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【番外編】「神様がいなくなった日曜日」その13


【番外編】「神様がいなくなった日曜日」その13



‐あの事件から7日後の日曜日・深夜‐


■監査団代表・マグリフ視点■


『審判の間・仮設治療エリア側』


『999番目のエデン』私は、そこに監査団を率いて訪れていた。

特異点が現れ、エデンの心臓部であるコクーンが汚染された上に管理者が重傷、コクーン迄、異世界に堕としたという、にわかには信じられないような案件だ。


「しかし、特異点だと? 本当にいたとはな……大げさなホラ話かと思っていたが」


資料によると、先々代の管理者も特異点に襲われ、特異点もろともコクーンを堕としたという。現・管理者も『選定の義』で候補者を殴り倒した上、二人で管理者に選ばれたという異常者だ。


「……あいつらか、生存者1名ということは、どちらかが死んだという事だな?」


「はい、それだけではなく『神の眼』を使ったと記載が……」


「アレをか?」


私の補佐を務めるアイザックが、淡々と告げる。 マズい、アレは色々と私にとって不都合な代物だ。以前、手を回して封印させたはずだが……。


「代表、どうかしましたか?」


「いや、なんでもない。そうか、特異点か……管理者が汚染されていたら厄介だな。徹底的に調べないとな……」


「管理者をですか? 特異点はコクーンに対してしか……」


「五月蠅い! いいか、私が代表だ、余計な事は考えず指示されたことを黙ってやれ!」


「……はい」


アイザックを黙らせ、前回の『選定の義』以来に見るであろう、生き残った管理人の元へ向かう。

特異点に襲われ、一度死亡したのにもかかわらず、すぐに生き返ったという。コクーンがある程度再生しないと転移が安定せず、更に管理者がこん睡状態であり、ようやく意識が戻ったとの報告があったため、足早に向かいつつ、資料に目を通す。


「ん? リコリス? 生き残ったのは女の方か、でも、こんな名前だったか?」


肝心の管理者がこん睡状態では調査も進まず、この数日は休暇とばかりのんびりとしていた。アイザックに全て任ていたため、細かい所はろくに資料を見ていなかったが、名前ぐらいは言えないと話が進まないと、仕方なく思い出そうとしたのだが、前回の選定の義で最有力候補者を殴り倒した、金髪の気の強い女の名前が思い出せなかった。


………


……


「な、子供?」


「やあ、リコリス君だったね? もう会話は出来そうかな?」


「……はい」


私の目の前にいるのは、見た目が中学生くらいの少女だった。 アイザックが声をかけ、返答をしているから対象人物であることは間違いないが、私の記憶にある”あの女”とまるで違っていた。


事情聴取はアイザックに任せ、私は新生されたコクーンへと向かった。

そう、私にとって重要なのは、死に損ねた管理者などではない。


………


……



「おお、まだ少し小さいが……美しい、元の大きさ迄、あと少しといった所か」


こちらに到着した時には、サッカーボール程度の大きさで連絡橋からは手が届かなかったが、

管理者が覚醒したからか、今は触れられるほど近くに、そう、大きくなっている。

艶のある乳白色の外郭に触れる。やや暖かくつるつるとしていて、良い触り心地だ。


「殺されたものをも生き返らす、義体ではない完全な再生。そしてまだ誰にも汚されていないまっさらなコクーン……素晴らしい!」


コクーン、つまり審判の間の中では、受肉による義体で、死んだ者でも魂さえあれば活動は可能だが、それはあくまで中にいる間だけ、私はそのシステムを解明し、完全な不死を実現したかった。しかし、管理者になるには資格が必要だ。息のかかった者を管理者に仕立て上げる計画は、前回、失敗に終わった。


