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第2話「まるで豚を見るような眼で」

調子に乗って筆が進んでこの時間ヤ・バ・イ

  【第2話】


『まるで豚を見るような目で』         



「ねぇ…いつまで寝てるのよ!」


ん…俺の贔屓にしているツンデレキャラの神声優の声がする…


「ねぇってばぁ!いい加減起きないと竪穴開けるわよ!」


竪穴は勘弁…嗚呼…でも、もうちょっと聞いていたい…いいよね?


「イセ!起きたら…いい事してあ・げ・る☆」


反射的に飛び起きる俺!


「ハイル!くっ●ゅぅぅぅ…あれ?」


いかにもファンタジーの宿屋っぽい部屋のベッドに俺はいた…

心地よいハスキーボイスは夢だったのか…


「俺、たしかゴリラメイドに踵落としを喰らって絶命したんじゃ…」


「もう、やっと起きたと思ったのにぃ…まだ寝ぼけてるの…?」


「え?ええ!?…」


…俺の左隣には紅毛の美少女が微笑みながら俺の顔を見ている…

これはいわゆる、朝ちゅん?朝ちゅんじゃ無いのか?

よく見れば少女は一見シーツに隠れてわからないが全裸?(※お約束である)

むき出しの白い肩、整えられてない紅いくせっ毛…どう見ても事後です!

大変ありがとうございました!


「き、ききき君は?だだだだれれれ?」


慌てて呂律が回らない、だって仕方ないだろう?毎日シュミレーション(※ゲームである)や。

イメージトレーニング(※妄想である)は欠かしていなかったが…

いきなり大人の階段を昇っちまったんだぞ!?

いきなり爆発しなきゃならない方になっちまったんだぞ!?


「もぉ…寝ぼけてる子にはいい事してあげないんだからね!」


謎の少女が白い背中を俺の方に向け「ツン」を発動!俺にダイレクトアタック!

俺は100のダメージを受けた!俺は魅了にかかってしまった!

俺のエクスカリバーはもはや承認なしでも発動できるほど漲っている!!


「も、もう辛抱たまらん!●狼ゲームスタァァート!!」(※人●はそういうゲームではありません)


俺は狼となり謎の少女の白い肌向かってル●ンダイヴ…できなかった…

俺の右腕に何かが…何者かががっちりとホールドしていた!


「ご主人様ぁ…ボクにも…お情けを…」


俺の右腕に縋りつく全裸の少女…栗毛で僕っ娘で首輪…そして何より…何より…!!


「ケモミミ美少女キィィィタァァッァコォォォォレェェェェェェェェ!!!」


謎のツンデレ美少女に続き、謎の奴隷系ケモミミ美少女の追加投入により俺のリビドーは限界寸前!

小動物系ロリ声優と同じ声に俺のエクスカリバーも天元突破待ったなし!!


「あら…昨晩あんなに激しかったのに…元気だ事…ふぅ~」


「あふん!だ、だ…誰だ?誰だ?誰だ?俺の背後に潜む影!?」(※某忍者隊ではない)


俺の首に腕を絡め耳に息を吹きかける謎の美女がいつの間にか背後にいた…

しかも永遠の16歳の声優と同じ声で…全裸でぇぇぇ!?


「んふ、聖職者としては…見逃せないけど…イセくんが生殖者なら仕方ないかもね…えーい☆」


むにゅん!っとふくよかな何でもできる証拠を背中に押し付けられる…


「包容力のある経験豊富でえっちなお姉さん系聖職者キィィィタァァァァァ!!」


更に追加ダメージを喰らい、俺の中に蠢く闇が目覚めそうだZE!


「く!鎮まれ…俺の中の魔獣…でも…ど・れ・に・し・よ・う・か・な♪」


俺のエクスカリバーが3本あればいいのだが…

某海賊を狩る海賊みたいな器用な真似が出来ないのが恨めしい…


「もぉ!イセ!だれを選ぶの?はっきりしないと承知しないんだからね!!」


「ご主人様ぁ…ボクじゃダメなんですか…」


「イセくん…こっちの水は甘いわよぉ~」


「ごふぁぁ!!」


3人のトリプルアタックに俺のライフはとっくにZEROだぜ!!


「はぁはぁ、これだ!これだよ!俺の求めてい異世界生活は!!

