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第3話「はるか遠い理想郷……でも、豚丼はおいしいです!」『前編』

長くダラーって書くよりもある程度の区切りで分けた方がいいと痛感する今日この頃…

  【第3話】


『はるか遠い理想郷……でも、豚丼はおいしいです!-前編-』


「……と、ゆうわけでしてぇ……」


俺は白い世界で神ちゃんと向かい合っていた……

子豚になってしまった俺は事務机の上に座らされていたが、

まぁ仕方がない、なにせ視線がこの高さでないと合わないからだ。


神ちゃんによると”異世界転生”とは別段珍しいものではなく、

現世における、ちょっと大きな交通事故が発生した程度の問題だそうだ……

それ故に、発生したとしてもすぐに対応・修復が行えたという事だが……

ある日を境にそれは悪夢の始まりとなる……


そう、現世での”異世界転生ブーム”の到来である!(※いい声のナレーション)


きっかけはそれぞれ違うであろうが、異世界の入り口にやって来る者がいる、

事件事故や災害等から超自然現象による理不尽な事故……

その中でも”超自然現象による理不尽な事故”これが実は大問題だった……


通常の死亡にて肉体を失った魂は異世界の入り口を介さず相応しい場所へと向かうが、

これが”超自然現象による理不尽な事故”で死亡した場合、

魂の循環システムなるものが異常を察知し異世界の入り口に送られ審査される。


「それがこの場所という事か……」


白一色で統一された周りを見て呟く……


「そうなんですぅ……最初はここ”審判の間”で事情を聴き、

 あることが判明すれば謝罪と理不尽な死の補填として、

 こちらの管理する異世界へと転生してもらうか時期を待って昇天してもらうかなんですぅ」


「あること?謝罪?……ああ、なるほど!」


俗に言う、”超常存在やらかしちゃった(オウマイゴッズ)説”という事だ!


「何処から伝わったかはわかりませんがぁ、

 ……異世界転生すれば特殊能力やアイテムを貰えて思い通りの生活を提供して貰えると……

 そんな噂が現世で広まり始めたのですぅ……はぁ……」


 神ちゃんは心底困ったような顔でため息をついた……

 相当苦労したのだろう、酷い考えの奴もいたもんだ……(※おまいうである)


「知らない人はそのまま昇天を選んだり、なにも求めないまま転生するのが多いが、

 知ってる人はこぞって補填に食いついてくるわけですね……」


”ガタ!……バァン!”


机を激しく叩き神ちゃんが身を乗り出す……


「そうですぅ!そうなんですよぉ!わかります!?

 毎日毎日朝昼晩問わずに転生希望でこれこれこのような能力だーとか、

 こんな設定でーとか、セッティングするこっちの身にもなってください!!

 それを毎回毎回……私に何の恨みがあるんですか……休み無しで残業までして……

 私だって私だって……ひっく、うぇ……うぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇんん!!」


「あ、ちょっと神ちゃん?落ち着いて……」


あかん、神ちゃんの地雷を踏んだらしい……子供の様に泣き出した……、

口調も変わって爆泣きだ!


「なーかした、なーかした、いーけないんだ、ぶたやろうー♪」


背後からぼそぼそっと聞こえる不審な歌声……ほぼ全裸のゴリラメイド……


「お前は、露出怪人ゴリラメイド女!……って痛てて……ぶきぃぃぃ!!!!」


「誰が……露出でゴリラですってぇ……」


「露出怪人ゴリラメイド女が俺のラヴリーなピッグヒップを鷲掴みにして力を込めている!

あまりの痛さに俺は豚の様に悲鳴をあげる……あ、今豚でした……


「リアちゃんもリアちゃんです!

私がこんなに大変な思いして頑張って仕事して休日も休まず……なのになのに!

ようやく事態が収束しかかって後処理とか毎日毎日……なのになのになのに!!

私がお仕事でいっぱいいっぱいで、しっちゃかめっちゃかなのに!

リアちゃんはあんな淫乱でふしだらな下着をつけて淫行に耽っているだなんて!!

死んだパパとママになんて言い訳すればいいんですかぁ~~~」


「ちょ、お姉ちゃん!私、淫行なんて……へぶ!?」


言い訳をしようとするゴリラメイドが神ちゃんに顔を鷲掴みにされ引き寄せられる……


何かやたら人間臭い複雑な家庭内事情が絡んでいるようだ……

神様も大変だなぁと聞き流していたらゴリラメイドに飛び火した……

ふふ、ざまぁない俺の痛みを少しでも味わうがいいさ……ぷぎゅる!?


「リアちゃんのバカバカバカバカ!おたんこなす!

それに、お留守番頼んだらお客さんに危害を加えるなんて!!

しかも襲われたから仕方なく正当防衛だなんて嘘までついて!!

後、ココではお姉ちゃんって呼んじゃダメって何度言ったら……」


「うむーむむー!!」


ゴリラメイドが顔の両側を掴まれて上下左右にぶんぶんされている……

脳みそがバターにでもなりそうな勢いだ……まぁ俺に罪を被せようとした自業自得ではあるが、

それに……危害どころか頭を潰されてますが……魂が霧散しない限りは大丈夫ですか……はい、

そして俺はゴリラメイドの腹の下で潰されていた……し……死ぬ……また死んでしまう……んを?


「ふ……、目の前で弾む双丘(アヴァロン)見事かな……字余り……」


プラカードも外れ、潰される俺の視線の先ではゴリラメイドの形の良い胸が上下左右に揺れている……

絶景に思わず和歌を詠むあたり俺も……もうだめかもしれない……助けて……


せめて……挟まれたいと思うのは豚の……いや、男として当然だよね……ぷきぃ……

嗚呼、はるか遠い理想郷(挟まりたい挟まれたいその谷間)それは近くて遠い存在……

どうせなら……この手に掴め……豚の手(足?)じゃ無理なので一触り!先っちょだけでイイから!

あいうぉんちゅ!π・タァァッッチィィ……(※圧倒的リーチ不足)


「……運命は残酷だ……ぶひ……」


机の硬さとお腹の柔らかさに挟まれ、擦り潰されながらおれは一人ブヒった……




 『次回予告』



転生前段階で死亡し子豚に転生してしまった我らが主人公……だっけ?


その名はそうそう「伊勢海助いせ・かいすけ」!


異世界バカ野郎から異世界豚野郎にジョブチェンジだ!


いいね、ジョブチェンジ!心躍るね!胸も躍るね!


ゴリラメイドの胸も躍ってるね!流石に下は見せられないね!


え?新しい仲間はどうしたかって?やっぱ無理だったんじゃないかな?


だって、-前編-ってなってるよ?下手に説明挟むからだよ無様だねーw




次回!第4話『はるか遠い理想郷……でも、豚丼はおいしいです!-後編-』にレッツ異世界ドライブ!



※諸事情により番組内容とタイトルが変更になる恐れがありますご了承ください。

多少現状説明をした方がイイかなと思ったらご覧の有様ですだヨ!ゴリラメイドのヒロイン力が堕ちるとこ迄堕ちていく…

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