「思い出しても腹がたつ! 最有力候補の弱みを握って、儀式の最中に追い落としたというのに!」


最有力候補の弱みを突き、精神を不安定にさせる事には成功したのだが、よりにもよって、候補者の夫婦が”宣言”して、事もあろうにコクーンに”認証”されたのだった。


「今回の事件をネタに、責任問題でじわじわと追い詰めて、取り込んでやろうと思ったが」


どんなカラクリかは知らんが、あんな小娘が新しいコクーンの管理者なら、取り込んで傀儡(かいらい)にするのも容易(たやす)かろう。幸い、特異点の汚染名目で、心身ともに追い詰める予定だったのだ。私は急ぎ、幼い管理者の元へ向かった。


………


……



施設部の奴等を抑えるのは容易い。


「特異点への接触により汚染されている可能性がある為、隔離して、検査と治療を行う」


コクーンの側に、簡易医療設備が建てられていたのは、我々にとって好都合だった。

幼い管理者を隔離し、監査団のみで固め、部外者は立ち入りを禁じた。


「時間はたっぷりある」


先ずは衣服の着用を禁じた、若い少女なら、男どもの前では羞恥で耐えられないだろう。

食事はほぼ与えず、睡眠も阻害し、体力と精神力を徐々に削っていく。

常に監視カメラが見える部屋に閉じ込めた。用を足すにも全てを見られ、記録され、解析される。

常人ですら、3日と持たず音を上げる。若い少女となれば、1日も持つまい……。


「代表、ここまでしなくても……これじゃあ、まるで……」


「実験動物とでも? その通りだよ、見ただろうあの傷痕? 何で生きているんだ?」


「しかし……」


最初に監査団の目の前で、少女を全裸にして検分を行った。 皆息をのんだのが、その傷痕だった。

胸部と腹部、更には四肢に至るまで、鋭利な刃物でつけられたような刺し傷の痕が無数にあった。

傷のひとつに指を当て、軽く抉っただけで鮮血が噴き出す。ただ塞がっているだけで。今さっきつけられたような傷に、ある者は目を背け、ある者は食い入るように見つめていた。


「人間と思うな、徹底的に調べろ! 消化・循環・呼吸・泌尿・生殖・感覚・神経系、余すところなく、調べられるだけ調べ尽くせ、施設部の奴らには手を出させん!」


名前は何と言ったかな? まぁ良い、不死の情報を引き出した上、心を折り、私のいう事だけを聞く人形にしてやろう。 人間の尊厳を奪われ、調査(・・)という辱めを受ける、恥辱に耐える少女の表情を眺めながら、すべてが手に入った未来を想像して、私は笑みを抑えることが出来なかった。


………


……



「一体どうなっている!」


被検体の情報に目を通し、私は怒鳴った。 数日かけて調べた結果が”成果なし”とはどういうことだ!調査結果は、ただの人間(・・・・・)だと?


「そんなわけあるか! 自白剤投与の結果は!」


「それも、変わりないです。空腹を訴えるだけで(おなかがへりました)……」


ここまでして、抗えるとは考えにくい、このエデンにいる、息のかかった者にも調査をさせたが、両親との3人だけ(・・・・)で、親戚もすでにいないという結果だ。


「コクーンの方はどうか?」


「我々の持つ”鍵”にも、アクセスを拒否します。施設長にも提出を求めましたが、前管理人と共に失われたと……」


管理者の持つ”シンボルアイテム”や”鍵”は規格がほぼ同じだ、他のエデンの物でも、ある程度の代用が効くはずだった。 この少女の衣服にも、身体にもシンボルアイテムらしきものはなかった。恐らく施設部に預けたに違いない。