 運営!やればできるじゃねぇか!ゴリラメイドはバグかなんかだな?」


ゼロより辛いところから始まった俺の異世界生活は大幅な修正対応とバージョンアップにて

軌道修正され、ウハウハでわくわくでドッキドキでおもしろカッコイイ展開を期待させる!


「よぉぉし!ヤルぞぉ!ヤリまくるぞぉぉぉぉ!!!」(※性的な意味ではない)


”ぴん・ぽん・ぱん・ぽーん”


 ん?なんだどこからともなく某魔砲少女チックな声が聞こえてくる?

 誰だ!まさか世間知らずの清楚系エルフの美少女辺りが追加で?とか考えていたら…


”はーい、そろそろキモいんで起きてくださーい!もしもし?伊勢さーん?おーい!”


「え?なに?…夢?ちょっと待って!せめて一口!!」


3人の美女&美少女が霞んでいく…


「いやぁぁぁ俺のジャスティスが!パライソが!桃源郷がぁぁぁぁ!!!」


………


俺の意識は途切れ、刹那に目覚める…



「…知ってる天井だ…なにせ白いし…ぐす…」


「お目覚めですかぁ?痛いとこや痒いとこやくすぐったいとこはありませんかぁ?」


のんびりとした声と共に俺の眼前に司祭のような服を着たあどけなさの残るメガネ少女がいた…


「え?ん?…はぁ…夢だったのかぁ…酷い…神はいないのか…くそう!」


「ここにいますよぉ?」


「へ?」


「ですからぁー、神はここにいるですよぉー?」


ツンデレ・ケモミミ・お姉さんときて…メガネっ娘の神様?

はは…何の冗談だ…俺はまだ夢を見てるのか…


「チェンジ!チェンジで!さっきの夢がいい!!」


「何か失礼なことを言われてる気がするのですー?

 でもぉーさっきまでの伊勢さんの甘酸っぱい青春のリビドー溢れる夢はですねー」


「見られてた?いやぁぁぁ!やめて!人に言われると恥ずかしい!!」


「あれはですねぇー伊勢さんの願望を抽出してぇー意識を刺激することでぇー

 精神を固定してですねぇー…」


「すまんが簡潔に頼む…」


「伊勢さんがぁ……じゃぁ、この間教わった若者向けで……こほん、

ココデシヌ!アタマグチャグチャ、タマシイムサン、デモソレハダメ!

 ガンボウシゲキ!イシキコテイ!セイメイリョクニカツイレル!

 ジカンカセイデ!ジョウホウアツメテ!カラダシュウフクOK?」


 神ちゃんがラップ調でざっくり説明しながら指さす方向に視線を向けて理解した…

 そこには俺の体だったものがあった…


「お、俺の顔が…ロイ・●ォッカースペシャルの様にペッちゃんこに…」


壁によりかかる俺らしき死体は某劇場版の超時空な要塞のロボットのように潰れていた…

細かすぎて分からないと思うが…様は端正でイケメンなロボットが敵に頭を叩き潰されて

見るも無残なブサ面に早変わりと…それと同じで文字通りペッちゃんこだ…


「これが…俺…?一体なんで…これが人間のすることかよぉぉ!!!」


某殺人鬼の様に俺は叫んだ…


「すみませぇん…それをやったのはぁ、人間ではないのですよー」


「それでぇ、詳細をお聞かせ願いたいのですがぁ…記憶ははっきりしていますかぁ?」


「は!?思い出した!美少女メイドの皮を被ったゴリラメイドに…」


「誰がゴリラだぁ?あぁ?もういっぺんぶち殺すぞ?ヒューマン!!」


「のわぁぁ!?」


突然俺の眼前にゴリラメイドが現れた…しかも下着姿で…

何故か首から大きいプラカードが下げられていて

”私は職場で破廉恥な下着を穿いて粋がっていました見てください☆”とでかでかと書かれている


「ちょっとぉ…リアちゃぁぁん?」


背後から聞こえる神ちゃんの冷ややかな声に青い顔で固まるゴリラメイド…


「お、お姉ちゃんここここれは…」


「もういっぺん?…ぶち殺す?…まさか…リアちゃん…」


口調とトーンが変わっている…ギャップ萌えを常備している俺でもこえぇ…


「い、いや、それは…その…」


「確か…いきなり襲い掛かられて、犯されそうになったって…」


え?何でそんなことに?ちょっと待ってホワイ?冤罪BANは悪い文明!


