【番外編4】「大っ嫌い……だったお姉ちゃん」その3
【番外編4】‐大っ嫌い……だったお姉ちゃん‐その3
<それは、当たり前の言葉……>
何時間経ったのかな? 私はどこかの廃倉庫っぽいとこに連れてこられていた。
部分的に電気が生きているのか、ここは明るかった。
私は裸にされ、広いベッドの様なものに横たえられている。
「畜生!俺たちが見つけてきたのに酷くね?」
「まさか、あの人の耳に入るなんて……この馬鹿!」
「痛て!仕方ねえだろ、持ってた生徒手帳の名前出したら、すっげぇ食いついてきて」
「ああ、勿体ねぇ!俺たちが先に味見するはずだったのに!」
何かもめてる……。直ぐに滅茶苦茶にされるかと思ったけど、人形の様に抵抗しなかったせいか、服を剥ぎ取られ生まれたままの姿にされここに横たわっている。いつになったら全部忘れさせてくれるの?
「こんな上玉を、あの筋肉ダルマに先に食われるのか……」
「仕方ねぇよ、あの人に逆らったら俺たち……」
「俺たちがありつけるのは、ボロボロにされた後だもんなぁ……」
「こんなに可愛くて処女なのにホント勿体ないよなぁ……」
「「「え?なんで、わかんだよ!」」」
なんか眠くなってきたよ……寝ていい?起きたらすべて忘れてる?
「いや、ウチって産婦人科だから色々資料を盗み見てたから、脱がした時ついでに」
「で、あったのか?あったんだな!」
「つーか覗き見たのか!俺、我慢してたのに!」
「奇麗な体のウチに、カメラに収めておかないと」
「「「「そうだね、後で売れるし!」」」」
処女?そりゃぁ誰とも付き合ってなかったし、運動してれば膜なんて無くなるって聞いたことあるけど……そんなに欲しいんなら告白してきた誰かにあげとけばよかったかな?
サリアも欲しがってたっけ……あれ、サリアってどんな子だったっけ?
………
……
…
眠ってしまおうと思ったら、男たちが私をカメラで撮影しはじめた、思い思いのポーズを取らせられた為、寝るに寝れない。いい加減楽になりたいと思っていたら、誰かが来たらしい。
「お前ら、手を出すなと言ったのに何をやっている!」
「「「「タツヤさん!チィーッス!!」」」」
「言われた通り、手は出していません!ぶべ!」
「ちょっと記念撮影等を……ぎゃ!」
「あとちょっと身体検査を……おぶ!」
「とてもすべすべで、柔らかかったで…ぐえ!」
男たちは私を放り出し、やってきた男の前に整列し言い訳を述べていたが、ビンタされてる。
「まぁ、いい、それより本物のリアリス何だろうな?」
筋骨隆々の男が私に近づき、腕を掴んで引きずり上げた。 痛いなぁ、痛いのはやだなぁ。
全てを忘れさせてくれるんじゃなかったの?せめて楽に忘れさせてよ……。
「本当にリアリスだ……へへ、俺をコケにして振ったくせに、こんなところで体を売ってるとか、とんだ優等生様だ、ふざけやがって!」
「どっかで会ったことあったっけ?……思い出すのもめんどくさい……」
「あんだけ俺に、恥をかかせておいて忘れてたってのかよ……」
「そういえばタツヤさんって、前に告白した時こっぴどく振られたって」
「なんか告って断られて、抱き着いたって聞いたな」
「その後【バキューン】を蹴り上げられたって聞いたぞ?」
「連れてきた女を、ボロボロにするのはそれが……」
「あっ?何か言ったか!」
「「「「何でもないデス!ごゆっくり!」」」」
”ドボ!”
「おぶ!?、ごほ!がふ!」
筋肉ダルマが私を吊り下げたまま、お腹を殴った、お昼食べてなかったから吐きはしないけど苦しい……。
「くそ!俺が目をつけてやったってのに、こんなビッチだったとはな!」
”ボフン!”