「ばかな……何か、何かないのか! 施設部への言い訳も、もう持たんぞ!」


焦った私は、部下の制止を押し切り、暴力によって口を割らせようとしたが、それも無駄に終わった。


”調査”の痕跡を隠すため、機材の撤去を終えた後、管理者の少女を解放した。特異点による汚染を”検査・治療していると”引き延ばしてきたが、もう限界だ。

管理者を回収した施設部の連中が怒鳴り込んできたが、汚染による”錯乱と自傷による負傷”と突っぱねた。


………


……



「流石に無理があるのでは? リ……あの少女が、何をされたかを話したら……」


監査団の控室に戻るなり、補佐のアイザックが口を開く。


「なぁに、何のためのカメラと資料写真だ? 腹の中まで撮影されているんだぞ? 証拠の確認で不特定多数の人間に晒させる度胸など、まずなかろう」


「……酷いですね」


「ふん、気をつけろよ? 上に知れたらお前たちも同罪という事だからな」


そう、監査団の目的は事故の調査と、コクーンの再生を確認し、審判の間の再稼働を見届ける事だった。資料をよく見れば、新しい管理人の就任を見届ける事も記載されていた。


「『就任の義』の最後には、監査団代表の私が審判の間の中に入る事になるだろう、”管理者権限”を使うにはシンボルアイテムは必須だ、必ず身に着けている筈。その時が、あの小娘を取り込む最後のチャンスだ……神の眼に関しては、小娘を取り込んだ後、難癖をつけて再度封印させればいい」


先程、小娘の身辺調査をさせていた者から届いた切り札を確認し、私は勝利を確信していた。


………


……



■監査団・アイザック視点■


『審判の間・中央部』


マグリフ代表はやり過ぎた……代表は()の怒りに触れた。

私はただ、そう思わざるを得なかった。


我々監査団の目的は、事故の調査と、新生されたというコクーンの確認、それに、管理者の娘であり、正規の手順なしに管理者を引き継いだという少女との対話をし、コクーンの再起動と合わせ、管理者として問題が無ければ、『就任の義』を見届ける事だったはずだった。


それなのに、代表は少女を半ば監禁し、”検査と治療”と称して人体実験まがいの徹底的な検査を調査班に命じた。そこには、人の尊厳など無視された、眼をそむけたくなる光景が連日行われ、ただ両親を失い失意のどん底にいるであろう哀れな少女を、限界まで辱めていた。