「仕方なかったって…ケガをしてないかと心配したら…そんな破廉恥な…」


「あ・な・た・が、自発的にやったんです?私の職場で?そんな破廉恥極まる下着で?」


「ち、違うよ!下着は関係な…お姉…ひぃ!!!」


神ちゃんに胸倉…ブラジャーを掴まれそのまま顔に押し付けられつつ

完全に委縮するゴリラメイド…姉の方が背が低いため子供に恐喝されてるようにしか見えない…


むしろ捲れて露になるゴリラメイドの胸の辺りが超気になる!

くそ!神ちゃんの腕が邪魔でよく見えない!

俺は使命感を感じ場所移動を決意するが…あれ?動けない?

なんという事だ!何故か視線しか動かせないなんて…神は死んだ!(※目の前にいます)


「それと…仕事場ではお姉ちゃんって呼ばないでねって言ったよね?」


「ごめんなさい…ごめんなさい…ひぃぃ…」


「伊勢さん…詳しくお聞かせ願えますでしょうか?」


そして、顔は笑っているが滲み出る凄みを湛えた神ちゃんが俺の方を見る、

そして、事のあらましを隠すことなく正直に話した…

べ、別に神ちゃんにビビってゲロったんじゃないからね!勘違いしないでよね!(※びびってます)


「違う…ちが…ち…ひゃぁぁ!!」


まだ言い逃れをしようとするゴリラメイドを一睨みで黙らせる神ちゃん…

何て禍々しいオーラだ…神じゃなくて悪魔じゃ?


「少し…おつむ冷やそっか…」


数分後…口にはできない激しい折檻を喰らい、

ご自慢の黒い下着は無残に千切れ…裸同然の格好でバケツを両手に持たされ、

べそかいて壁際に立たされるゴリラメイド…


ふふ、いい気味だ。プラカードも新しいものを下げられ、

それがかろうじて下着の役目を果たしていた。

”私は破廉恥な下着をつけてイキってた上、職場で無益な殺生をして嘘までつきました、

隅々までじっくり見てください☆”と…


「うちの愚妹がぁ色々すみませんでしたぁ…

 伊勢さんの体はぁ魂が半分砕けてぇ、完全修復まで時間がかかるのでー

 その仮の体で暫く過ごしてもらうことになりますー」


さっきの魔王のような激しい折檻からは想像できない笑顔で神ちゃんは言う…

ちなみにさっきまでの俺は水晶球のようなものに意識だけが入っていたらしい…

とりあえずたった今、波長の合う生命体に意識をダウンロードしたと説明されて、

動作チェック中だ…痛みはない…血が通った体はやはりいい…

でもあれ?視線が妙に低いような…まるで机の上に寝そべっているような…


「すみませんー伊勢さん…波長が合うのがこれしか…」


鏡を見せられた…そして理解した…

神ちゃんが申し訳なさそげで微笑ましく俺を見る目が…



「ぶぶぶぶ…豚ぁぁぁぁぁぁぁ!!!???」



…そう、俺を見る目が…まるで豚を見るような眼であったことを…


…俺は可愛らしい子豚へと転生(仮)してしまった!…




 『次回予告』



なんと、一瞬18歳未満お断りの展開になると思いきゃ…


「伊勢海助いせ・かいすけ」彼の冒険は…始まってはいなかった上に、


3歩下がって2歩下がるかのように彼の理想とは離れていく…


進むも地獄、進まぬも地獄、不幸な匂いが染みついて咽る!


作者すら先の読めない展開に孤独な彼は生き残ることが出来るか!


え?新しい仲間?紅毛の少女とケモミミ少女と年上のお姉さん?マジで?


いくらなんでもそれは無理でしょう?無理ですよね?



次回!第3話『はるか遠い理想郷…でも、豚肉はおいしいです!』にレッツ異世界ドライブ!



※諸事情により番組内容とタイトルが変更になる恐れがありますご了承ください。

サブタイトルの意味はこーいう事です…某声優陣はご想像にお任せします…あくまでイメージなので。

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