今度は乱暴にベッドに叩きつけられた、お腹がジンジンするけど、壊れた心の軋む痛みよりはマシに感じる。
「ふぅー、ふぅー、おい!お前ら!ビデオカメラがそこに入ってる、今からこのクソ女を滅茶苦茶にしてやるからしっかり撮っとけ!」
「タツヤさん、ビデオは流石にマズいんじゃ?」
「写真なら顔を消す加工はできるけど、ビデオは俺らじゃ」
「売るにしても、足が付きやすくなりますよ?」
「上層の学生だし、もしバレたら……」
「ごちゃごちゃうるせえ!」
「「「「は、はぃぃ!」」」」
「いいんだよ、これは売るんじゃない、大量にコピーして上層にばらまくんだ……。
上層の学園で人気者の優等生様が、”中層で淫行に励んでました”なんて広まったら、もう上には戻れねぇよ」
「「「「ひでぇ……」」」」
筋肉ダルマは服を脱ぎながら、私が元の生活に戻れない様な事を言っている。別に……もう戻るとこなんてないよ、帰るとこなんか。
「いいか!俺の顔は映すなよ?ちょっとでも映ってたら……」
「「「「はい、わかりました!」」」」
どっちにしろ、私の人生は終わったようなものだ、どこでどういう結末になろうと、誰も気にすることはないだろう……いいさ、堕ちるとこまで堕ちてしまえば、いつかお姉ちゃ……神様の耳にも届くかもね。
”ギシ、ギシ、”
痛いなぁ、筋肉ゴリラが私の腕に膝を乗せ、動けないようにしている、別に逃げないよ……。
「むぶ!?むぅ!」
何?何か硬いものを、口に入れられ鼻をつままれた、何か苦くてシュワシュワした液体が流し込まれる。
「やっぱ、不良学生には酒がつきものだよなぁ!」
これは、この匂いはビールだ、あれ?誰だろう広い背中……ビールを美味しそうに飲んでる誰かの姿を思い出す。
誰?こんな不味いのどうしてそんな顔して飲めるの?
………
……
…
「はぁ……、はぁ……うぇ!」
私は、沢山のビールを無理矢理飲まされた、身体中が熱いし視界もぐるぐるしてる……。
飲酒ってこんなに気持ち悪いものなの?大人ってこんなのをいつも体験してるの?
「へへ、すっかり出来上がったようだな、」
筋肉ゴリラの顔がすぐ目の前にある、こっちも気持ち悪い……なんか吐きそう。
「何でこんな所で、こいつらに付いて来たのか知らんが……俺はついてるぜ、想いと復讐を同時に達成出来るし、まだ処女らしいじゃねぇか!」
「俺たち悪くないよな?」
「そうだよな、まだ手も出してなかったし」
「あの子もボロボロにされて、俺たちの仲間入りか」
「ああ、行くとこ無くなりそうだし優しくしてあげよう」
「「「「だから恨まないでね!」」」」
ぼやけた視界で逆さまの4バカがそれぞれビデオを構えていた。
「じゃぁ、頂くとするか……」
頭の中がぐちゃぐちゃしてきた、これならみんな忘れられる様な気がしてくる……。
私の頬を顔よりも熱いものが流れて行った。涙?何で涙なんか……。
もう、早く忘れさせてよ!気持ち悪いんだよ!……え?何かが聞こえた?
<おねーちゃん!おねーちゃん!>
<ふへ? ん、リアちゃんどうしたのぉ?>
何処か見覚えのある部屋……幼稚園に上がったころの記憶?
<おねーちゃん、ご本ばっか読んでる!リアと遊ぶって約束したのにー!!>
<ごめんなさいですぅ、おねーちゃんうっかりしてました、ごめんですよぉ>
パパとママが死んだ日の記憶?やめてよぉ、何でいまさらそんな記憶を見せるんだよぉ!
<お詫びに、今日のおやつはホットケーキにしますからぁ……ね?>
<ほんとに?甘いのいっぱいかかってるやつ?えへへ……ほっとけぇぇきぃ>
やだ!もうやだぁ!やめて!忘れたいのに!”忘れたくないもの”を見せないで!!!
「やだぁ!お姉ちゃん!パパ!サリア!助けてぇぇ!!!」
”バチィ!ドカ!”