代表の、少女と新生されたコクーンを見る目は異常だった。

命令に逆らい、代表を止めるべきだった。 それも、もう遅い。

代表の求める結果(・・)は得る事もなく、少女は捨てられるように解放された。

後は『就任の義』を終え、内部を閲覧して我々の仕事は終わるはずだった……。


最後の最後で、代表は越えてはいけない一線を越えたのだろう。


代表は、審判の間の内部を閲覧する際に人払いをして、管理者になった少女と、私と代表による3人だけでの閲覧を強行させた。


少女は、管理者権限の『創造(クリエイト)』を使用し、我々の為にテーブルや椅子を出した。


「この若さで……大したものだ」


他のエデンの管理者は、速くても荒いか、遅くて精密なモノを創り出すのだが、速くて精密なのは初めて見た。


「ふん、何の自慢にもならんがな」


少女は常に笑顔を絶やすことなく、代表の(さげす)みを聞いていた。


「管理者のシンボルアイテムを渡せ!」


代表は何を言っているんだ? 管理者の証ともいえる、シンボルアイテムを要求するなど、監査団にそんな権限はないし、そんな横暴は許されない。


「お断りします」


「いいのか? お前の検査時の映像が人の眼に触れても?」


代表は、私の持つアタッシュケースを見る。確かに、中には人には見せられない資料がある。


「代表、それは脅迫では……」


「別に、かまいませんですよぉ?」


「「え?」」


意外だった、普通自分が辱めを受けている映像を、脅迫のネタにされれば動揺するものだが、少女は笑顔で即答したのだ。


「私の、貧相で、それも刺し傷だらけの身体を見て喜ぶ変態さんは、一人しか心当たりがありません」


少女は、代表を真っすぐに見据えていた。


「わ、私の事を言っているのか? いや、これを見ても同じことが言えるかな?」


「そん……な」


代表が懐から取り出し、ソレを見た少女が、初めて動揺を示す。


「確か、くたばった前管理者以外、家族はいないはず(・・・・・・・・)だったよなぁ?」


「う……」


「リアリス・フォーレン……偶然かねぇ? 苗字が一緒というのは? 自分の周りの情報を操作していた様だが、他人の撮った昔の写真までは隠せなかったようだな、んん?」


「……」


少女からは笑顔が消え、代表にいい様になじられている。


「……ありません」


「はぁ? 聞こえんなぁ?」


代表は、水を得た魚の様に活き活きとしている。こんなのが(・・・・・)代表だとは正直信じたくはない。


「シンボルアイテムは、ありません!」


「はぁ?」


代表が信じる訳もない、管理者権限はシンボルアイテムを通して発動する。先程、力を使って見せた以上、身に着けているのは明白だ、それなのに少女は否定し続けている。


「アイザック! 今すぐこの小娘の身体検査だ!」


やな予感はしていた、代表は私に、少女の身体検査を命じてきたのだ。


「すまない……どうして隠すのかは分からないが、また辱められるくらいなら……もう」


これは医療行為ではない、ここに来てから何度も味わった、激しい罪悪感が私を襲った。


「大丈夫です……もう、慣れちゃいましたから」


少女は笑顔で言うが、身体は震えていた。医療用の手袋をはめ、検査を開始した。

口を開かせ、歯に仕込んでいないことを確認する。正直ここで見つかってほしかった……。


「では、服を脱いでテーブルに手を突いて、足を開きなさい……」


ローブや装飾品にもシンボルアイテムは見つからない。歯に仕込んだりする者もいれば、ピアスやブレスレットなどのアクセサリになっているのが一般的だ。威厳を出すためなのか、杖とかにする管理者も数多い。女性ともなれば、男性には無い場所に隠すことも可能だ。


「我慢しなくてもいいんだ、体内に隠しているなら……ん?」


おかしい……少女は連日、身体中を調べられていた筈だ。体内のあらゆる個所もくまなく調べるよう指示され、記録にも目を通している……施設部に預けているものとばかり思っていたが、この少女は……。


………


……



「もう服を着ても大丈夫だ……」


身体検査を終えた少女は、黙って頷き、ローブ()を身に着ける。


「どうせ腹の中に隠していたんだろう? ほれ、寄こせ!」


催促する代表に首を振り、手袋を外してポケットに押し込んだ。


「ありませんでした」


「そんな馬鹿な! もっと調べれば……」


「彼女の腹を裂き、内臓を掻き出しますか? 頭蓋を割って、脳をかき回しますか?」


「ぐ、ぬぅ?」


代表は、状況を想像をしたのか、直ぐに口ごもった。


「代表も見ていたのならわかりますよね? 彼女に初めて会ってから、検査を終えた時まで……」


「な、何をだ?」


「……彼女の身体の中には、人工物(・・・)が無かったんですよ?」


「き、貴様! どこだ! どこに隠した!」


「代表?」


代表が隠し持っていた拳銃を取り出し、少女に向けていた。


「ここは、魂を鎮め、行く先を示す場所……武器を持ち込む(・・・・・・・)のは禁じられています」


「代表、落ち着いてください! 流石に看過できません、この件は……」


ガァァァァァン!!


「え? ぐぁぁぁ!」


銃声が轟き、腹部に焼けつくような痛みを感じながら、私は膝から崩れ落ちた。


ガァァァァァン!!


「……!」


私に近づこうとした少女の足元に銃弾が撃ち込まれ、床を抉った。


「手当をしないと、あなたの部下の方が死んでしまいますよ?」


「五月蠅い! 貴様だ、貴様がみんな悪い! コクーンが新しく生まれるなど、それに立ち会えるなど……一生に一度もない位の奇跡だ! これは、神が私に与えたチャンスに違いない!」


代表は狂っている……。


「この、生まれたてのコクーンは、私が管理するのがふさわしい! そうだ! それが良い!」


代表は、事あるごとにコクーンや不死の事を話していた。 やはり、今回の不自然な強行は私情によるところが大きいと、今更ながら思った。


「さぁ、シンボルアイテムを寄こせ! な、何をしている?」


「大丈夫ですか?」


少女は倒れる私の側で膝をつき、撃たれた傷に手を添える。 不思議と痛みが引いて行く……。


「痛みが……なぜ私を?」


ガァァァァァン!!


