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神託の転移者  作者: 百矢 一彦
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無敵の女性陣


 神父は慣れた手つきで床に魔法陣を描く、全員が中に入り姿が見えなくなった、

「どこ行った?、昨日の教会か?」とユーゴが少し慌ててメルマに聞くと、モニターが切り替わり、西側の国にある教会の近くの茂みが写った。

白く光った魔法陣から全員が出てくる、みそのを省く女性陣は、光学迷彩ヤッケを身に着け始めた、

そんな様子を写すモニターに、大きくリス顔のB3が写りこむ、

「あるじー、心配いらないよー」とモニターに向かってしゃべってきた、

(蝙蝠達には、念のため偵察ロボットの位置を知らせてあります)とメルマが言った。

あいつ、余計な事してばれたらどうすんだよ、とユーゴはひやひやだったが、ユーゴの部屋で暇そうにしていたB8は羨ましそうにモニターを見ていた。


「よし、お前も行ってこい」とユーゴがB8に声を掛ける、

ピコーンっと起き上がるB8、思わず蝙蝠に姿を戻し、部屋の中を飛び回っている、

ユーゴは、モニターに少し離れた木の上を映すように指示して、モニターを見ながら場所をイメージして亜空間の道を開く、

「いいか、あの神父のおっさんを気が付かれないように守れ」そう言ってB8を送り出した。

「わかったー、おっさん守るう」とB8は張り切って出て行った。



その直後、今送り出したB8から連絡が入る、

(誰か隠れてる、みんな見張られてるよ)そう思念を送って来た、

ユーゴがあわてて「おい、メルマ」そう言うと、モニターが次々切り替わるが怪しい人影は見つからなかった、

(魔法で視認できないようにしてると予想、かなりの魔力の持ち主がいると思われます)

そうメルマが言う、

罠か、これは現場に行かないと相手はみつけられないな。


ユーゴは慌てて準備をして、今作った亜空間を通って、みんなが居る場所から少し離れた木の上にでた、

B8が近寄って来て、(あそこ)と少し離れた、こちらと同じような木の上の方を向いた。

ユーゴは魔力サーチと温度感知の魔法を使い相手を確認する、相手は強力な隠密の魔法を使い、木の葉の付いた布を頭からかぶっていた。

ユーゴは、瞬間移動で相手の背後に移動すると、間髪入れず電撃をくらわし隠れてた男を気絶させた。

こりゃ、かなり手ごわいぞ、恐らく待ち構えられているな、


みゆきと神父を残して、女性陣が動き出した、

みそのは流石の動きで、屋根に上り、建物の中に消えていく、

ユイナは迷彩ヤッケで身を隠し、門の上で待機している、

驚いたのはアイーダだった、いつの間に覚えたのか、身体強化と風魔法を駆使し、あっという間に教会の鐘のある塔に上り、迷彩ヤッケを着たままライフルを構えている。


メルマ、蝙蝠達に連絡は入れたな、そうユーゴがメルマに確かめると、

(みな連絡済みです)と帰ってくる、

では、もう少し様子を見るか、ユーゴは教会の近くの木に移動して身を隠した。



地下への階段を進むみそのにB4が警戒を即した、

(この先に4人待ち伏せしてるよ)

待ち伏せ?、この計画が覚られていたのか? 他の皆は大丈夫だろうか、みそのは不安を胸にしながら小太刀を構えて慎重に進む。

(みんな大丈夫だよ、僕たちがいるからね)B4はそう言ったかと思と姿を蝙蝠に戻し、天井近くをとんで先行する、階段を降りたところで衝撃波を放った。

潜んでいた男たちは悶絶している、みそのは素早く当て身を食らわし、猿ぐつわをして縛り上げた、

「B4、みゆき殿の方は異常ないか?」と聞く、

(大丈夫、異常無いよ)B4の答えを聞くと、少し考えて、「こまま続行しよう」と言って、懐から魔法陣が書いてある革製の敷物を取り出すと、扉の手前に弾いた。

B4がB3に準備が出来た事を連絡すると、程なく魔法陣が光り、みゆきと神父の姿が現れた。

「なるほど、これは便利な使い方だ」と小声で神父が感心する、

「ユーゴさんが考えたんですよ」とみゆきが何処か誇らしげに答えた。


「中の様子は?」とみそのがB4に聞く、B4は扉の隙間から超音波を送り中を探る、

(男が二人待ち構えてる)そうB4が言うと、B3も姿を蝙蝠に戻し待機した、

みそのは、懐から二匹の猫を出し、目配せして扉に手を掛ける。

猫が通れるぐらい扉を開けると、蝙蝠二匹と猫二匹が突入していった。


建物の外、門の上でユイナは外部からの侵入者に注意を払っていると、

(中で待ち伏せに会ったみたいだよ、もうやっつけたけどね)とB1が言って来た、

なに、とユイナは建物の方を見た。

すると、建物の扉の前に6人の男が潜んでいるのが見えた。

これは計られたのか、そう思いながらそっと門の上から庭に降り、慎重に男達の方に近づいていった、


教会の塔の上、アイーダも外から侵入者にそなえていた、

彼女たちの計画では、外からの想定外の侵入者が無い限り、中でみそのが発見される事は無いと踏んでいたのだ、魔法陣を出た瞬間から見張られていたなど思ってもいなかった。


(ユイナが動いた、扉の前に男が6人いる)B2がアイーダに報告する、

「え、ここからじゃ死角じゃない、こっちも動くわよ」とアイーダが言う、

(あいつら、僕たちでも見つけずらい術を使ってるよ、他にも居るかもしれない)とB2が警告する、

「わかったわ」アイーダはそう言いながら、塔の下へと降りて行った、


あのバカ、何で動く、

ユーゴは、教会の周りの木に潜んでいた魔石銃を持った狙撃手の二人目を始末した所だった、

まだ二人潜んでいるのに、あれじゃ狙い撃ちだ、急いで隠れるように言わないと、

そう焦るユーゴに

(大丈夫)とメルマが言って来る。

ユーゴはメルマを振り返り、本当だろうなと確かめた。


アイーダは屋根の上に立ち、事も有ろうか光学迷彩の風防を外し顔をさらした、


ああ、何をやってるんだあいつ、とユーゴが居ても立っても居られないと瞬間移動しようとした瞬間、

ダン、ダン、と二方向からアイーダめがけて魔石銃の銃弾が飛んだ、

ユーゴが目を見開いてアイーダを見る、


アイーダの周りで円形の光が光ったかと思うと、魔石銃の銃弾がはじき飛んだ、

「ふん、場所が判れば、私は外さないわ」そうアイーダはうそぶくと、魔石ライフルを構え、二発別方向に放つ、木から男が二人落ちて行った。


(アイーダ殿が、強力な結界魔法を会得したとB2から報告を受けていました)とメルマがいつもの機械口調でいう、

ユーゴはイラっとしながら、早く教えといてくれよう、とメルマを睨みつけていた。


扉の前では、アイーダの銃声が合図の様にユイナが飛び出し、相手に何の反撃も許さず、あっという間に六人の男を気絶させていた。


何この無敵集団は・・・、ユーゴは寒気を覚えながら木の陰で隠れていた。






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