足を広げられ、タツヤと呼ばれた大男が覆い被さってきた瞬間、私は無我夢中で抵抗していた!
「何だ!?急に抵抗しやがって。痛ぇ!この!」
”ガス!ドカ!”
私は顔を殴られ、混濁した意識と恐怖でぐったりと力を失った。
「くそ、思いっきり殴りやがって!もう許さねぇ!」
私の首が両手で締め上げられる、苦しい……息が出来ない。
「タツヤさん!?マジで締めてる?それはヤバイって!」
「死んじまいますよ!」
「いくらなんでも、やりすぎですって!」
「落ち着いてください!」
4バカが撮影をやめ、タツヤを制止する。
「ふぅー、ふぅー、いいのか?お前ら、中層で落ちこぼれのお前たちが好き勝手出来るのは誰のおかげだ?」
「「「「タツヤさんの、おかげです……でも!」」」」
「なんだ、このクソ女に同情でもしたのか? 今まで俺の後で楽しんでたお前たちが? ハ!
笑わせるな!俺の親父の力がなきゃ、とっくにお前たちなんか”追放”されていたんだぞ?」
「「「「……」」」」
「もういい!ビデオカメラを1台寄こせ!お前たちはそこから撮影してろ!このクソ女の泣き叫ぶ顔は、俺がヤリながら撮ってやる!」
もう力が入らない、抵抗する力もない、逃げ出して全てを投げ出したと思ったのに……。土壇場で捨てきれなくて泣き叫ぶなんて……みっともないなぁ私、無様だよね。
”ギシ……”
「へへ、やっと大人しくなったか、良い声と顔で鳴いてくれよ!」
ビデオカメラを構えたタツヤの顔が迫ってくる、もう逃げられない。
「お姉ちゃん、ごめんなさい……私バカだった、もっとちゃんと話したかった……」
【ブツン!】
私が全てを諦め、タツヤに犯されそうになったその時、照明が落ちていきなり闇に包まれた!
「なんだ?何が起こった!何とかしろ!」
「停電なんて、そんな? ぐえ!」
「ちょ、なんだお前 へぶ!」
「タンマ!タンマ! へぎゃ!」
「え?え? はぶぅ!」
”ドサ!ドサ!ドサ!ドサ……ゴイン!”
4バカの悲鳴と倒れる音が聞こえた。何が起こっているの?
「ほう、良く撮れてるじゃねえか、アングルに悪意を感じるぜ、だが、まだ青いな」
誰かが、4バカの落としたビデオカメラを拾って中身を確認したようだ、この声って?
「誰だてめえは!」
「上層の女生徒を拉致監禁、おまけに暴行と強姦、トドメに飲酒…… かぁ!これだけで十分、”追放”モノだなボウズ……」
間違いない、この声は、パパだ!何でパパがココに?
”ガバ!”
「あぐ!」
タツヤが私の首元に手を置き、ネックレスのチェーンを引っ張って、私を引き寄せる。
「フン、正義の味方気取りか?あいにく俺は”追放”にはならないぜおっさん?」
「面白れぇこと言うじゃねぇか、ちなみにその娘は”神職”の身内だぞ?」
え?……そうか、パパだって”神職”にかかわる仕事だもんね、あの人のって事じゃないよね?
「それがどおした?俺の親父だって”神職”にとって、なくてはならない存在なんだぜ?親父がいなきゃ……」
「現在の”神職”の”審判長の妹”だって言ってもか?」
「へ?はは、馬鹿な、そんな上層の重要な人物がこんなところで、男を漁ってるわけないだろう?
それに知ってるぞ、”神様”には身内がいないってな!」
「ほう、そんなボウズも、中層でチンピラ集めて好き勝手やってるのはどうなんだ? それに、身内がいたら、腹黒い奴らが群がってくるから”身内はいない”ってことにするのは当然だろ?」
じゃぁ、あの時のお姉ちゃんの言葉は……。
「”施設”のデータベースの情報だ!”10年以上前から神様はあそこから出ていないし、家族も訪れないから取り入る隙がない”って親父が言ってたぜ?」
「はい、言質戴きました!サリア君、記録は取れているか?」
『ばっちりっすよー!映像媒体も回収出来てるんで、身元も親のポジションもバレバレですー!』
え?どこか遠くからサリアの声が聞こえる?何処にいるの?