「あぅ!」


少女が背後から肩を撃たれ、私の上に倒れる。


「私を無視するとは、いい度胸だ……いいのか? 妹が、お前と同じ様な辱めを受けても?」


「……っ!」


少女はゆっくりと立ち上がり、代表と向かい合った。


「腹の奥まで機材をねじ込まれても、口を割らん根性は認めてやろう。 だが、妹の方はどうかなぁ? 数秒で全てを話してくれそうじゃぁないか?」


代表が写真を見せつけながら、下卑た笑いを浮かべる。命じられたからとはいえ、思考を停止し、少女を辱めた私には、それを断罪する資格などはないが……。


「許しません……妹に、リアちゃんに手を出す事だけは、絶対に許しません!」


常に笑顔で、おっとりとした少女が、想像もできない激しい感情を露にしていた。


「許さんだと? ならどうする? ここで私を傷つければ、このエデンごと消されたって文句は言えないんだぞ?」


「そうですか……管理者権限発動……」


ボトン!


「はへ? ぴぎゃぁぁぁぁぁ!!!」


何が起きた? 少女が呟いた瞬間、床から時計の針のようなモノが2本跳ね上がり、代表の眼前で交差した瞬間、代表の右手が”切断”された。


「何と報告されようとかまいません(・・・・・・)。あなたの思うようにはなりません」


少女は代表に背を向け、私の元へ戻ってきた。


「傷は塞ぎました、後でちゃんとした所で診て貰ってください」


「なぜ? 君に……あんなに酷い事をした私を助ける?」


いくら代表に撃たれたからと言って、私を助ける義理はないはずだ。 何故……。


「そうですねぇ、アイザックさんでしたか、私が色々されている時、とても辛そうな顔をしてましたのでぇ」


「は? いや確かに、私にも娘がいてね、娘が君と被り、命じられたとはいえ……辛かった」


ぽややんと、笑顔で答える少女に余計なことまでも話してしまった。 憎まれても、罵られてもおかしくないのに、不思議な気分にさせられる。


「……というのは冗談でぇ、実は……」


「な?」


ガァァァァァン!!


笑顔で手を差し出す少女の手を取り、立ち上がろうとしたところだった。 銃声が響き、銃弾が少女の左胸を背後から貫いた。


「ひ、ひひ、私に手を出したな? これは反逆だ! 貴様を殺処分し、コクーンは私が接収する!」


倒れ込む少女を抱きとめ、先を見ると、残された方の手で、拳銃を構えている代表がそこにいた。


「見ただろう? アイザック! コイツは特異点に汚染され、狂った上に、私に危害を加えた!」


「代表……あんたって人は……」


代表には、医者を廃業し、行く当てのない所を拾ってもらった恩がある。だが、こんな非道は許されることではない。 冷たくなっていく少女の身体を強く抱きしめながら、代表を睨む。


「そいつの死骸を、今すぐ解剖しろ! 内臓だろうが脳だろうが、必ずどこかにあるはずだ!」


「断る! この非道は全て報告させてもらう……」


「ア、アイザーック! 貴様、私のへの恩を忘れ、その化け物の肩を持つというのか?」


私は無力だ……監査団として代表を取り押さえる事も、医者としてこの少女を救う事もできない。

代表の銃で、私とこの少女は死ぬことになるのだろう。


「化け物は、あなたです……マグリフ(・・・・)さん……」


「え?」


それは紛れもなく、心臓を撃ち抜かれ、死んだはずの少女の声だった。


………


……




3分割めの2番目となります、キリの良いトコで切れなかったので、長めになります。

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