは、滅多に入れない施設を前にテンションマックスだが私は違う。

小学校に上がると同時に、私を捨てたお姉ちゃんに会うためだ。


お姉ちゃんがここで働いていることを付きとめ、

パパに、お姉ちゃんに会うための”鍵”を預かった。

この金色の鍵をどこで使うかは分からないが、

今はチェーンをつけてネックレス状態で胸の中に隠している。


「もうすぐ、会える……もうすぐ……」


逸る気持ちを抑え、施設内に誘導される列に並ぶ。


「ねぇねぇ、リアぁ!私、将来何処に配属されるのかな?

施設内の事務系?それとも管理部かなぁ、まさか”神職”になっちゃったりしてぇ!」


クラスメートのサリアだ、うざい位にテンションが高い。


「気が早いよ、第一に適性がなきゃ施設内勤務だって難しいでしょ?」


「ああ、リアは夢がないなぁ~、夢はでっかく持ってもいいじゃない?」


「あー、さよけ、なれるといーね神様に」


「そうそう、リアは神様になれたら何したい?どうしたい?

私は、現世と同じ、最先端のお洒落でハイテクな世界に変えてー!それからそれから、

税金上げまくって、カジノを作って荒稼ぎして大金持ちになるわ~!」


「完全な、独裁者じゃない……クーデター起こされて殺されるのが目に浮かぶわ」


「ひど!じゃぁ、リアだったらどうなのさ!」


「私?私はこのままがいいな、ネオンや照明で煌びやかなのよりここの夕焼けの方が好きだから」


幼き日の、お姉ちゃんに手を引かれて、家に帰るときに見た夕焼けを思い出す。

二人の影が重なって、一つになった時に大はしゃぎしたっけ……。


「リアってば、お婆さん臭いよ!古いよ!だからバージンなんだよ!」


「ばっ!そんなの関係ないでしょ?」


とんでもないことを言いやがります、この女。


「ふふん、やはりか、あんだけ交際申し込まれて、未だに誰とも付き合わないとは。

ひょっとして百合?リアならいつでもお嫁さんに貰ってあげるよ?」


「いっぺん、死んで来い!」


”ゴチーン!”


「あだ!もぉ、ぶつことないじゃんー」


『あー施設内でははしゃがない様、静かにお願いしまーす!』


「「すみませぇん……」」


誘導員の人にメガホンで注意された。


「まったくサリアのせいで……」


「落ち着いた?」


「え?」


悪戯っ子の様にニンマリするサリア。


「なんかリアさー、すっごい思いつめてたみたいだったからさー」


「あ……そっか、ありがと、サリア」


どうやら顔に出てたらしい、サリアには見抜かれてて、励まされたようだ。


「へへへー、今日の帰りクレープ奢りって事で」


「へいへい、畏まりました。」


先に進む友人の背中に、感謝しながら本来の目的を思い出す。


「ここには……いない……」


同じ髪の色で20代後半の女性に絞り、注意深くスタッフを観察していく。

パパは”審判の間”でって言ったから、施設の最奥付近のスタッフなのかもしれないと思ったが、

確かめずにはいられなかった。


『ここより”審判の間”となります、”神職”も仕事中となるため、お静かに願います』


流石に、クラスメイト全員が静まり返った……なにせ”神様”に一番近い場所になるから。

施設の最奥、”審判の間”と”施設”を繋ぐ場所に大きな扉がある。


この先に”審判の間”の入り口がある。

守衛さんの中には……いない、残るはこの先しかない。

どうしよう、心臓がどきどきしてきた……”今なら引き返せる”そんな逃げ腰な気持ちを振り払う。


「この先に、お姉ちゃんが……いる!」









上手くまとめたいところですがなかなか難しい。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