「て、てめぇ!、お前ら、いつまで伸びてる!さっさとそいつを捕まえろ!仲間もだ!逃げられたらお前たちも”追放”されるぞ!」
「「「「!!!」」」」
目が慣れてきたのか、タツヤが立ち上がり、4バカも起き上がるのが見える。
「だめ!パパ逃げ……」
「サリア君、今だ!」
『あいあいさー!せこっとな!』
【シュカ!】
「うお!? 眩し!」
「「「「目が!目がぁ!」」」」」
っ!闇に目が慣れてきたところで照明が付いた為、網膜が焼かれ目を開けていられない!
「ふん!」
”ドボォ!”
「がふ!」
”ギシィ!ボォォン!!”
目が開けられないので分からないが、タツヤがパパに倒されたようだ、その衝撃で私の体が跳ねる。
「パパ……なの?」
「ああ、そうだ」
「なんで?どうしてここに来たの? 私、もう何も、帰る場所なんて……」
”パァァァァン!”
倉庫内に乾いた音が響く、パパが私に平手打ちをしたんだ。
”ガバ!”
パパが私を抱き締める、前にもこんな事が……。
「このバカ娘が!お前の帰る場所はあるだろうが!それとも何か?俺と住んでるあそこは大切でもない、思い出もない、家でもなんでもなかったってのか?」
「パパ……そっか、そうだよね、私にはまだ帰れる場所があるんだよね……」
お姉ちゃんに捨てられた後、私を引き取ってくれたパパ、我侭を言って暴れる私を抱き締めてくれたパパ、二人で一緒に過ごした温かい家……熱い涙が溢れてくる。
「大切だよ!思い出だっていっぱい詰まってるよ!私の家だよ!」
私も強くパパを抱き返した、そうだよ、私は一人じゃないんだよ……。
「ったく、ちびジャリだった頃はつるペタだったのに、出るとこ出てスケベな躰に育ちやがって!」
”もみゅん”
パパが馬鹿なこと言いながら、私のおしりを揉んできた。
「ば!馬鹿!このクソ親父……うぷ!」
パパに手を上げようと急に動いたせいか、無理矢理飲まされたビールが一気に周りはじめ、気持ち悪さが復活した。
「あれ?らんれ?急に?目がまわってきたろ?」
私はそのまま酔い潰れてしまい、意識がなくなった。
………
……
…
”チュンチュン、チチチ……”
小鳥のさえずりが聞こえる……?
「くちゅん!」
「目が覚めたか?バカ娘……」
目の前に、パパのボロボロの顔があった。 あれ?
「え?ここは!? 私、あいたた……」
今までに味わったことのない、ずぅんとした痛みが頭を襲う、それに気持ち悪い。
「うえぇ、私どうなったの?ここは?」
私はパパの上着を着せられて、おんぶされていた。 ここは中層と上層を結ぶ長い坂道の様だ、もう、夜は明けていた。
「ったく、重くなりやがって、腰にくるじゃねぇか!」
「ば!なら降ろしてよ!恥ずかしい……」
パパは痛い位に腕に力を込めて、私を降りさせてくれなかった。
「もう少しだけ、このままでだ、それにいいのか? 通勤ラッシュが終わって人通りがないからいいが、そのままの格好で歩くのか?ストリーキングでもするのか?」
「え?やだ!どうして?」
私は今の格好を理解した、私は裸の上にパパの上着を着てるだけだった。道理でおしりがスースーすると思った。
「わかったか?特殊な性癖を持った奴が見たら、ずっと付いてくるぞ?」
「う、うん、ごめんなさい、もう少しこのままでお願いします……」
後ろから覗かれないかと振り向くが、視界内に誰もいなかった。 良かった、後ろから覗かれたりしたらもうお嫁にいけない!
「それにしてもパパ、何でボロボロなの?確か一撃で倒してなかった?」
ああ、お前が潰れてゲロってたら、あのフルチンが復活してよ、もう1戦やることになった。
チンピラも含めて5対1だったがな、ちょっとイイのも貰ったが、全部のして警備部に引き渡した。
「ゲロって……おほん、でもタツヤって総合格闘技部の部長だったはずだよ?大会でも準決勝まで行ってたはず……」
「詳しいな、彼氏だったか? でもよ準決勝って事はそこで負けたんだろ?在籍中、毎年優勝した俺にかかちゃぁ、まだまだケツが蒼い!」
パパってOBだったんだ、私とのケンカの時は手を抜いてたんだね。それはそれとして。
「ち、ちがうよ!以前、告白された時にお断りしたんだけど、抱き着いて来たから思わず……を蹴り上げちゃって、その後サリアから情報を聞いたんだよ!」
「ん、ああ、そうか、振られた上【バキューン!】を潰されたからあんなに執着してたのか」
「潰しては……ないと思うけど、そうだ!サリアは!サリアの声が聞こえたんだ!」
「……サリア君は、先に帰ったよ、お前を捜すのに協力してくれたんだが、一晩中ってのは親御さんも心配するだろうからな」
「そっか、でもどうしてパパと一緒に?」
「ああ、お前が”施設”を飛び出して行った後、えらい剣幕で施設の中に押し入ってきてな、
その後……まぁ、協力してもらっったわけだ」
「え、それって、私の所為?」
気持ち悪さとは別に私の顔が蒼ざめる。
「でも、サリアが協力したからってそんなに役に立……」
「うるさい!」
「ひっ!?」
パパが立ち止まり怒鳴った。 え?何で?
「い、いや、すまん。リア、お前は良い友達を持ったな、まるでロイドの……いや、なんでもない」
変なパパ、でもクレープの奢りの件もポシャっちゃったし、今度何でも好きなもの奢ってやるとしますか……。サリアの事だから調子に乗るかもだけど、大目に見てやるか。
「……ねぇ、パパ?」
「ん?なんだ?」
「さっき言ってた”身内はいないことにする”って本当なの?」
「……リ……お姉ちゃんに、そう言われたのか?」
「うん、私なんて”知らない”って、”家族なんていない”って……」
胸を抉られるような記憶を、パパに打ち明けた。パパの肩に置いた手に力が入る。
「あの馬鹿、そうまでして……」
「え、なぁに?良く聞こえない」
「いや、なんでもない”身内はいないことにする”と決まったのは先代がなくなった後だ……」
「そう、ありがとう」
うん、たとえ本当でなくっても、私にはこの広くて暖かい背中で十分だ……。
運よく誰とも出会うことなく、家に辿り着いたのはもうお昼になっていた。
「今日が土曜日じゃなかったら、無断欠席だったよね?」
パパの背中から降り学校の事をすっかり忘れていた事を思い出す。
「何言ってる?昨日のカリキュラム中にサボって、中層でお愉しみだったじゃねぇか?」
「ちょ!それは!言わないでよ!……もう、反省してます……ごめんなさい」
「ふむ、恥じらいながら謝る姿も新鮮だが、前くらい隠せよ、バカ娘……ぶごっ!」
”バッチィィィィン!”
私の腰の入った掌底が、パパの顎を直撃した!
「うぷ、気持ち悪い……」
「おお、痛ぇ!二日酔いで朝帰りした不良学生が無茶すんな!」
「だって……ひゃぅ?」
パパは私を抱きかかえ、家へと入っていった。
「お帰り、リア……」
玄関に入ってパパが唐突に言った。10年以上も繰り返してきた当たり前の言葉なのに、何でこんなに安心するんだろう。
「うん、ただいま!パパ!」
一応一通り纏めたら1万文字を超えてたので、分割して調整、次回は最終回に出来るはず。
仕事が立て込んでいて調整がままならない……土曜のお昼に次話を上げるつもりだったのですが、他の連載執筆中に寝落ちしてしまいました(;^_^A
用事で出かけなければなので、今日の夜に次話を上げられる様頑張ります。